9mm Parabellum Bulletが、バンド結成9周年にアルバムをリリース!
9mm Parabellum Bullet | 2013.06.28
- EMTG:『Dawning』を聴かせて頂いて、9mmには似合わない言葉かもしれないんですけど、凄く爽快感を覚えたんですね。まずは、かみじょうさんからお一人ずつ完成した感触を伺えますか?
- かみじょうちひろ:もしかしたら、今までで一番聴きやすいかもしれません。僕はプレイヤーでもあるので、これを演奏したいかどうかっていう耳でも聴いてしまったりするんですよ。でもこれは、そういうのは抜きで、純粋に音楽として楽しめるというか。
- EMTG:なるほどね。では次は滝さん。
- 滝 義充:一曲一曲に個性が相当あるし、キャラ被りが見られない(笑)。みんながみんな、放射状に外に伸びているようなイメージがあるくらい、パワーバランスがいいんですよね。まとまりと個性がどっちもあって、奇跡的だなあと思います。
- EMTG:そういうテーマを掲げて、曲作りをしていたんですか?
- 滝:いや、特にアルバムに向けて曲を書いていたわけじゃなくて、ただひたすら書いていたんですよ。特に、静かな曲を作んなきゃとか、激しい曲を作んなきゃとか、そういう圧迫感がなかったんで、いろんな曲を作っていったら、いい感じに分かれていったんですよね。
- EMTG:じゃあ、リラックスして作れていた?
- 滝:はい。追われることはなく、寧ろ追い掛け回しながら作っていました(笑)。作り過ぎて疲れた時はありましたけど。もっともっと曲数があって、余裕綽々で選曲したんで。選曲そのものも、ライヴで先にやれてクオリティが上がっていた曲を入れたんで、そんなに悩まなかったし。
- EMTG:バンドの状態が良かったんでしょうね。
- 滝:そうですね。去年は、一年中ずっと良くて。ライヴもいいライヴしかなかったし。
- EMTG:卓郎さんはどうですか?
- 菅原卓郎:爽快感があるっていうのは、僕も感じていて。去年のライヴが良かったっていう話が出ましたけど、自分たちの演奏で自分たちが盛り上がりながら過ごせたんですよね。だから、作曲の作業にも勢いが出たと思いますし。もう、俺たちはこれをやるんだ、これをやればいいアルバムになるはずだ!って思ってレコーディングに臨めたことが、アルバムには大きく影響が出ていますね。でも、それを越えたいいものになったと思います。こんなにいいアルバムになったのか、君はっていう(笑)。
- EMTG:(笑)。卓郎さんも爽快感があると思うって仰っていましたけど、9mmって混沌や激情や切なさっていう、爽快とは真逆のキーワードで語られることが多かったじゃないですか。今作にもそういう要素はふんだんにちりばめられているんですけど、それでも爽快感があるんですよね。それは何故なんだろう?ってずっと考えていて。
- 菅原:その答えになるかはわからないですけど、年々曲をどうやって聴く人に届けるかっていうアプローチが上手くなっていると思うんですよ。『シベリアンバード ?涙の渡り鳥?』ならロシアとか、『Wild West Mustang』ならウェスタンとか、みんながデモを作ってきた時点で、これはこういう曲なんだぜ!っていう……個性が立っているっていう話とも繋がってきますけど、その個性を誤解がないように差し出せるようになったんですよ。ロスがないからスパーンと爽快に聴こえるんじゃないかな。例えば複雑な曲でも、人に伝わるまでの間に、無駄なものを介さないで、これは複雑な曲ですよって見せてから渡すっていう。
- EMTG:凄くわかりやすい説明です。では、最後に中村さん。
- 中村和彦:みんな言っている通りですけど、爽快というか突き抜けている感じは間違いなくて、曲ごとの個性というか強烈なところは今まで以上にあると思う。でも、それもちゃんと9mmらしく表現できているっていうか。例えば『The Silence』でも『コスモス』でも、ちゃんと9mmの一部分として表現できているというか。それは、自信があるからだと思うし。そういう前向きさはアルバムの中にありますね。
- EMTG:みなさんの話を聞いていて思ったんですけど、今の9mmは、嘗てのように過激な枕詞が必要ないくらい、表現の幅を広げて、あらゆるものを9mmらしく表現出来るようになったんじゃないのかなって。
- 菅原:そう感じてもらえるのは嬉しいですね。前は物騒な言葉ばっかりがね、ライヴのレビューとかでもよく載っていたから(笑)。それも面白いんですけどね。“戦場がどうのこうの……”とか。でも、“9mmだよ”っていうことの方が、感情よりも前に出るようになったのかな。やってきたことの積み重ねですかね。
- EMTG:今作は結成9周年にリリースされる記念碑的な一枚でもありますもんね。9周年を迎えて、どうですか?
- 滝:それは……頑張ってきたなあって(笑)。まあ、ここまで9を担ぐとは、名付けた時は思ってなかったですけど。
- 菅原:最初は、恥ずかしいから担がないようにしていたくらいだからね(笑)。
- 滝:今は慣れてきたけど(笑)。
- 菅原:誰も9周年を祝う人もいないし、その馬鹿馬鹿しさも含めて声高に祝いたいですよね。
- EMTG:9mmって登場した時の爆発力が凄かったから、長い歴史を経ていくバンドになったことは、嬉しい驚きでもあるんですよね。
- 菅原:それは、出だしの勢いが良くて爆発していたわけではなくて、バンドそのものの性質が爆発的なものだったんですよね。バンドの人格がそうだったっていう。
- 滝:そう。最初にみんなが驚いていたけれど、うちら的にはそんなに背伸びをしていたわけじゃないんですよね。だから、みんなそんなに騒ぐかな? って。さっき言っていた過激なコピーとかも、気にしたくなかったんですよね。
- EMTG:でも、自分たちにとって刺激的な音楽を生み出していきたい気持ちはあるでしょう?
- 滝:それは、もちろん。新しい刺激を受けて、こういうのいいな! ってインプットして、新曲をアウトプットしていますし。
- EMTG:刺激的なインプットを探しているところもありますか?
- 滝:ああ、今日もちょっとした空き時間に、ディスクユニオンでよくわからないメタルのCDを買ってきましたよ(笑)。さっき車でみんなで聴いたら、意外と良くって。
- EMTG:メタルっていうと、今作では個人的に『Caution!!』のザカザカっぷりにときめきました。
- 菅原:そこは中村先生が(作曲なので)。
- EMTG:王道というか、ニューメタル感がないじゃないですか。
- 中村:ニューメタル感は排除したかったんですよね。音も潰したダーティな感じにして。そういう変わったこともしつつ、凄くシンプルっていう。
- EMTG:キッズは渋いなって思うかもしれませんね。
- 滝:若い子は渋さともわからなくて、わぁ重たいぞ!って思うんじゃないですか? で、うちらよりも年上の人たちは、若いのに渋いねえ、ハードロックをわかってるねえって思ってくれるんじゃないですか?(笑)。
- 中村:若い子は新しいものとして受け入れるかもしれないですね。
- EMTG:確かに。あと歌詞に関しては、どんなことを考えながら書きました?
- 菅原:よそのバンドが歌わないようなことは歌いたいなって思いますね。本当は、何でもありにしたいんですよ。だから、今回はここまではありっていう。下らない言葉遊びを入れてしまおうか、『シベリアンバード』に副題に入れてしまおうかって。
- EMTG:『?涙の渡り鳥?』ですもんね。この歌謡感もまた渋いっていう。
- 菅原:そうですね。曲の作りも歌謡感がありますからね。
- 滝:Bメロだと思ったらサビだった、みたいなね。
- EMTG:7月からは、今作を引っ提げたツアーもはじまります。
- 菅原:3月、4月のツアーで(今作の収録曲を)一通りやっちゃっているんですよね。そこで、こいつは厄介だぞ、って思った曲もあるし。かみじょうくんが作った曲(『Zero Gravity』)は、壮絶にテンションが高いんですよ。それをどうやって磨いていくんだ!? っていう。
- EMTG:作った時は、ライヴを想像していたところはありましたか?
- かみじょう:想像していないですね。
- EMTG:かみじょうさん的に、ライヴが楽しみな曲はどれでしょうか。
- かみじょう:『コスモス』ですね。僕ら、わりと音の密度で音楽の楽しさを表現する曲が多かったんですけど、最近は間を演奏するのが上手くなってきたので、この曲で、また違う自分に会いに行きたくなってきました。キッズは、暇そうに見ていると思いますけど(笑)。
- EMTG:いやいや、こういった曲が音楽の入口になったら最高じゃないですか。
- 菅原:そうですね。
9mm Parabellum Bulletが、5thアルバム『Dawning』を完成させた。結成9周年の記念すべき年に放たれる今作は、とにかく爽快な印象。いや、爽やかになったわけではなく、今までの9mmらしさを突き詰めているにも関わらず、だ。それは、音楽性こそ複雑で斬新ながら、歩みは真っ直ぐだった彼らの9年間がもたらしたもののような気がする。全員に、謎や思いを徹底的にぶつけてみた。
【取材・文:高橋美穂】
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ビデオコメント
リリース情報
お知らせ
“Breaking The Dawn Tour 2013”
2013/07/09(火)横浜 club Lizard
2013/07/10(水)横浜 club Lizard
2013/07/14(日)甲府 CONVICTION
2013/07/15(祝・月)長野 CLUB JUNK BOX
2013/07/17(水)富山 MAIRO
2013/07/18(木)松坂 M’AXA
2013/07/20(土)奈良 NEVER LAND
2013/07/21(日)和歌山 CLUB GATE
2013/07/23(火)松山 SALONKITTY
2013/07/25(木)大分 DRUM Be-0
2013/07/26(金)長崎 DRUM Be-7
2013/07/28(日)松江 canova
2013/07/30(火)滋賀 U☆STONE
2013/07/31(水)浜松 窓枠
2013/08/05(月)宮古 KLUB COUNTER ACTION
2013/08/06(火)大船渡 FREAKS
2013/08/08(木)石巻 BLUE RESISTANCE
2013/08/09(金)山形 ミュージック昭和Session
2013/08/11(日)いわき club SONIC
2013/08/18(日)那覇 ナムラホール
2013/10/04(金)大阪 Zepp Namba
2013/10/08(火)東京 Zepp Tokyo
2013/10/09(水)東京 Zepp Tokyo
2013/10/12(土)新潟 LOTS
2013/10/18(金)仙台 Rensa
2013/10/23(水)名古屋 Zepp Nagoya
2013/10/25(金)福岡 Zepp Fukuoka
2013/10/27(日)高知 CARAVAN SARY
2013/10/29(火)広島 CLUB QUATTRO
2013/11/01(金)札幌 Zepp Sapporo
2013/11/09(土)台北 THE WALL
9mm Parabellum Bullet presents「カオスの百年 vol.9」
2013/09/09(月)横浜BLITZ
※その他のライブ情報、詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。