flumpool、2年ぶりのアルバム『experience』をリリース!
flumpool | 2012.12.12
約2年ぶりとなるアルバム『experience』をリリースするflumpool。2012年は、その大半をツアーに費やし、徹底的に“個”に向き合ってきた彼ら。その結果、たどり着いたのが、この『experience』というアルバムなのだ。
大勢に対するメッセージというより、個から個に対して歌われる曲の多くは、密度が濃い楽曲に仕上がっている。2013年1月には大阪と東京でflumpool Special Live 2013“experience”at YOKOHAMA ARENA / OSAKA-JO HALL(1月11、12日@横浜アリーナ、1月16、17日@大阪城ホール)を行い、アルバムの世界観を存分に表現してくれるはずだ。まずは、メンバーに『experience』について語っていただこう。
- EMTG:2012年は、ほぼツアー「flumpool 5th tour 2012『Because... I am』」に終始したと思うんですが、アルバム『experience』は、そのツアーの合間に制作されたわけですね。
- 山村隆太:そうです。“今しか伝えられないこと”を突き詰めていこうっていうライブ感は十分に注ぎ込めたと思います。もちろん、それだけじゃなく、ツアー中だからこそ感じることができる伝わりやすさだったり、わかりやすさをじっくり考えられたんで、いい具合に制作できた気がします。
- EMTG:タイトルの『experience』には、どういう思いを込めたんですか?
- 山村隆太:ほぼ2年ぶりのアルバムになるんですが、この間のflumpoolを表現するとしたら、やっぱりライブなんですよね。ここ2年間で、80本以上やってきて、その経験が今の自分達の一番の礎になったし、特に今年、「Because... I am」という曲を掲げてまわったツアーは核の部分だと思うんです。その経験をそのまま音楽にしようと思って作った曲ばかりなんですよ。前回のアルバム(=『Fantasia of Life Stripes』)は、コンセプトが“自由に”だったんですが、今回はそういうことを考えず、自分達が納得できる曲を1曲1曲の単位で作る方がいいんじゃないかと。というのも、実は去年、アルバムを出す予定もあったんですが、3月に震災があって、その時の自分達としては、伝えたい音楽を届けられる気がしなかったんです。それで、もう一度「Because... I am」を持ってツアーをまわって、そこで実際にバンドと向き合って確信を持てた上で、アルバムを作ろうってことにしたんですよね。だから、まずライブをして、その中で得た経験や感じたことを音楽にすることが大事だと思いました。あとはバンドとしての経験ですよね。特に2011年、2012年の2年間は、これまでの2年間とは違う、すごく意味のあるものだと思うので。
- EMTG:確かに、震災のあとは、多くのアーティストが音楽との向き合い方を見つめ直していたように思います。
- 山村隆太:例えば、このアルバムで“希望”とか“明日”とかをわかりやすく歌うより、“大きな経験だったな”って感じられる方が明日につながるポジティヴな言葉なんじゃないかと思うんです。そういう意味での『experience』ですね。
- EMTG:なるほど。では、多くの経験が詰まったアルバム曲の中から、メンバーそれぞれの気になる1曲をあげていただけますか?
- 阪井一生:僕は3曲目の「イイじゃない?」ですね。
- EMTG:これ、かなり本能全開のハジケた曲ですが。
- 阪井一生:実はメロディーは後回しで、アレンジから作り上げた曲なんです。今までにないパターンでしたね。すごく王道なロックのイメージの曲で、どうしても形にしたかったんです。仕上がってみたらライブ感も出せたし、自分にとってはすごく印象的な曲になりました。
- 山村隆太:僕は「Natural Venus」ですね。ツアー直前にできた曲なんですけど――。
- EMTG:あ、この曲、すでにライブでも披露してましたもんね。
- 山村隆太:はい。これは女性賛歌の歌というか、男性ならよく感じることだと思うんですが、やっぱり女性にはかなわないっていう内容で。女性が持つ穏やかさもそうですし、女性特有の余裕みたいなものもってあるじゃないですか。それは母親を見ていても、友達の女性を見ていても思いますし。そういう手が届かない、蜃気楼みたいな女性を追いかけているのが男なんだなって。
- 尼川元気:僕は「The great escape」です。
- EMTG:やはりきましたか!(笑)。誰かがこの曲を推してくれると信じてましたよ。働いている人なら、誰もが感じるこの世界(笑)。ちょっとフラッとお休みしちゃおうかなっていう歌詞も印象的でした。
- 尼川元気:今、女性賛歌というセレクトがあったので、僕は男性の共感が得られるような曲を選びました(苦笑)。何か、こういう気持ちってありますよね。守りたいものはあるんだけど……でも……っていう(笑)。
- EMTG:リアルに“あるなぁ”って思いますよ。山村さんは、どうしてこういう歌詞が出てきたんですか?
- 山村隆太:やっぱり自分と向き合うと、まわりにも結婚して家庭を持ち始める友達も出てきたりするじゃないですか。そうすると責任がついてまわるし、守りたいものができてくる。以前は常に自由でいたかったのが、それでも責任があるっていうことが心地よい瞬間もあったり。
- EMTG:ちょっと不自由な感じを心地よく感じることもありますよね(笑)。でも、一方ではエスケープしたいという(笑)。さて、小倉さんはどの曲を?
- 小倉誠司:どの曲がいいですか?(笑)。
- EMTG:うーん、「36℃」とか?
- 小倉誠司:あ、言おうと思ってました。
- EMTG:ホントですか?(苦笑)。
- 小倉誠司:ホントです!(笑)。聴いた瞬間に、これはアルバム最後の曲だなって思ったし。ボーカルが作った曲だから、ボーカルソングになる可能性もあったはずなのに、ちゃんとflumpoolの曲として落とし込めたと思いますしね。あとは、自分にしか守れない愛の歌で締められた感じがあるので、アルバムのラストにすごく合っているなと。
- EMTG:確かに弾き語りで終わるのかなって思ったんですけど、その後、広がりを持たせたサウンドになりますよね。作詞作曲を担当した山村さんは、どんな風に曲をまとめたんですか?
- 山村隆太:これは曲が先でした。やっぱりライブをしている時の気持ちとして、何千何万の人に届けることも大事なんですが、ひとりひとりに届けたいっていう気持ちが強かったんですよね。だから、ああいう曲調になったと思います。逆にそれぞれが個であるからこそ、体温も感じられるわけですから。ひとつじゃないからこそ、感じられるものの大切さがあるはずなので。
- EMTG:意外な曲も多いし、テーマもバラバラだけど、“経験してきたこと”っていうところで、統一感が感じられるアルバムになってますよね。さて、年明けにはアルバムを掲げて、横浜と大阪でトータル4DAYSのライブが決定してますが。
- 山村隆太:ここ2年の経験をそのまま音楽にした『experience』を掲げたライブになるので、ホントに集大成ですよね。ツアーでいうところのファイナルっていう気持ちを持っているんで、来てくれた人達にとって、これまで見たことがないライブを見せられると思ってます。今回、2ヶ所だけなんで、もしかしたら遠いところから来てくれる人達もいると思うんですが、絶対に後悔はさせないので、ぜひ足を運んでいただきたいです。
- EMTG:実はまた細かいツアーも……ということは?
- 山村隆太:いや、その予定はないんです。
- EMTG:じゃあ、もう行くしかないと!
- 山村隆太:ですね!(笑)。
【取材・文:海江敦士】
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ビデオコメント
リリース情報
experience (初回盤)
2012年12月12日
A-Sketch
2. Answer (TBS系 木曜ドラマ9「レジデント~5人の研修医」主題歌)
3. イイじゃない?
4. Across the Times
5. プレミアム・ガール
6. Sprechchor
7. Because... I am (シャープ「au AQUOSPHONE CL IS17SH」TVCMソング/日本TV系「スッキリ!!」7月テーマソング)
8. 証 (第78回NHK全国学校音楽コンクール・中学の部課題曲/NHK「みんなのうた」2011年8月~9月)
9. Natural Venus
10. 傘の下で君は…
11. 覚醒アイデンティティ (日テレ系&J SPORTSラグビーワールドカップ番組イメージソング)
12. The great escape
13. Touch (シャープ『au AQUOS PHONE IS 11SH』TV CMソング
14. 36℃
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お知らせ
●山村隆太
ダーツ コツ
投げ方は人それぞれっていうんですけど、自分としては上手くなりたいので(笑)。まだまだ上手くないので、少しでも上手くなるコツがあればと思って調べました。
●阪井一生
しゅんすけ
最近話題になっているぬいぐるみみたいな犬です。あれ、メッチャかわいいじゃないですか! これを見て、ホントに犬が欲しいと思いました。
●尼川元気
大阪・某商店街 うどん
通っていた大学の近くの商店街にあった店で、普通のうどんだけど、世界一うまかったんですよ。名前が何だったのかわからなくて検索したんです。マジでまた行きたい。検索したら一応ヒットはしたんですけど、今やっているかどうかはわからないです。
●小倉誠司
FACEBOOKストーンハウス
ネットの記事なんですけど、FACEBOOKにのっていた写真。重い病気にかかっていた犬を湖の浮力で浮かせて、一緒に抱えている飼い主の写真を撮ったカメラマンの名前がストーンハウスさんなんです。検索すると出てくるので検索してみてください。映画でも小説でもなく、記事を読んで初めて泣けました。
■ライブ情報
『Ready Set Go!!』
Count Down Live2012 ⇒ 2013
supported by A-Sketch
2012/12/31(月)神戸ワールド記念ホール
flumpool Special Live 2013“experience”
at YOKOHAMA ARENA / OSAKA-JO HALL
2013/01/11(金)横浜アリーナ
2013/01/12(土)横浜アリーナ
2013/01/16(水)大阪城ホール
2013/01/17(木)大阪城ホール
※その他のライブ情報、詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。