最高にヤンチャで元気なロックで世界平和を目指す爆弾ジョニー。メンバー5人が全員ハタチになったところで『はじめての爆弾ジョニー』を引っさげメジャー・デビューを果たした！　思春期の男子ならではの切ないココロとカラダを歌にした、インディーズ時代の名曲たちを14曲（ボーナストラックを含む）を新録し、気持ちも新たに驀進中だ。そんな彼らの出会いから未来への野望まで、たっぷり話してもらった。

EMTG：高校で、このバンドを組んだんですよね。

りょーめー（Vo）：僕が、ピンボーカル、ギター、ベース、ドラムの４人でロックバンドをやりたいって思って、ベースは小堀くんが中学から知り合いだったから、ドラムとギター探そうってなって、キョウスケとタイチにしました。

EMTG：どんなバンドに触発されて？

りょーめー：ムカシの日本のロック。それこそハイロウズから入ってバンドやりたいと思ったから、ハイロウズ、ブルーハーツ、ミッシェルガン・エレファントとか、RCサクセションとか、そこらへん。タイチはUVERworld聴いてた。

タイチ（Dr）：中学の頃、みんなが聴いててはやってたんで、とりあえず乗っかろうと。

EMTG：それでドラムをやろうと？

りょーめー：そうだよ、何でドラムやりたかったの？タイチは小さい頃からエレクトーンやってたんだよ。クラシックとかは安田くんより基礎ができていて全然うまい。ロック・ピアノは安田くんのほうがうまいけど。

タイチ：僕、小学校は吹奏楽部に入ってたんですけど。

りょーめー：そう、サックスも吹けるんだよ。

タイチ：サックスは今吹けるかどうかわかんない。でも吹奏楽部で、みんなでドラム叩こうってなって。

りょーめー：ボアドラム？　（山塚）アイちゃんに招集されたの？

タイチ：じゃなくって！　みんなで順番にドラム叩いてたの。俺、なんかちょっと周りよりうまく叩けた。で、“俺、ドラム叩けんじゃね？”と、ちょっと優越感に浸っちゃって、高校の頃。

EMTG：キョースケくんがギターを始めたのは？

キョースケ（G）：父親がアコギ持ってて、弾いたんだけど指が痛くなって、すぐやめちゃって。で、高校まで運動部やってたんだけど、できなくなったから、何かねえかなと思って、ギターもう１回やってみようと思って、エレキギター買ってもらって。そしたら指痛くねえやって。

EMTG：エレキ弦は柔らかいから（笑）。好きなギタリストは？

キョースケ：日本だったらマーシーさんがすごい好き。外人は、キース（・リチャーズ）とジョニー・サンダースが好きかな。

EMTG：小堀くんはどうしてベースを？

小堀くん（B）：僕はりょーめーくんと塾が一緒で、一緒に帰ったりしてたんですけど、「ウチ来なよ」って言われて、行ったらベースがあって、そこで初めてベース弾かせてもらって。

EMTG：ベースがあったの？　りょーめーくんち、何屋さん？

りょーめー：僕んちは、父親が美容師です。音楽好きで、楽器とかレコードとか持ってる人だったから、ちっちゃい頃から興味があって。中学くらいでギターとベースを買ってもらって。俺はギターの方がよかったから、ベース誰かに弾かせようと思ったら、「いたー！」と。小堀くんは中学校で苛められてたんだよ。学校違ったんだけど塾一緒でさ、学校がつまんないとか話してたからさ、じゃ音楽でも聴けば良いじゃないか、と。

小堀くん：それまで音楽全然聴いてなかったから。

りょーめー：フラストレーションをベースにぶつけろ！って言ったら、うまくなった。相当溜まってたんだろうね。

小堀くん：それで2人で遊びでやってたけど、バンドにはならなかった。

りょーめー：高校入った時にバンド組もうって決めた。クラスばらばらだけど、みんなバンドやりたいって言ってて、みんな世界が平和になったら良いのにってところは共有できたから、そっから始まった。そこが共有できれば音楽的なところはいいやと思ったから。

EMTG：キーボードの安田くんは後から入ったんですね。

ロマンチック☆安田（Key）：そうです。最初は自分でバンドやってたんですよ。それが解散して、面白いものだったら何でもいいやと思ったから、やったことないけどキーボードで誘われて、入ったんです。

りょーめー：安田くんは家が近くて小中学は幼なじみで、高校は違ったんだけど、安田くん音楽やってるみたいな感じで、「最近どう？」って聞いたら、「バンド解散する」って。ずっと知ってるから一緒に何かやりたいなと思ったけど、このバンドにギターはもういるから、パーカッションとかも考えたけど。

ロマンチック☆安田：パーカッションでもよかったけどね。

りょーめー：妹のピアノが安田くんちにあって、これやってみなよって無茶ぶりで、「ボ・ガンボスも鍵盤入ってるから、ピアノあってもいいじゃん」て、初心者だけどやらせたの。

ロマンチック☆安田：初心者ながらにボ・ガンボスかっこいいなと思って、頑張って「さかなごっこ」コピーしてた。

りょーめー：今もキョースケよりうまいギターを、たまに弾けたりする。

ロマンチック☆安田：うまいかはわかんないですけど、ギターも好きです。

EMTG：爆弾ジョニーとして最初に作った曲は？

りょーめー：この５人が揃って最初に作ったのは「男の子」。シンセサイザーを初めて使った。それまで、「なあ~んにも」とか「おかしな二人」とか、俺が高校の頃に作ってた曲に安田くんの鍵盤を乗せる感じだったんだけど、「男の子」からは創作の時点から5人でやった。

EMTG：5人でこういう音にしたいとかあったの？

りょーめー：いやぁ、音は、いまだに探ってますよ。バンドやってたら一生、音を探るのはつきまとうと思う。

EMTG：名言ですね。りょーめーくんの作る曲は、男の子のココロとカラダの問題を歌ってるのが多いですよね。

りょーめー：それはねえ、高校生の頃に作ってたから。思春期の男の子が作る曲なんて、そういうことばっかりで。よほどひねくれてない限りは。

EMTG：（笑）でも普通は悶々として自己嫌悪に陥ったりすることが多いんだけど、わりときっぱり結論を出してる気がする。

りょーめー：出てますか。でも、物事の結論とか真実を追究する性格だった。正解を探すじゃないけど、ホントのことが歌いたかったから。高校は、そういう3年間だった。

EMTG：その時期の曲が、『はじめての爆弾ジョニー』で集大成になるわけですね。これまでにやってきた曲を新たに録音して何か変化とかありましたか？

ロマンチック☆安田：１曲１曲というよりは、インディーズで出したものと、アルバムでは出してないけどデモで出してきたものを、全部で１枚にストーリーにすると、インディーズの時より、もっといいストーリーになったんじゃないかな。そういう意味で、録り直して良かった。

りょーめー：入門編が必要だなと思ったから。古くからのファンと新しいファンとで、みんな同じスタートラインに立てばいいじゃん、て思った。どっちのファンも満足させたかったから、ライヴ入門編的なアルバムにしたかった。

EMTG：では『はじめての爆弾ジョニー』を、初めて聴く人たちへ一言。

タイチ：僕ら自称“世界平和実現幸福バンド”なんで、そんなバンドが作ったアルバムだから、ぜひ聴いて、あげぽよー！な感じになってください。で、心と身体が僕らとひとつになったら最高です。

EMTG：では、次に歌いたい事は何だろう？

りょーめー：んー、歌いたい事は、最初からないですよ。高校の頃だと、自分の中で何かを完結して、それを自分たちがやりたいからやるっていうスタンスだったけど、高校卒業してからは、聴いてくれる人がいるんだなってことを意識し始めて。聴いてる人も俺らも両方楽しくないといけないなってことに気付き、皆で楽しめるのがいいなって思ってるから、たぶんそれがどんどん過激になってる気がする（笑） 。

EMTG：ライヴはまさにそうですね。5人それぞれ音楽性を反映したファッションで、安田くんはストライプのジャケットだからブリット・ポップかなとか、キョースケくんは革ジャンで、まさにジョニー・サンダースとか好きそうだし。そういうのも自分たちで考えて？

りょーめー：うんとね、考えてするところはあるけど、安田くんはモッズとかブリット・ポップとか本当に好きだし、無理はしてない。無理はしないけど、盛りはするって感じかな。

ロマンチック☆安田：デフォルメの塊です（笑）。

りょーめー：目立ちたがりなんですよ。派手なのが好きだし、ここまで見た目からアホな人たちっていないなーと思って。だから、盛った。

EMTG：それもお客さんを平等に楽しませるため？

りょーめー：世界平和主義ですから。

EMTG：今はあまり平和じゃないことがいっぱい起こってますけど、爆弾ジョニーとしては、どういうことをやっていきたい？

りょーめー：とりあえずCDを出す。それが売れてバンドがお金持ちになったら、そのお金を世界平和のために使えばいいと思う。

EMTG：ポール・マッカートニーとかボノみたいですね。

りょーめー：ボノもポールも頭いいからさ。爆弾ジョニーっていうバカみたいなバンドが、そういうことをやったら痛快じゃん。だから世界平和を願ってる人は爆弾ジョニーを聴くべきだし、プッシュすべきなんだよ。

【取材・文：今井智子】