LUNA SEA、ニューシングル『乱』!SUGIZOと真矢が語るバンドマジックの秘密

LUNA SEA | 2013.11.16

 11月13日、LUNA SEAのニューシングル『乱』がリリースされる。昨年からコンスタントにシングルを発表してきた彼らの今回の作品は、来るべきアルバム・リリースを予感さ せる勢いのあるナンバーだ。「乱」はドラマ『都市伝説の女』のオープニングテーマでもあり、すでに耳にした人も多いことだろう。キャッチーでありながらも、一筋縄ではいかないアレンジがほどこされたサウンドには、来年25周年を迎えるバンドの経験値が詰め込まれている。もはやバンドマジックともいえる“音”の秘密を、今回はギターのSUGIZOとドラムの真矢に語ってもらった。

EMTG:ニューシングルの「乱」は、非常にキャッチーな仕上がりになりましたね。ドラマ『都市伝説の女』のオープニングテーマでもあるわけですが、いつぐらいに作った楽曲なんですか?
SUGIZO:今年の春くらいにデモを作って、レコーディングしたのが7、8月ぐらいかな。
EMTG:その頃に今回のタイアップのお話がきた……という流れでしょうか?
SUGIZO:そうですね。ここ一連の制作作業の中では比較的新しくできた曲だといえます。アルバムの楽曲制作に関しては1年以上前から始まってますからね。
EMTG:で、その「乱」についてなんですが、デモの段階から変化した部分はありますか?
SUGIZO:あまり変わってないですね。重要なのは歌詞で、そこに関してはドラマのプロデューサーとRYUICHIが方向性を詰めてました。
真矢:そう。ドラムも全然変わってないし。
EMTG:そのドラムなんですけど、ものすごく派手というか――。
SUGIZO:暴れドラムね(笑)。
真矢:みんなに言われる(笑)。
EMTG:歌メロがキャッチーな曲に、ここまで叩きまくるドラムを入れる発想がすごい!
真矢:まぁ、普通ならベーシックな8ビートで、たまにフィルインが入る感じなんでしょうけど、原曲を持ってきたSUGIZOが「(ドラムは)暴れていいよ」って言ってくれたんで、こりゃ暴れるしかないでしょうと(笑)。
SUGIZO:曲がまるまるドラムソロみたいなね(笑)。
EMTG:もともと曲にそういうイメージがあったんですか?
SUGIZO:そうですね。その方向でいきたかったんです。最初に強いフックのあるメロディーから生まれた曲なんだけど、そこで演奏陣がバトルロワイヤルをしかけたかった。特にリズム隊に大暴れしてもらって、ギター組はひたすらオルタナティヴに弾くっていうね。自分の中でのオルタナやシューゲイザー的ギターがそこに絡むっていう構図。とにかくドラムに暴れて欲しかった。
EMTG:ライヴで聴きたい曲ですね。間違いなくドラムのパートはキツそうですが(笑)。
真矢:いや、もうどの曲をやってもLUNA SEAはキツいから(苦笑)。
SUGIZO:そのギリギリの真矢がカッコいいんですよ(笑)。言ってみれば、LUNA SEAって、今ではミュージシャンとしてハイレベルなメンバーの集まりだと思うけど、そのメンバーに余裕がないっていう感覚がカッコいいと思うんだ。ともすれば、余裕で出来ることも多くなってきた我々が、ステージ上でいっぱいいっぱいっていうスリリングな部分がないと面白くないんだ。
EMTG:ということは、レコーディングもかなり汗だくだったのでは?
真矢:汗だくでしたよ(笑)。
SUGIZO:でも、ほぼワンテイクじゃないかな。
真矢:そうだね。俺は何テイクか録るよりも、ワンテイクに集中したいタイプだから。
SUGIZO:ただ、ヴォーカルの合間にすべてフィルが入るくらいだから、すごい集中力が必要だったと思いますよ。
真矢:何か、ごはんと一緒で、何回もテイクを録っていくとお腹いっぱいになるような感覚なんだよね。ごはんって、そんなに何杯も食べられないじゃないですか(笑)。それがイヤなんで。
EMTG:どんぶり一杯をガッツリ食べて終わりみたいな。
真矢:そうそう(笑)。
EMTG:そういうエピソードを聞くと、ますますLUNA SEAらしい曲だなと思いますね。
SUGIZO:ギリギリのバランスですよね。でも、それが自分達流のロック・フィーリングっていう気がする。
EMTG:そして、シングルのタイトルに日本語を使うのって、初めてなんだとか。
真矢:今までって少なからず海外のアーティストを意識していたような気もしていたんだけど、そういうのがなくなったと思う。
SUGIZO:もちろん、自分の中にアメリカやヨーロッパの音楽って染みついているわけだし、日本人のアイデンティティーもあるけど、その辺はもうまったく意識せずに音楽を作るようになってきましたね。
EMTG:ところで、カップリングの「ECHO」は、非常に面白い曲だなと思ったんですよ。かなり個性的な構成だと思いますし。
真矢:曲としてはシンプルなんだけど、たぶんコード進行が複雑なんじゃないかな。
SUGIZO:間のグルーヴを最大限に活かしたかった曲なんで、「乱」とは反対のタイプですね。なるべく少ない音数の中に、ギリギリの緊張感を出すっていう。
EMTG:こういう演奏には、メンバー同士の呼吸のようなものを感じます。結成間もないバンドには出せないだろうなっていう。
SUGIZO:これはムリでしょうね。バンドはグルーヴが命だから、「乱」よりは「ECHO」の方が演奏は難しい。「乱」みたいな曲って、逆に演奏がガタガタでもプレイはできそう。それこそ、昨日結成しましたっていうバンドも演奏できると思います。
EMTG:「ECHO」は原曲からこういうグルーヴ感だったんでしょうか?
真矢:全然違うね。酔っぱらったINORANがアレンジを加えてくれて(笑)。
SUGIZO:そこからはあまりアレンジは変わってない。
真矢:構成はあとで少し変えたけど、INORANのギターはそのまま使ってるよ。
EMTG:え? 酔って弾いたテイクを?
SUGIZO:あとでINORANも録り直そうとしたけど、結局ベロベロに酔っぱらって弾いたテイクが良くて、そのまま使われているという(笑)。俺はあとからちゃんと弾きましたけどね(笑)。
EMTG:それはカッコいい(笑)。無意識で作ったものってすごいんですね。酔ったテイクを使うっていう余裕も面白いです。
真矢:ちょっと話は違うかもしれないけど、魅力的な人って余裕がある人らしいね。
SUGIZO:俺なんかいっぱいいっぱいだけど(笑)。
真矢:いや、俺もライヴは死ぬ気でやってるけど、その中にも余裕感があるっていうのかな、表現が難しいけど。必死で演奏をしている、その一瞬一瞬で死んでもいいぐらいの気持ちがあるんだよね。
SUGIZO:わかるな。ネガティヴな意味じゃなくね。常に今を全力で生きるっていうか。これってバンドサウンドの秘密だと思いますね。余裕と初期衝動が混在しているっていう。今ってちょうどそんな状態なのかもしれない。
EMTG:その潔さが余裕なのかもしれないですね。さて、来年は25周年で、その前にはアルバムもリリースするそうですね。
SUGIZO:タイトルは『A WILL』。“遺言”。さっき真矢が言ったことと一緒で、常に「これが最後なんだ」っていう気持ちで臨んでいる。
真矢:俺らって常にそういう思いでバンドをやっているから、曲のタイトルにも“END”ってつくことが多いんだよね。
SUGIZO:そう。決して未来を取っておかない。常にギリギリなのがLUNA SEAらしさなんじゃないかな。経験もあるし、ミュージシャンとしてのレベルも上がってるから、いかようにもコントロールできるけど、それを超えたギリギリな感じが重要なんだよ。
EMTG:気になるツアーのご予定は?
真矢:まぁ、来年は25周年ですからね。少なくともリハーサルはやるでしょう(笑)。
EMTG:いやいや、何かありますよね(笑)。
SUGIZO:25年はダテじゃないし、もちろん感謝を込めた活動をしたいと思ってます!

【取材・文:海江敦士】

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発売日: 2013年11月13日

価格: ¥ 1,800(本体)+税

レーベル: ユニバーサルJ

収録曲

[CD]
1. 乱
2. ECHO
[DVD]
・乱 -Music Video-

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発売日: 2013年12月11日

価格: ¥ 3,791(本体)+税

レーベル: ユニバーサルJ

収録曲

[CD]
1. Anthem of Light
2. Rouge
3. The End of the Dream
4. MARIA
5. Glowing
6. 乱
7. absorb
8. Metamorphosis
9. 銀ノ月  
10. Thoughts
11. Grace

[DVD]
・The End of the Dream -Music Video-
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昔の無声映画のバージョンが見たくて。ボリス・カーロフが演じた作品はすごく有名なんだけど、その前に作られたものを探していました。ちょうど今、舞台の『フランケンシュタイン』(=東山紀之&坂本昌行のW主演)の音楽を作っているので、いろいろ調べてます。

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俺は検索するっていうよりも、YAHOO!ニュースからどんどん掘り下げていくことが多い ね。

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