The Mirraz特集、最終回はバンドのアートワークについて畠山に訊く。「キノイくん」誕生秘話も!

The Mirraz | 2013.02.13

 The MirrazはPV、CDジャケット、オリジナルグッズでも異彩を放っているバンドだ。楽曲と絶妙にリンクした映像、遊び心に溢れたイラストなどで、ファンを大いに楽しませている。それらを手がけているのがKINOI DESIGN。畠山承平が中心となって活動を展開しているこのチームは、どのような経緯でスタートしたのか? また、おなじみのマスコットキャラクター「キノイくん」の誕生秘話とは? 貴重なエピソードも交えつつ、語ってくれた。

EMTG:KINOI DESIGNの立ち上げの経緯って、どんな感じだったんですか?
畠山:なんだろう? 単純に、デザインをやっていく上で、そういう名前があった方が可愛いかなと。それくらいの感じだったんですけど。
EMTG:元々アートワークとか映像とかに興味は強かったんですか?
畠山:好きでしたね。映像に関しては、高校の頃から遊びで映画を作っていました。そういうのもあって、ミイラズがインディーズでやっていた頃からPVも自分でやるようになったんです。イメージを誰かに伝えて作ってもらうより、自分で作った方が早いし、世界観も統一し易いですから。
EMTG:グッズとかのデザインに関しては?
畠山:僕、デザインのバイトをしていたんですよ。その時に知り合った人と一緒にやるようになりました。映像もデザインも、結構自然にやってしまっているんですよね。だから敢えて訊かれると、「なんでそうなったんだっけな?」って感じ(笑)。「なんで他の人たちは、自分でやらないのかな?」って思うくらいで。でも……僕、なんでやっているんですかね?(笑) PVを僕が作るのも、インディーズの頃から当たり前になっていましたし。やる人が他にいなかったからっていうのもあるのかな。「誰もやらないから、俺がやらないとまずいな」みたいな(笑)。
EMTG:PVも、いつもアイディアが満載ですよね。最近だと「うるせー」で、みなさんが女子高生のコスプレしているのが、すごいインパクトでした。
畠山:最初は「グルグル回っている、カッコいい演奏シーンを撮ろう」っていう感じだったんですけど、それだとあまり面白くないなと思ったんです。そこで思いついたのが、「女子高生の格好をしたら面白そうだな」っていうアイディア。「最近のPVって、女の子が太ももを出しているものが多いよね。だったら俺らも出していこうか?」と(笑)。
EMTG:(笑)「気持ち悪りぃ」のPVは、酔いそうな回転系のアトラクションにひたすら乗っていましたが。
畠山:あれはそういう映像を撮りつつ、質感はビンテージっぽいものにしたいと思っていました。やっていることは面白いけど、映像はオシャレなものにしたかったので。
EMTG:映像表現とか、アートワークとかに関する畠山さんのルーツって、何かあります? 憧れていたクリエイターとか?
畠山:僕、『ケイゾク』の監督、堤幸彦さんの映像が好きで。オープニングテーマ(中谷美紀「クロニック・ラヴ」)の映像を観て、すごくカッコいいと思ったんです。それで自分も映像をやってみたいと思うようになったんだと思います。たしか、高校生の頃でした。最初はその真似ばっかりしていました。
EMTG:高校の頃は、どんな映像を撮っていたんですか?
畠山:『ケイゾク』の影響で、推理ものを撮っていました。ショートムービーですけど。台本とかもなく、アドリブでやっていたので、わけが分からないものでしたね。夜中に城ケ島に行って適当に撮って、家に帰るような感じで(笑)。でも、編集は一所懸命やっていました。図書館にタダで借りられる編集室があったので、そこでエフェクターをかけたり、テロップを付けたり。編集に関しては、結構本格的だったと思います。
EMTG:高校の頃の撮影って、楽しそうですね。友達と撮って、後でみんなで観て笑う感じ?
畠山:そうです。ジブリの『耳をすませば』っていう映画があるじゃないですか。それをそのまま実写で撮ったこともありましたね(笑)。夏休みを使って撮影しました。主人公が女の子だけど、女の子の友だちが1人もいなかったので、「どうしようか?」と。だから主人公役のやつには馬のお面をかぶせて、「ヒロインは馬だから、バランスをとるために、ヒーローも馬にしよう!」ということにもなり。結局、主要キャスト2人が馬(笑)。タイトルは『耳をほじれば』でした。
EMTG:いかにも高校生っぽいノリ(笑)。
畠山:(笑)本当は『耳をすませば』の舞台となった場所で撮りたかったんですけど、それも大変なので、地元の小学校とかを借りて撮りました。グダグダな映画でしたね。セリフは『耳をすませば』のままなんですけど、言い回しが下手だから、全然良くない。映像も無理やり。撮影の途中から学校を使えなくなって、その辺りから適当になりました。いきなりセリフだけのシーンになったりして、ものすごい中だるみがある映画(笑)。ラストは朝日が出てくるシーンなんですけど、撮影の日に朝日が全然出てこなくて。太陽が出てこないのに、空がちょっと明るくなる映像で終了……。こうやって思い出しても、ひどい映画ですね。「全然コピーする気ないぞ」っていう(笑)。
EMTG:貴重なエピソードをありがとうございます(笑)。あと、ミイラズのマスコットキャラクターになっているキノイくんの誕生の経緯も知りたいんですけど。
畠山:あれは1stアルバムを作った時に描いたんです。ミイラズっていうバンド名なので、ミイラのキャラクターを描いたら面白いかなと思って。一緒にやっていたデザイナーと、グッズを作る話にもなって、それでミイラTシャツが出来たんです。その後くらいから、どんどんキャラクターっぽくなっていきました。ツイッターでbotが出来てから、さらにキャラクターとして成立していった印象です。
EMTG:名前の由来は?
畠山:「キノイくん」っていう名前自体は、漢字の木乃伊(ミイラ)から来ているんです。僕、ネットでのハンドルネームを「木乃伊」にしていたんですよ。でも、それを見た人は、みんな「キノイ」って読んで。「ミイラズをやっているから木乃伊。これ、ミイラって読むんだよ」って言っても信じてもらえなくて(笑)。それで僕のことを「キノイ」って呼ぶやつが増えちゃったんです。Czecho No Republicの優心(武井優心)とか、今でも「キノイちゃん!」って僕のことを呼びますよ(笑)。
EMTG:きっかけは、読み間違いだったんですね(笑)。
畠山:そういうことです(笑)。2ndアルバムのジャケットでイラストを描いたり、グッズを作った辺りから浸透して、ちょっとずつ出来上がったキャラクターです。
EMTG:キノイくんは、ファンに深く愛されていますよね。
畠山:狙って生まれたキャラクターじゃなくて、活動していく中で徐々に確立されたのが良かったんだと思います。最近は男の子も喜んでグッズを買って、身につけてくれていますし。そういうものを使ってもらって、ミイラズといつも繋がっているような気持になってくれているんだったら、すごく嬉しいですよ。
EMTG:その内、アニメ化とか出来たら楽しいですね。
畠山:実は『言いたいことはなくなった』のCMで、ちょっとだけアニメーション化したんですよ。でも、結局それも僕が作るわけで、ものすごく大変でした。PVもアニメで作ってみたいって思ったこともあるんですけど、時間がかかり過ぎるからやめました(笑)。アニメ化って、他の人に任せると絵が変わっちゃうじゃないですか。それは避けたいんですよね。
EMTG:もしスタジオジブリが手がけることになったらどうです? 『耳をすませば』を実写化した人のイラストがジブリで映画化されるって、なんかロマンがありますよ(笑)。
畠山:そうっすね(笑)。そんなことがもしあったら嬉しいです(笑)。

【取材・文:田中 大】

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リリース情報

選ばれてここに来たんじゃなく、選んでここに来たんだ(初回盤)

選ばれてここに来たんじゃなく、選んでここに来たんだ(初回盤)

2013年02月13日

EMIミュージックジャパン

1. 気持ち悪りぃ
2. スーパーフレア
3. encode
4. 僕らは
5. HELL’S DRIVE
6. うるせー
7. クッキー
8. De La Warr
9. ウ□ボ□ス
10. 傷名
11. S.T.A.Y.
12. きっと、きっとね
13. Fuck you very much

<初回限定スペシャルBOX封入GOODS内容>
・キノイ君人形
・ミイラのキノイ君・絵本シリーズ♯02「選ばれてここに来たんじゃなく、選んでここに来たんだ」
・畠山監督MVバッジ3個セット
・「選ばれてここに来たんじゃなく、選んでここに来たんだ」イメージ原画ステッカー

<初回限定スペシャルBOX、初回限定盤付属DVD収録内容>
MUSIC VIDEO
・僕らは
・気持ち悪りぃ
・傷名
・うるせー
・スーパーフレア
・S.T.A.Y.

LIVE at 代官山UNIT 20120716(niconico)
・CANのジャケットのモンスターみたいのが現れて世界壊しちゃえばいい
・シスター
・僕はスーパーマン
・check it out! check it out! check it out! check it out!
・Make Some Noizeeeeeeeeeeee!!!!
・ハッピーアイスクリーム
・ラストナンバー

KINOI TV 特別編(Tour Document)

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お知らせ

■ライブ情報

EMI ROCKS SENDAI
2013/02/02(土)夢メッセみやぎ

音エモン presents
LIVE BURGER vol.7

2013/02/21(木)OSAKA MUSE

ロック頂上決戦 ver.1.0 ~EMI vs VICTORの巻~
2013/02/23(土)SHIBUYA-AX

選ばれてそこに行くんじゃなく、選んでそこに行くんだツアー
2013/04/06(土)横浜BLITZ
2013/04/11(木)高松DIME
2013/04/12(金)高知X-pt.
2013/04/14(日)京都磔磔
2013/04/17(水)浜松窓枠
2013/04/19(金)岡山CRAZYMAMA KINGDOM
2013/04/20(土)広島ナミキジャンクション
2013/05/03(金)帯広REST
2013/05/04(土)札幌CUBE GARDEN
2013/05/17(金)名古屋ダイアモンドホール
2013/05/19(日)福岡BEAT STATION
2013/05/23(木)金沢VanVanV4
2013/05/24(金)新潟GOLDEN PIGS RED STAGE
2013/05/30(木)仙台CLUB JUNK BOX
2013/06/01(土)盛岡CLUB CHANGE
2013/06/02(日)青森QUARTER
2013/06/09(日)大阪BIG CAT
2013/06/15(土)ZEPP DAIVERCITY TOKYO

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