flumpoolのニューシングル「Because...I am」は“個”と向き合った深い作品。

flumpool | 2012.07.11

 今年の3月からflumpool 5th tour 2012 「Because...I am」を展開中のflumpool。そのアルバムタイトルと同名のシングルを7月11日にリリースする。
すでにライブでも披露されているようだが、アグレシッヴなロックチューンに“個”を掘り下げた言葉がちりばめられている歌詞が印象的。“生まれてごめん これが僕です”という歌詞からも、バンドとしての新境地がのぞく。彼らにどのような変化が起こっているのか……。ツアーの合間にメンバーを取材し、話をきいてみた。

EMTG:現在、全国ツアー「Because... I am」の真っ只中だと思いますが、これまでのところ、ツアーの手応えはどんな感じですか?
山村隆太:ライブはちゃんと1本1本のライブに集中できてる感じですね。
EMTG:そして、7月11日にはツアータイトルと同タイトルのシングル「Because... I am」をリリースしますね。ツアー自体は3月末からスタートしているので、この曲もかなり前から存在していたのでは?
山村隆太:そうですね。去年がflumpoolとして何ができるかだったり、“みんなでひとつになろう”っていう年だとしたら、今年は“個に立ち返って自分自身を磨いていく”年かなと。それが今年のflumpoolのテーマなんじゃないかって話になったんです。その中でツアーもやろうと思いましたし、それが曲になったということなんですよ。
EMTG:じゃあ、ツアーのタイトルが先に決まったんでしょうか?
山村隆太:ツアーが先に決まってたから、結果的にはレコーディングがあとになったかな。でも、アイデアとしては、ほぼ同時期だと思います。
EMTG:曲はテーマに沿って作ったんですか?
阪井一生:そこまで意識せずに作ったんですけど、はき出すような……叫びみたいな曲にしたかったというか。ベース、ドラム、ギター、ボーカルの4つの音を意識した鋭い曲にしたかったんです。歌い出しから勢いがあるような。
EMTG:よりバンドサウンドを重視したわけですね。いい意味でドロくささがあってカッコいいサウンドになってますよね。
小倉誠司:レコーディングしてても楽しかったです。すでにツアーでも演奏しているんですけど、ライブ映えしますよね。ツアーのテーマにもなっている曲だし、リリースする前からこの曲は大事にしようっていう思いを込めているので。今後、ライブでどう成長していくのかも楽しみですよね。現時点でもライブで成長しつつありますし、音源がリリースされてからライブに来てくれた人には、曲の印象も変わってくると思うんで。
EMTG:正直、お客さんの反応ってどうでした? 歌詞の“生まれてごめん これが僕です”っていう一節には、驚いた人も多かったと思います。かなり人間の本質に向き合った内容ですし。
山村隆太:「Because... I am」っていうテーマは、自分っていうひとりの人間を、どういう風に磨いていけばいいのか。強くなるって何なんだろうって思って書いたんですよ。やっぱり、人と生きていくって、すごく難しいと思うんです。その社会の中で自分らしく生きていくのは難しいことだし、どうしても気をつかう。みんなで強くなるのは得意だけど、ひとりが抜け出して強くなるのは制御されてる気がするんですよね。こういうのって日本独特のものかもしれないけど、まず自分がこう思う、これが自分ですっていうことを発信する力が大事なんじゃないかと思うんです。
EMTG:インディペンデントであるということでしょうか。
山村隆太:そうですね。だから、これまではライブで新曲を演奏したら、とりあえずみんな盛り上がってくれてた気がするんだけど、この曲は、みんなが鏡を見ているようにじっと聴いてくれているように思います。
EMTG:いい意味で問題作ですね(笑)。
山村隆太:僕らflumpoolも、今までリスナーに対して寄り添うような音楽を多くやってきたし、どこか優しいイメージもあって。言ってみれば、ポップスの真ん中にいた僕らが、ちゃんとそこを掘り下げていくのは、すごく意味があることだと思うんです。そこで今まで聴いてくれた人にも、これから聴いてくれる人にも、心の深い部分まで触れられる可能性がある曲だと思ってます。聴く人の感情に触れてこそ、正しいポップスの形だと思うんで。
EMTG:バンドにとっては、かなりの挑戦でしたね。では、山村さん以外の皆さんにもおききします。「Because... I am」の歌詞にどんな印象を受けましたか?
阪井一生:曲に叫びや吐き出すイメージがあったんで、歌詞とも合ってるし、こういうリアルな言葉、僕はすごくいいと思いました。
小倉誠司:僕は今までで、いちばん大好きな詞ですね。まぁ、別に山村隆太をホメるわけじゃないですけど……メッチャ好きなんですよ(苦笑)。僕自身の印象なんですけど、レイジ・アゲインスト・ザ・マシーン的な匂いを感じて。彼らって結構政治批判をしているバンドじゃないですか。「Because... I am」は政治批判をしている歌ではないんですけど、今みたいな時代って、僕自身はあまりよくないと思っていて。だから、いろんなことに悩んでいる人達には刺さる曲かなって思うんですよね。
尼川元気:僕は結構すんなりと受け止められました。
EMTG:まだまだライブを通して曲が成長していきそうですね。
山村隆太:はい。ここからまだ課題が見えているっていうのがいいですよね。これで満足できるツアーなら、いいとは思わないけど、どんどん課題が見えてくるっていうのは、すごくいい状態だなって思います。
EMTG:カップリングは「サマータイムブルース」という曲が収録されていますが、ちょっとヒネリのあるサマーソングですね。
阪井一生:実は雨のジメッとした空気をイメージした曲だったんです。
山村隆太:そのイメージはありました。どうして「Because... I am」のカップリングにしたかというと、「Because... I am」は今年のflumpoolの軸になる曲だと思うんです。そこで、その対局にあるような曲というよりも、主張しないけど存在感のある曲を置きたいなと思って。「Because... I am」が切れ味の鋭い曲だとしたら、「サマータイムブルース」は曖昧な感じっていうんですか。どちらも引き立つような曲にしたいと思ったんですよね。歌詞の中でも誰もが憧れる燃えるような恋かと思いきや、打ち上げ花火のような派手に散るものではなく、線香花火のようにじっと見ている感じの、切ない温度感なんですよね。そのバランス感ですよね。
EMTG:夏の歌だけど、タオルを振り回すようなアッパーなものではなくてね。この曲、聴いていると夢オチのような気もします。
山村隆太:あ~、でも似てますね。
小倉誠司:ドラムは機械的な感じにしたかったんですよ。もちろん生ドラムを叩いてはいるんですけど、淡々とした感じで。
尼川元気:ベースも淡々とした感じですよね。雨の感じというか、ジメッと感にはこだわりました。
EMTG:敢えてお祭りソングを入れてないところも印象的ですね。3曲目にはリミックスで「Summer DIVE 2012~into the Blue~」が入ってますが。
阪井一生:僕は踊らないですよ(笑)。
EMTG:ツアーは9月まで続きますが、ツアーファイナルが沖縄ですね! もしや、ここで夏休みを?
山村隆太:いや、すぐ東京に帰ります……どうでしょう、スケジュール次第ですね(笑)。
EMTG:まだまだ先は長そうなのでがんばってください(笑)。

【取材・文:海江敦士】

tag一覧 シングル 男性ボーカル flumpool

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ビデオコメント

リリース情報

Because… I am

Because… I am

2012年07月11日

A-Sketch

1.Because… I am 
2.サマータイムブルース
3.Summer DIVE 2012~into the Blue~
4.Because… I am(Instrumental)

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■マイ検索ワード

●山村隆太
日食

見られる時間とか場所を調べてました。僕ら、金環日食の日、ツアーでちょうど鹿児島にいたんです。で、日本中で鹿児島くらいだったんじゃないです か?……日食が全く見えなかったのは(苦笑)。雲は多かったんですけど、ギリギリ見えるか……っていうタイミングで、ちょうど桜島が噴火して、も のすごい確率で見れませんでした……。仕方なく厚い雲を見ながら、ワンセグの中継を見てました。

●阪井一生
ジム

行った先々でジムを探してジムに行っています。スタッフさんとかメンバーと、みんなで体力測定したりしてます。誰がいちばん筋肉があるかっていう のを 測ったり(笑)。ちなみに、筋肉の素質は元気君が最強ですね(笑)。

●尼川元気
米子 マジックバー

ツアー先の米子でマジックバーに行きたくて探したんですけど、見つかりませんでした(苦笑)。

●小倉誠司
全日本女子バレー

試合スケジュールと放送時間を調べました。ライブとかぶった日は、打ち上げにも行かず、ホテルに戻ってテレビで試合を見たりしてましたね。


■ライブ情報

flumpool 5th tour 2012
「Because... I am」

2012/07/01(日)福岡サンパレスホテル&ホール
2012/07/07(土)新潟県民会館
2012/07/08(日)新潟県民会館
2012/07/14(土)ニトリ文化ホール(さっぽろ芸術文化の館)
2012/07/16(月/祝)旭川市民文化会館 大ホール
2012/07/21(土)伊勢市観光文化会館
2012/07/22(日)土岐市文化プラザ
2012/07/28(土)山口市民会館
2012/07/30(月)広島ALSOKホール
2012/07/31(火)広島ALSOKホール
2012/08/02(木)姫路市文化センター 大ホール
2012/08/05(日)横須賀芸術劇場
2012/08/11(土)名古屋国際会議場 センチュリーホール
2012/08/12(日)名古屋国際会議場 センチュリーホール
2012/08/19(日)東京国際フォーラム ホールA
2012/08/20(月)東京国際フォーラム ホールA
2012/08/23(木)オリックス劇場(旧大阪厚生年金会館)
2012/08/25(土)オリックス劇場(旧大阪厚生年金会館)
2012/08/26(日)オリックス劇場(旧大阪厚生年金会館)
2012/08/29(水)宇都宮市文化会館
2012/09/04(火)大宮ソニックシティ 大ホール
2012/09/08(土沖縄市民会館 大ホール

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