9mm Parabellum Bullet、4thシングル「ハートに火をつけて」をリリース!

9mm Parabellum Bullet | 2012.10.24

 9mm Parabellum Bulletの4thシングルはすでに各地のライブで演奏されているキラーチューン4曲を収録した現在進行形の彼らを封じ込めたカタログ。高速歌謡スカパンクなタイトルチューン「ハートに火をつけて」や、1分40秒にAメロ、Bメロ、サビまで凝縮した「Scream For The Future」など、どこを切っても“まだまだ生き足りない、全然やり足らない”率直な欲望と渇望がそのまま音として鳴っている。聴き手の本音を射抜いて本能的にアクションを起こさせる9mmのロックの中でも、2012年の今、とりわけ前のめりなシングル完成に至ったプロセスを訊く。

EMTG:今回のシングルに向けてのムードはどんなものだったんでしょうか。
滝:去年1年ひたすら「Movement」のことをやって、今年のアタマからはすぐに曲作りというか制作状態にモードを入れて。ガーッとやってくる中で2月3月は大きいライブが続いたり、4月はDVD出したり5月丸1ヶ月アコースティックの練習やったりとか、けっこうデカいものもあったんですが、曲は磨いていて。で、ライブで先に新曲を演奏して自分たちの身体で覚えちゃいたいなぁぐらいの気持ちだったので、それをやって。シングルは今年始まってから何回かライブでやれた曲を入れられたらっていうのを目標にやっていて。
EMTG:ライブを観た人は新曲を覚えてるような状態ですよね。
滝:そうですね。どういう影響やどういう感じになる音なのかは、ライブで実際やってみないとわからなかったりするので。それがもう目に見えてはっきりわかる状態になれるので、ライブでやるために練習してましたね。
EMTG:「ハートに火をつけて」と「Scream For The Future」は私もライブで聽きましたが、音も歌詞も掴めたというかはっきり聴こえました。
滝:ありがとうございます。
EMTG:タイトル曲の「ハートに火をつけて」はどこからできた曲なんですか?
滝:これはイントロの“タタタタタッター”っていう、なんとなくどっかの国の笛のフレーズみたいな感じのフレーズ(笑)が最初に出てきて。それと“ツチャツチャ”っていう裏打ちの卓郎のパートのギターも一緒に弾いたら、「これは面白いだろうなぁ」と思って二人で合わせて、みんなに聴いてもらって、「これはいいっすね」って話になりました。
EMTG:全編こういうリズムの曲はありそうでなかったなと。
菅原:うん。そのスカパンクなリズムっていうのがありそうでなかったですけど、メロディが立ってるのは今までもあったし、そこが滝のギターのいいところだと思います。
EMTG:アコースティックのライブセットの時、何曲かでラテン的なものを感じて、今回もシンクロしてるのかなと思ったんですが。
滝:この曲はラテンかどうかはわからないですね。アコースティックの時はもうちょっと意識して出してましたけど。
菅原:楽器がね、ガットギターだったりするので。
EMTG:なるほど。じゃあ民族音楽的なフレーズは自然に出てくると?
滝:そうですね。昔からなんとなーく引っかかるものは多いなと。昔から残ってるような日本の民謡とかでも。祭りっぽいドラムとかフレーズもみんな好きだし、あとはサンバみたいな速い感じも気になりますし。キャラが濃いですよね、サウンドの。だからずっと気にして生きてますね。
EMTG:「気にして生きている」(笑)。これはこのシングル全体ですが、非常に物理的にアッパーな曲がきたなと。
滝:前回の「カモメ」でストリングスまで入れてやって、割と大人な感じと言うんでしょうか、落ち着いたアレンジメントで行けるところまで行けたなぁと思ってて。なんとなく次は元気な曲をやりたいよねみたいな空気もバンドの中にあったので、割と元気な曲が集まってきてる感じだと思います。
EMTG:菅原さんは歌詞の書き方に変化は?
菅原:特に変わらないですけど、より絞って説明的な歌詞にならないように、なんの前置きもなしにいきなり本題に入るような歌詞を書きたいなぁと思ったんで、そういうところですね、気をつけてるのは。
EMTG:これは勝手な解釈ですけど、この歌詞ってラヴソングにとれるシチュエーションじゃないですか。
菅原:うん。
EMTG:それがダイレクトでカッコいいなと。
菅原:そうですね。いつも気にしてんのは…こういうことを今歌う人いないなっていうことをやりたいなと。こういう曲を今出してる人いないなとか、楽曲の面と同じように、このバンドの中で俺が歌うんだったらこういうふうに聴こえてほしいっていう。9mmっていうバンドの言葉で出ていくならこれが出ててほしいなぁっていうか、そういうところを気にしてるんで、その面白さはどこにあるのかな?っていう時に「ハートに火をつけて」みたいな歌詞になってるんじゃないかなと思いますね。
EMTG:「Scream For The Future」はサビの<今すぐ聞かせてよ 未来のラヴソングを>の部分がライブでもすごく印象に残ってて。どんなイメージから出てきたんですか?
菅原:そこは仮歌の時から乗ってたんですけど。
滝:うん。最初からですね。
菅原:滝くんがメロディがついたトラックをみんなに送ってきて、それを聴いた時に「あ、もう今書いちゃおう」と。で、プリプロしてる時になんとなく聴こえてくる言葉を書いたらもう出てたんで、これはいいフレーズだなと思ったんです。で、きっとこの曲はとてもテンションが上がる曲なんで(笑)、ライブでお客さんが歌ってくれるだろうなと思ったんですけど、その時にお客さんが<今すぐ聞かせてよ 未来のラヴソングを>って歌ったら、俺たちに向かって「未来のラヴソングを聞かせろ、今すぐ」って言ってる図にもなるじゃないですか?それって面白いなと思って。
EMTG:実際歌ってますか?
菅原:まだわかんないかもしんない(笑)。
EMTG:(笑)。3曲目の「R.I.N.O.」はAメロのスネアがなんか面白い音ですね。
かみじょう:あー、そうですね。木が鳴ってると思うんですが。
EMTG:木?
かみじょう:いや、生えてるヤツをっていう意味じゃないですよ(笑)。デカい木を殴ってるんですが…なんなんでしょうね。
EMTG:この曲には普通のスネアじゃないなと?
かみじょう:割と曲の構成自体もシンプルだったりして、どこで9mm色をつけるかとか揉んだんですけど、皺寄せが全部ドラムにきてるような曲。
菅原:“皺寄せ”(笑)。
かみじょう:ホント、そうですね。
EMTG:9mmには珍しい感じのロックンロールですね。
菅原:そうですね、まさにそんな感じですね。
EMTG:その皺寄せがかみじょうさんに?
かみじょう:そうです。サバイバルさせるだけじゃなく、僕らなりの消化を見せたらその皺寄せがこう…。
菅原:でも自分で寄せたんですよ。「これカッコいいと思わねぇ?」つって(笑)。
EMTG:ハハハ。滝さんのソロも「普通のソロだ!」っていう驚きもありまして。
滝:敢えて(笑)。ああいうワウを踏んでジュワーンみたいなギターソロ、あまりやらないんですけど、逆にやるならそういう古臭いキャラを付けたいと思って。この曲にはちょっとそういうロックンロール感みたいなものが増えてほしかったんで、やってみましたね。
EMTG:「ラストラウンド」は今のこのボロボロの世界で戦うような画が…。
菅原:ボロボロの世界?
EMTG:今の現実かなと思って。
菅原:そんなことないですよ。輝いてますよ、世界は。いいとこ一杯じゃないですか?
EMTG:すごい。そう言い切れる菅原さんの気持ちの根底にあるものって?
菅原:いや、そう思わないとやっていけないし、自分がいるところをいいところにしたいなぁとか、いいものだと思いたいじゃないですか。ライブの時もこの空間をいいものにしたい、いい演奏をしたいと思うし。繋がってることだと思いますけど。ボロボロじゃないですよ。
EMTG:それが実感なんですね。
菅原:実感ですね。「良く生きたいな」っていうことです。現実にここを良くしたいってことです。そういうふうにいろんな物事に臨みたいと思っていて。どうしようもないこともあるけど、それだけじゃないじゃないかと思ってます。
EMTG:すばらしい…このシングル自体「まだまだ!」って焚きつけられる感じがあるし。
菅原:うん。そういうふうにしたい。
滝:楽しいほうがいいですからね、ライブにしろなんにしろ。説明しようと思えば説明はできるんですけど、「楽しい」は「楽しい」でいいですね。その感覚だけでいいかなと思ってます。
EMTG:なるほど。ところで今回のレコーディングで面白いアプローチをしたなってことはありますか?
中村:曲に入ってないし、全然関係ないんですけど、思い出したのがスタジオの壁がギンギン鳴ってて。
菅原:ちょっと剥がれてて。
中村:「気になるな」つって壁にガムテープを貼りまくったっていうことが(笑)、ありました。
滝:ドラムの皮も貼って。
中村:したら止まりましたね。それをやんなかったら、(音が)入ってたかもしんない。
菅原:そのままだといいと思うんですけど。われわれが処置したままだと…もう剥がしたかな(笑)。

【取材・文:石角友香】

tag一覧 シングル 男性ボーカル 9mm Parabellum Bullet

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リリース情報

ハートに火をつけて(初回盤)

ハートに火をつけて(初回盤)

2012年10月24日

EMI MUSIC JAPAN

1. Scream For The Future
2. ハートに火をつけて
3. R.I.N.O.
4. ラストラウンド

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インフレーション

経済の、ですね。物価が高騰することなのか、貨幣価値が下がることなのかどっちだろ?と思ったら両方でした。


■ライブ情報

THE BAWDIES × 9mm Parabellum Bullet 学園祭ツアー
2012/10/27(土)名古屋商科大学
2012/10/28(日)甲南女子大学
2012/11/01(木)中央大学
2012/11/03(土)立正大学
2012/11/04(日)学習院大学

EAST COAST TOUR 2012
2012/11/13(火)仙台MACANA
2012/11/15(木)弘前Mag-Net
2012/11/17(土)南相馬BACK BEAT
2012/11/29(木)水戸LIGHT HOUSE

爆裂核心BURSTING CORE & Zankyo Record Presents
「残響祭 8th ANNIVERSARY」SPECIAL IN TAIWAN

2012/11/24(土)台湾 THE WALL台北

"All That We Have Now" Release Tour
2012/12/23(日)なんばHatch

DECEMBER’S CHILDREN
2012/12/27(木)日本武道館

COUNTDOWN JAPAN 12/13
2012/12/28(金)幕張メッセ国際展示場 1〜8ホール、イベントホール

FM802 ROCK FESTIVAL RADIO CRAZY
2012/12/29(土),30(日)インテックス大阪

LIVE DI:GA JUDGEMENT 2012
2012/12/31(月)SHIBUYA CLUB QUATTRO/SHIBUYA O-WEST/SHIBUYA BOXX/TAKE OFF 7
9mmの出演は全4会場のうち、1会場のみとなります。

9mm Parabellum Bullet Tour 桜前線ブッタ斬リ2013
2013/03/19(火)新潟LOTS
2013/03/23(土)福岡DRUM LOGOS
2013/03/24(日)福岡DRUM LOGOS
2013/03/26(火)広島CLUB QUATTRO
2013/03/28(木)高松OLIVE HALL
2013/04/02(火)Zepp Diver City
2013/04/03(水)Zepp Diver City
2013/04/07(日)札幌PENNY LANE 24
2013/04/08(月)札幌PENNY LANE 24
2013/04/11(木)仙台Rensa
2013/04/12(金)仙台Rensa
2013/04/16(火)Zepp Nagoya
2013/04/17(水)Zepp Namba

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