シングル「新世界」をリリースしたACIDMAN。ボーカル&ギターの大木伸夫に話を訊く。

ACIDMAN | 2012.12.19

 「新世界」は激しいイントロから始まって、歌に入るといきなり静かになり、途中からガツンと激しくなるダイナミックな新曲だ。“世界の始まりの音”をテーマに、生まれ変わる世界を力強く歌い上げる。久々にロック感満載のシングルは、きっとリスナーに大歓迎されそうだ。
 カップリングの「swayed」は、自分達の楽曲をリアレンジしてカバーするシリーズ“second line”。 もう1曲はアコースティック・バージョンの「Under the rain」だ。どちらも「新世界」と好対照をなすリリカルな世界を持っている。
 宇宙の真理と自分たちの生きる世界のつながりを独特のタッチで描くACIDMANの“動と静”がくっきり浮かび上がるシングル「新世界」について、ボーカル&ギターの大木伸夫に聞いてみた。

EMTG:久しぶりにガツンとロックなシングルだね!
大木:ライブを意識した曲になりました。
EMTG:「新世界」はどんな風に作っていったんですか?
大木:デモとしては、けっこう前からあって。(前作アルバム)『ALMA』が完成する頃に、メンバーに聴かせて、スタジオで合わせたりしてました。でも「何か足りないな」と思ってた。で、ギターを持ってあれこれやってたら、10年前に同じキーの曲を作って、寝かせていたのを思い出したんですよ。それと合わせてみたら、見事にくっつきまして。
EMTG:くっついちゃったんだ!(笑)
大木:はい! そこからいろんな詩を書いてみたんです。
EMTG:激しいイントロから、歌に入ると急に静かなAメロが始まる。
大木:そうです。あの部分は、“世界の始まりは、すごく小さな音だろう”というイメージがあって。宇宙はビッグバンから始まるわけですけど、その時に音がする。たとえばパンパンに膨れ上がった風船に針を刺して割ることがビッグバンだとすると、破裂する直前に針が風船の表面に触れる音がするはずなんです。そういうところから詩のイメージが膨らんでいって。この曲を作った時のイメージを大事にしながら、詩を書いていきました。
EMTG:そこから激しいサビに行くわけだ。
大木:ひとつひとつの音には意味があって、そこから“世界がまた始まる”。生まれ変わる世界は、喜びの世界であってほしい。だとすれば、その世界は喜びの涙が落ちる音から始まるのかもしれない。そういうイメージをこの曲から受け取って、詩を書きましたね。
EMTG:サビは歌詩がぎっしり詰まっていて、マシンガンみたいに言葉が飛び出してくる。それこそ息継ぎも大変なくらい、エネルギッシュだ(笑)。
大木:そうなんですよ、歌うのが大変なんです(笑)。転がり出したら止まらな い。それもビッグバンのイメージですね。
EMTG:世界が生まれ変わることは、怖くないんですか?
大木:いいや、いつも世界が変わればいいと思ってワクワクしてます。僕が言う“世界”って、大きな世界のことじゃなくて、個人のことなんですよ。普段、普通に味わっているもの、見ているものが変わるっていうことが、「世界が変わる」ってことだと思う。見慣れた景色が違って見えたら、世界が変わったことになる。夕陽や銀杏の色が、昨日見た色と違ってたりね。もともと世界は美しいものなので、それを美しく感じられないのは、その人自身の問題だと思うんです。
EMTG:個人が感じることで、世界の有り様は変わるってことか。それにしても、そういうことを大木くんが歌う時って、必ず“宇宙論”がベースになってるね。
大木:はは、そうなんですよ。オレが好きな物理学とか量子力学に、“超ひも理論”っていうのがあって、すべてのものは“振動”から成り立ってるっていう理論なんですよ。音楽も“振動”だから、オレは世界の仕組を調べるのが音楽だって思ってます。
EMTG:あはは、そこに落ち着くわけだ。歌詩には“アカシア”や“獣”っていう言葉が出て来るけど。
大木:僕らのインディーズのファースト・アルバム(2002年)に「酸化空」という曲があって、♪アカシアの下で 滅ぶ獣達♪って歌詩がある。アカシアはアフリカの植物で、この歌詩はその頃の僕が持ってたアフリカのイメージだった。それで今年、初めてアフリカに行ったら、イメージどおりのアフリカがそこにあって。今回は実際に行った自分として、アフリカを歌詩に書いてみたかったんですよ。
EMTG:そのアイデアは面白いね。そしてカップリングは自分達の楽曲をアレンジを変えてカバーするシリーズ“second line”の「swayed」。ベースがかっこいい!
大木:あのベースのフレーズは佐藤(雅俊)くんのアイデアで、アコースティック・ライブでこのアレンジで演奏してた。それがよかったから、ちゃんと録りたいなと思って。でもちょっと変えたかったから、ストリングスを入れました。
EMTG:もう1曲のセルフカバー「Under the rain」は、ハイポジションのアコースティック・ギターがすごくきれい。
大木:もともとは激しい曲だったんだけど、メロディアスな面もあって、ライブで弾き語りでやったら気持ちが入って、メロディの良さがすごく伝わった。なので「新世界」と振り幅をつけるために、今回入れました。
EMTG:いいメリハリになってるね。そして来年はいよいよアルバムかな?
大木:まだ言えないですけど、用意はできてます!
EMTG:言っちゃってるじゃん(笑)。ツアーもあるんだ。
大木:はい。「新世界」の♪ウォーウォー♪の最後の一回は、ライブを観に来るみんなが歌ってください。
EMTG:ありがとうございました。

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リリース情報

新世界

新世界

2012年12月19日

EMIミュージックジャパン

1. 新世界
2. swayed (second line)
3. under the rain (acoustic)

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自分のイメージに合った“新世界”の画像を探して検索しても、出て来るのは大阪の“新世界”の画像ばっかり。串揚げは嫌いじゃないんだけど、なんとかしてください(笑)。


■ライブ情報

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