期待のバンド“ドレスコーズ”、ファースト・アルバム『the dresscodes』リリース!

ドレスコーズ | 2012.11.30

 期待のバンド“ドレスコーズ”が、いよいよベールを脱ぐ。ファースト・アルバム『the dresscodes』は、期待も謎も全部ひっくるめて、「こっちに行ったか」という印象。毛皮のマリーズで名を上げた志磨遼平が、腕利きのミュージシャンを集めてドレスコーズをスタートさせると聞いた時、かなり実験的な色彩の濃いバンドになると予想していたから、『the dresscodes』を聴いてそのポップさに驚いた。正直、「嬉しい裏切り」と言っていい。

 たとえばアルバム・トップの「Lolita」では、曲の中で志磨の声質が変化して、多彩なボーカルの魅力をアピールする。またギタリスト丸山康太を初め、メンバーが存分に特長を出して、クオリティの高いロックを生み出している。「みんなしっかりしたルーツを持ってるから、何をやっても”コク”がある」という志磨の言葉どおりのアルバムになった。

早速、志磨、丸山、菅大智(dr)、山中治雄(b)にインタビューしてみた。

EMTG:ロリータ趣味の人は、誰ですか?!(笑)
志磨:僕でーす! 
EMTG:あはははは。1曲目の「Lolita」にはビックリした! こんな感じのポップをやるとは思わなかった。
志磨:そうですか。
EMTG:しかも、ボーカルのアプローチが面白い。Aメロはグッと抑えて始まって、サビでいつものニャーニャーした“志磨声”になる。
志磨:前にやってたバンドの時はバックが全編うるさくて、自分の声がよく聴こえなかったからニャーニャー歌ってたんですよ。でもドレスコーズだと、音にスペースがあるからこうなるんです。
EMTG:声の表現の幅がすごく広くて、かっこいい。
菅:(先行シングルの)「Trash」の時にも「こういう歌い方もするんだ」って思ったんですけど、いいですよね。
EMTG:バックの音によって歌は変わるものだけど、“隙間のある音”でロックしてるからかっこいいんだね。特にギターにそれを感じた。
丸山:自分はスティーヴ・クロッパーとかが好きだから、ずっとこんな感じでやって来た。
EMTG:歌詞もすごく前向きでいいね。♪怒りはあるか? それでいい♪っていうフレーズが心に残る。
志磨:何に怒りがあるかわからないけど、それを全肯定したかった。圧倒的な肯定っていうか、暴力的な肯定をしたかった。
EMTG:相手の肩をバンバン叩きながら「それでいいんだよ」って言ってるみたいな?
志磨:そうそうそう(笑)。全肯定の曲って、アルバムの1曲目にピッタリじゃないですか。
EMTG:そうだね。で、「Trash」があって、3曲目の「ベルエポックマン」はさらにポップな曲。これもイントロのギター・リフが覚えやすい。
丸山:志磨くんの良さはポップなところだと思うんだけど、ドレスコーズにはまだポップな曲が少なかったんで、曲の断片を基に作っていった。でも、ここまで分かり易いのを狙ってやったことがなくて。僕は“The Who”ってバンドが好きなので、何回も聴き直しました。
EMTG:The Whoは、シンプルでポップなロックンロールが得意だもんね。次の「ストレンジピクチャー」も面白い。英語をわざとカタカナっぽく歌ってる。
志磨:そう、わざとカタカナっぽく歌ってます。この曲はどんどんアレンジが変わっていったので、最後の最後に歌詞を書いたんですけど、イメージは“メキシコが舞台のロードムービー”だった。
EMTG:それで“ソンブレロ”とかカタカナっぽく歌ってるんだ。
志磨:そうですね。メンバー4人が好きな世界です。
EMTG:だったら、ついでに“ミル・マスカラス”とか、メキシコのプロレスラーの名前も入れればよかったのに(笑)。
山中:いや、あくまで僕は三沢光晴ファンですから(笑)。
EMTG:あはは、こだわりだあ。面白かったのは、「Puritan Dub」。ジャムセッション風で、ある意味、僕がイメージしていたドレスコーズの“わけがわからん感”にピッタリだった。
志磨:これは“ダブ”といいながら、なんかカン違いしてる感じを狙いました(笑)。エンディングのセッションは、なんにも決めないで、「誰か終わんないかな…」っていう感じで。
山中:僕は最初に抜けちゃうから、いいんですけど(笑)。
丸山:僕がエンディングらしいコードを弾けば、曲は終わりなんですけどね(笑)。
志磨:だからライブで、お客さんがエンディングで不安気な顔をするだろうな。それを僕が自慢げな顔で見てるっていう(笑)。
EMTG:実験的な面で言うと、「誰も知らない」も複雑な構成で面白かった。
志磨:この3人でやることになって、最初に浮かんだイメージの曲なんですよ。でも実際に始めてみたら、どんどんシンプルになっていった。だから最初のイメージを忘れないうちに曲にしておきたかったんで、この曲を最後に作ったんですよ。菅さんはラテンのリズムで、(山中)治くんにはアーシーなベースを弾いてもらって、丸山くんには長いギター・ソロをやってもらって。曲を作るときにサンタナを聴いてたから、仮タイトルは“サンタナ”!
EMTG:そのまんまじゃん(笑)。じゃ、最初に作った曲は?
菅:「1954」。初期からあった曲で、山中くんが入ってから完成させた。歌詞の意味的にも、ドレスコーズの初期段階のものです。
EMTG:♪夢なら ここで、今すぐに起こしてよ ママ♪っていうところかな。“1954”は、どんな意味?
志磨:なんの意味もないんですよ。
EMTG:そんなことないでしょ?(笑)
志磨:はいはい、平山さんにだけ話しましょう(笑)。実は歌詞に“コルベット”っていう車の名前を入れたかったんだけど、入らなかった。で、パソコンで調べたら、シボレー・コルベットは1954年に発売されたって出てたから、タイトルにしちゃいました。
EMTG:確かに意味はないような、あるような。しかも、聞いて得したような、損したような(笑)
志磨:損したはないでしょ(笑)。
EMTG:アルバムで僕がいちばん好きなのは「リリー・アン」。予想外のポップチューンで、嬉しいショックだった。ギター・ソロも“へたウマ”で笑わせてもらった。
丸山:いやあもう、無になって弾きました(笑)。
山中:スタジオで聴いた時点で、「完璧なギター・ソロだ」と思いましたよ。
志磨:丸山くんは、ライブでもこのフレーズをいつも弾きますね。曲によっては毎回違うソロを弾くものもあるんですけど。
EMTG:完成度が高いソロなんだね。そして、いよいよ年明けからツアーが始まる。
志磨:シングル入れて14曲しかないから、あんまり突飛なことはできない。でも新曲やカバーをやりますよ。だから、みなさんに言っときます。「アルバム聴いてね。ライブに来てね。カバーもやるよ!」。
EMTG:楽しみにしてます!

【取材・文:平山雄一】

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ビデオコメント

リリース情報

the dresscodes(初回盤)

the dresscodes(初回盤)

2012年12月05日

日本コロムビア

1. Lolita
2. Trash
3. ベルエポックマン
4. ストレンジピクチャー
5. SUPER ENFANT TERRIBLE
6. Puritan Dub
7. Automatic Punk
8. リリー・アン
9. レモンツリー
10. 誰も知らない
11. (This Is Not A) Sad Song
12. 1954

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お知らせ

■マイ検索ワード

●丸山
かとうれいこ グラドル

京都のライブの打ち上げで、最悪な帰り方をしてしまって、でも「すいません」って言いたくなくて、取りあえず、かとうれいこの水着の画像を送っときました。

●菅
ドンカマ

昔のコルグ製のリズムマシンの略称で、なんの略なのか調べたら、”ドン”はキック(バスドラム)の音で、”カッ”はクラベス(拍子木のようなラテン・パーカッション)。それがオートマチックに♪ドン、カッ、ドン、カッ♪って鳴る機械だから”ドンカマチック”なんだって。

●山中
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ノイズ・ポップの“ノー・エイジ”っていうアメリカのバンドのPVを見てました。

●志磨
くさや的魅力

よくみんな「くさや的魅力」って言うじゃないですか。食べてみた人にしか分からないとか。朝起きて、パソコンで調べました。


■ライブ情報

FACTORY
2012/12/15(土)フジテレビ V5スタジオ

the dresscodes LIVE at TOWER RECORDS
2012/12/22(土)TOWER RECORDS渋谷店 B1F<CUTUP STUDIO>

DECEMBER’S CHILDREN
2012/12/27(木)日本武道館

RADIO CRAZY
2012/12/29(土)インテックス大阪

rockin’on presents COUNTDOWN JAPAN 12/13
2012/12/31(月)幕張メッセ国際展示場1〜8ホール/イベントホール

the dresscodes LIVE for HMV
2013/01/06(日)LIVE HOUSE FEVER

the dresscodes TOUR 1954
2013/01/23(水)京都磔磔
2013/01/24(木)渋谷O-WEST
2013/01/27(日)札幌cube garden
2013/02/02(土)広島ナミキジャンクション
2013/02/03(日)福岡DRUM Be-1
2013/02/09(土)仙台darwin
2013/02/10(日)新潟CLUB RIVERST
2013/02/16(土)梅田QUATTRO
2013/02/17(日)高松DIME
2013/02/22(金)名古屋QUATTRO
2012/03/08(金)日本青年館

※その他のライブ情報、詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。

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