2014年第一弾シングル『結晶星』で溢れ出すKANA-BOONの抒情性
KANA-BOON | 2014.02.27
- EMTG:「結晶星」はいつ頃、作ったの?
- 谷口:3年前に作った曲で、手売りの初シングルです。出来上がったとき、手応えがあったので、この曲を出そうってみんなで言って。
- EMTG:その時と今回は何か変わった?
- 谷口:歌詞も構成も変わってません。でも、曲の意味が変わった。
- EMTG:どう変わったの?
- 谷口:その頃、僕らは地元のライブハウスでお客さんがおらん中でやってて。バンドで飯食いたいし、でもその道のりがわからへん。そういう自分たちの背中を押す曲だったんです。でも、今はその頃の夢をかなえて、歌えてる。夢を信じればかなうって、3年くらいかかって証明した歌になりました。
- EMTG:飯田くんにとって、この「結晶星」はどんな歌?
- 飯田:3年前、僕はまだバンドに入ってなくて。この曲は知っていて、この歌に自分も応援されてました。なのでリスナー感覚で、「結晶星」はもう“出来上がった曲”って決めつけてたんですよ。だから 今回録るってなって、自分のやることがないと思ったから嫌だった。でもやってみたら、もっとよくなんねんなって思って。同じドラムの音ひとつをとっても、その頃と違う。自分が背中を押してもらった感覚を、もっといろんな人に感じてもらいたくなりました。
- 谷口:アルバム『DOPPEL』の時も、過去の曲を録り直したんですけど、その時、その曲が本当に完成するタイミングがあることを知って、「結晶星」もそれに近いだろうなと思ってたんです。たぶんこの1年の経験が大きいな。
- EMTG:どんな経験?
- 谷口:たとえば、こいちゃん(ドラムス小泉貴裕)は去年1年、どういう叩き方をするとどういう音が出るかを知って、成長したと思う。ギターの古賀(隼斗)も「成長を見せつけたい」って、サウンドにすごくこだわって改めて取りかかってた。
- 飯田:そうなると僕も、レコーディングにどんなテンションで挑もうかなってなって。いいレコーディングになったと思います。だからよけいに、早く発売したい。早くみんなに味わって欲しい。
- 谷口:あっ、それは“元リスナー”の発言だ(笑)。
- EMTG:それこそ“3年前のKANA-BOON”に聴かせてあげたいね(笑)。そういえば、3年前って、いいことあったのかな?
- 谷口:いいことですか?…ほとんどなかった。嬉しいことって、少なかったな。それこそ、曲が出来た時くらい。
- EMTG:つらいなぁ、それは(笑)。カップリングの「ミミック」は?
- 谷口:去年のワンマンの「僕がステージに立ったら」が終わって、曲作りに入った時の曲です。
- EMTG:ギターリフが中心にある、ストレートなロックだね。
- 谷口:元々、KANA-BOONはこういう曲が多かったんですよ。
- 飯田:でも最近は攻め攻めの曲があまりなかったから、鮪が持ってきたとき、みんなアガりましたね。こうしよう、ああしようって、どんどん作っていって。歌詞もきっと攻めになると思って、古賀は鮪に「もっと怒れよ!」って言ってました。
- 谷口:でも、去年からそういう怒りモードじゃなくて、詞は難産でした。ミミックって“擬態”っていう意味で、カメレオン=なりすます、姿の見えないものの評価っていうテーマが見つかってから、詞が書けました。メジャーデビューして周りからいろいろ言われることを、どう消化すればいいか悩んでたことを思って作ったんです。
- EMTG:KANA-BOONらしいテーマだね。もう1曲の「桜の詩」は?
- 谷口:「ミミック」と同じ時期に、セッションで作りました。インディーで出した「さくらのうた」は男が主人公だったんですけど、それを作った時、いつか女の子の目線で書きたいなと思ってたんです。女の子が主人公の歌は初めてだったんですけど、面白かった。こういうやり方は新鮮でしたね。
- EMTG:コードもベースラインも音楽的に面白かった。
- 谷口:そこは飯田と古賀が頑張ってました。僕はあんまり気にしないんで、「何をゴチャゴチャやっとる」って言ってたんですけど(笑)。
- 飯田:古賀は「ここがオイシイねん」とか言ってましたね(笑)。
- EMTG:でもさ、アウトロがちょっと長過ぎないか?
- 飯田:えーっ、あれがいいんですよ。沁みるでしょ。
- EMTG:あはは、そういうもんか。特典DVDは「僕がステージに立ったら」のライブ映像だ。
- 谷口:めちゃカッコいいですよ、これ!
- 飯田:そうそう!!
- EMTG:そして「KANA-BOONのご当地グルメワンマンツアー」が5月からあるんだけど、このタイトルはどうなの?
- 谷口:真面目に付けました。
- 飯田:でも、大人のスタッフがどう反対するかなと思ってたんですけど、「いいよ」って言ってもらって(笑)。KANA-BOONはまだあんまり遠征してないバンドだから、お客さんも食べ物も知らないことが多いんです。
- EMTG:楽しいツアーになりそうだね。
- 谷口:ぜひ今のKANA-BOONのライブを、見に来てくださいね。
KANA-BOONのニューシングル『結晶星』を聴いていたら、初めてインタビューした時のメンバーの言葉がよみがえってきた。「僕らはアジカンをリスペクトして始まったバンドだから、しばらくはそういう見方をされると思う。それは仕方ないこと。でも、いつか僕らの音楽を真っ直ぐ感じてもらえる日が来ることを信じている」。
そう、「結晶星」にあるのは、KANA-BOONならではの抒情。《もういいんだよ、それでいいんだよ》という自己肯定の背後に託された口惜しさと夢の配分は、確実にこのバンドの個性を形作っている。
KANA-BOONは彼らの夢の実現に向かって、素晴らしいスピードでひた走っている。2014年の活躍を占う第1弾シングル『結晶星』について、谷口鮪(Vo・G)と飯田祐馬(B )に話を聞いた。
【取材・文:平山雄一】
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●谷口鮪(Vo・G)
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♪でっきるっかな〜ののっぽさん。葛西選手がオリンピックでスキーのジャンプで銀メダルをとりまして。テレビでインタビューが流れてるのを見て、「どっかで見たことある顔ちゃうかな? あ、のっぽさんに似てる!」と思って、画像検索をしました。
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マクドナルド カロリー
ダイエットしてるんですよ。でも、マクドナルドを食べたいな〜と思って。実際、カロリー気になるな〜と思って。OLみたいなことしてる(笑)。ここからここまでは食べれるなって注文して。「爽健美茶ください!」って。
■ライブ情報
KANA-BOONのご当地グルメワンマンツアー
2014/05/17(土)東京 新木場 STUDIO COAST
2014/05/18(日)北海道 札幌 PENNY LANE 24
2014/05/30(金)石川 金沢 AZ
2014/06/01(日)新潟 新潟 GOLDEN PIGS RED STAGE
2014/06/07(土)宮城 仙台 MACANA
2014/06/12(木)愛知 名古屋 DIAMOND HALL
2014/06/14(土)福岡 福岡 DRUM Be-1
2014/06/15(日)広島 広島 CLUB QUATTRO
2014/06/21(土)大阪 なんば Hatch
※その他のライブ情報、詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。
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