メジャー1stシングル「masquerade」をリリースするオルタナティヴ・ギター・ダンスロックバンド、HaKUに迫る!

HaKU | 2013.01.23

 07年に関西で結成されたオルタナティヴ・ギター・ダンスロックバンド、HaKU。昨年10月にアルバム『Simulated reality』でメジャーデビューを果たした彼らは、緻密に構築されたエフェクティヴな曲世界を、コンピューターやシンセなどを一切使用せずに制作、しかもライヴでも人力のみでそれを表現するという驚異のニューカマーだ。初登場となる今回は、1月23日にリリースされるメジャー1stシングル「masquerade」のことや、人力で表現することへのこだわり、そして今後の展望などを、辻村有記(Vo&Gt)、藤木寛茂(Gt)、三好春奈(Ba&Vo)、長谷川真也(Dr)の4人に話を訊いてみた。

EMTG:「masquerade」はいつ頃に出来た曲なんですか?
辻村:『Simulated reality』を制作した直後に新しいサウンドを求めていて、いろいろ実験してる中から出来た曲ですね。何曲かあったんですけど、コレしかない!っていう感じでした。エディットしてるように聴こえるぐらい音が詰まってたりとか。
EMTG:何故音を詰めようと思ったんですか?
辻村:今までは鋭利なサウンドを突き詰めていたんですけど、重量感のあるサウンドがすごく苦手だったんですよ。3年前ぐらいに挑戦してみたんですけど、自分の声と合わずに諦めてしまっていて。でも月日が経って、自分達のサウンドメイキングも変わって来たから、今なら出来る!と思って。それで、今までの鋭利なものに重量感を足したら、自ずと詰まったというか。
長谷川:重量感っていうのは始めから題材としてあったので、ツインペダルを使ってみたり、普通にパッと聴いただけで下が増えてるのが分かるように、新たなチャレンジをしてみました。
三好:ギター2本と半音でユニゾンしたりハモったりするところで、どういう風に保っていくか?っていうのは自分の中で挑戦だったんですけど、結構思い切ってやった部分もあったので、上手くいってよかったなって思ってます。
藤木:僕はいつも好き勝手にピュンピュンやってるんですけど(笑)、今回は歌に寄り添って、歌を前に押し出すっていうアプローチをしてます。
EMTG:資料には「踊れる」「歌える」っていうキャッチーコピーも付いてますけど、そこもイメージしつつ?
辻村:そうですね。『Simulated reality』は、お客さんとの距離感を縮めたいっていうのがあって、そういう曲がすごく多かったんです。アルバムを出した後に東名阪でワンマンツアーをしたんですけど、明らかに今までと距離が近くなったっていう実感があって。そこからもっと距離を近づけるもの、お客さんに歩み寄るものになっています。
EMTG:アンセムパートも印象的です。
辻村:コール&レスポンスってバンドによって形は違うんですけど、自分達がお客さんと繋がるコール&レスポンスってなんだろうな?って考えて出てきた答えがこの曲ですね。
EMTG:先ほど“エディット”っていう言葉も出ましたけど、基本全て人力でやっているわけで。そこへのこだわりは昔からあったんですか?
長谷川:全然なかったです。最初の頃は同期を使った方がいいんじゃないか?っていう案も出ないぐらい、みんなそういうものに無知で。全員音楽の専門学校に行ってたのもあって、みんな自分で演奏して、機械に頼るっていう考えが頭になくて。こだわりは後から付いてきました。
藤木:最初は生バンドR&B的なものをイメージしていて。専門学校の授業でジャズとかをやるから、ちょっと背伸びしてみたくなるんですよね(笑)。
辻村:テンポ60ぐらいで、いかにシンプルで、いかに少ない機材で、いかに人を気持ち良くさせるか?みたいな。全然ダメでしたね(笑)。エゴミュージックでした。
EMTG:皆さんのルーツにR&Bみたいなものがあるわけでもなかったんですか?
辻村:個人的に聴いてはいましたけど、本当のルーツはヘヴィメタルなんですよ。パンテラとかスレイヤーとか。そこからブライアン・マックナイトとかベイビーフェイスを聴くようになり、そこからファンクに行き……っていうところで壁にぶつかった感じですね。あとは生バンドのヒップホップも聴いてました。
藤木:僕は高校の頃はハイスタとかのメロコア系を聴いてたから、エフェクターなんて一切関係ない感じでした。
三好:私はエアロスミスとかボンジョビとか、アメリカンハードロックが好きで聴いてましたね。
長谷川:僕はLUNA SEAとかですね。ヴィジュアル系の格好はしてなかったんですけど、曲だけコピーしてました。
辻村:面白いのは誰もダンスミュージックを聴いてないんですよ。でも良い意味で自由にやれるし、これはやっちゃダメっていうのがないから、そこはいいかもしれないですね。
EMTG:確かに。「masquerade」は歌詞に<沈む>っていう言葉がある通り、音の世界に溺れるイメージがありましたけど、「vanitas」はサビで開けていくのもあって、浮上して行くようなイメージがありました。
辻村:この曲は『Simulated reality』を制作する過程で出来た曲なんですけど、この曲のポテンシャルだったりを、自分がすごく気に入ってたから、いつか日の当たるところに出したかったので良かったです。曲としては、今までの自分の手癖とか歌癖みたいなものが、ある種の決定事項としてあったんですけど、それを変えてみようと思って。それでサビのコードを無理矢理違うものにしたらハマったので、自分の中にあった固定概念をぶち壊せたんですけど、それが絵を書いてるような感覚にすごく近くて。最終的なものが決まっていれば、プロセスは何をやっても大丈夫だなっていうのをこの曲で掴めました。
EMTG:今までと違う形にしたのもあって、初めて聴いたときは驚いたんじゃないですか?
藤木:有記って音楽理論をあんまり知らないんだけど、感覚で分かってるんですよ。この曲はサビで3度転調するんですけど、全部感覚でやっていて。
辻村:理論ってよく分からないんですよ。気持ちよかったらOKなんで。
藤木:“新しいコード見つけた!”って言ってきても“それ知ってる!”っていうのがよくありますからね(一同笑)。
辻村:らしいです(笑)。最近ですかね、チューニングの音が分かってきて。
EMTG:えっ!?
辻村:チューニングはちゃんとしてますけど(笑)、6弦の音が何か?とかはよく分からなくて。
EMTG:意外な事実でした(笑)。そして、インディーズ時代からある「光」をReincarnation ver.として収録していますけど、何故この曲を?
辻村:自分達が一番始めて作った曲と向き合ってみようと思って。自分達はライヴでよくアレンジを変えるんですよ。実際にこの「光」に関しても6個ぐらいの過程を経て今に至っていて。オリジナルのまま聴きたいって思う人もいると思うんですけど、自分達は常に実験をするバンドでありたいし、そのときにしか出せない「光」があると思っているので。ただ、「光」の根っこの部分は壊さないように、バランス感覚は大事にしてアレンジしてます。
長谷川:でも、何回も変えてると、いつのアレンジか分からなくなって、すごいこんがらがるんですよね(笑)。で、ブレイクの場所とか間違えたりして、よく怒られる(笑)。
三好:いつも新しいものをやるんじゃなくて、2個前にやったアレンジをやることもあるから、ごっちゃになるときもあるんです(笑)。でも、新しい曲と昔の曲の熱量の差が出ることもなくなるし、昔の曲も今の自分達に付いて来れるから、そういうやり方はすごく好きですね。
藤木:この間、昔の「光」と聴き比べたんですけど、なんか幼稚園の子が中学生ぐらいになったかなって(一同笑)。
EMTG:曲の輪郭がハッキリしたし、すごく力強くなりましたね。
藤木:そうですね。緩急のついた感じになりましたね。
辻村:あと声もだいぶ変わってました。
EMTG:そこって普段歌ってるだけだと気づきにくい部分ですよね。
辻村:はい。こういうところで気づけたのは嬉しかったです。
EMTG:2013年の良いスタートを切れる作品になりましたが、今後の展望は?
辻村:世界で通じるバンド、世界で鳴らせるバンドっていう目標があって。運の良いことに、メジャーデビュー前にマレーシアへライヴをしに行けたんですけど、そこで自分の音楽が向こうの人にも通じた瞬間を感じることが出来たんです。そこでいろいろ学べたし、それぐらいデカい目標を持っていたら、その途中の小さい目標も叶って行くのかなと思って。
EMTG:あくまでも照準は世界だと。
辻村:はい。そこは恥ずかしがらずに言っていきたいです。

tag一覧 シングル 女性ボーカル HaKU 男性ボーカル

ビデオコメント

リリース情報

masquerade

masquerade

2013年01月23日

EMIミュージックジャパン

1. masquerade
2. vanitas
3. 光 (2013ver.)

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●アーティスト個人名
遅ればせながら

「あけましておめでとうございます」の前に「おくればせながら」か「おくばれせながら」か、どっちが正しいか分かんなくなっちゃって(笑)。それで調べました。

●藤木寛茂
ココリコ

年末にやってた「ガキの使い」を見てたんですけど、田中さんめっちゃ面白かったんで、どっちがネタ書いてんねやろ?と思って。田中さんが書いてました。

●三好春奈
クリームソースを豆腐で作る方法

昨日クリームシチューを作ったんですけど、カロリーもうちょっと切れへんのかな?と思って調べたら、豆腐で作れるって書いてあって。一晩水切りしたのを、片栗粉と一緒に撹拌すると作れるみたいです。

●長谷川真也
お賽銭

初詣に行ったときに、お賽銭っていくら入れればいいんかな?と思って調べたんですけど、そこにルーツとかも載っていて。元々はお金じゃなくてお米とかを神様に奉納してたけど、価値がお米よりお金の方が上になったから、今はお金を入れるらしいです。でも、肝心のいくら入れればいいのか?っていうのが載ってなくて。「気持ちでいい」って書いてありました(笑)。


■ライブ情報

「the Lucy×DENSHI JISION with MUSIC BY.&仙台MACANA presents “e-wave tour”」
2013/01/26(土)仙台MACANA

MUSIC LINXS vol.4
2013/01/31(木)新宿LOFT

Spring Riot TOUR
2013/03/08(金)東京・新代田LIVE HOUSE FEVER
2013/03/13(水)名古屋・池下CLUB UP SET
2013/03/14(木)大阪・梅田Shangri-La

熊本HAPPY JACK 2013
2013/03/17(日)熊本DRUMBe-9V1、V2、V3、Django、ペイあのPLUS’
※会場は未定

RockDaze! 外伝 ’13march
2013/03/18(月)福岡 DRUM LOGOS/Be-1

※その他のライブ情報、詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。

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