KEYTALKらしさが詰まった2ndフルアルバム『OVERTONE』、5/21発売!
KEYTALK | 2014.05.21
- EMTG:いいアルバムですね。
- 小野:いいアルバムです。
- EMTG:「俺たち、いいバンドだな」と自分たちでも思ったでしょ?
- 小野:はい。「俺たち、いいバンドだな」と思いました。
- EMTG:言ったこと繰り返さなくていいですから(笑)。
- 小野:すみません(笑)。メジャーでの最初のフルアルバムなので、インディーでの3年間で培ったものが全部ブチ込まれている感じですね。具体的に「こういうアルバムにしよう」っていうのは最初の内はなかったんですけど、曲がある程度出揃った段階でプロデューサーの田上さんとミーティングをしたんです。そこで出た話が「幅を広げようとし過ぎている」ということで。このアルバムをきっかけにKEYTALKを聴く人もたくさんいるだろうから、「もう一度KEYTALKらしさみたいなことを考えよう」ということになったんです。結局、全33曲くらいのデモ音源を録って、その中から選りすぐりました。名刺代わりになるアルバムだと思います。
- EMTG:「KEYTALKらしさ」って、例えばどういうことだと思っています?
- 寺中:1人1人思っていることは違うと思うんですけど、僕の場合は「1曲にやりたいことを詰め過ぎていない感じ」ですかね。
- 八木:アップテンポで、メロディに変な中毒性があって、でも、ちょっと切ない……みたいなことですかね。切な系アッパーソングがKEYTALKらしさなのかなと思います。
- 首藤:速いBPMで且つ踊れるものであり、メロディは日本人好みの切なさがあるっていうところですかね。そこはずっとやってきたので、今回も自信を持ってやりました。
- 小野:やっぱり「心に刺さるメロディ」みたいなところは大事にしています。アッパーだけど、メロディはアゲアゲではないっていうのは、1つのポイントかもしれないです。あと、声質の違う2人によるツインボーカルっていうのとか、僕のギターがいろいろごちゃごちゃやっていて、主メロに対して別のメロディを弾いていたりするのも特徴になっていると思います。
- EMTG:リスナーの立場から言うと、楽しくなれるメロディ、リズム、フレーズをとことん満載するのがKEYTALKらしさなのかなと。例えば今回の1曲目「バミューダアンドロメダ」みたいな。始まるや否や、「超楽しい!」っていうスイッチが入ります。
- 首藤:「バミューダアンドロメダ」は、まさに一聴してKEYTALKだと分かってもらえるものにしたいという気持ちで作っていきました。
- EMTG:ドラマチックな楽しさが、ものすごくあるんですよ。その点に関して言うと、「BEAM」は新鮮でした。幻想的でトランシーな風味なので。
- 小野:『TIMES SQUARE』っていう1stミニアルバムを出すより前の時期辺りにポストロックと歌モノを混ぜたような曲を作っていて。その感じと今のKEYTALKが合わさったような曲ですね。
- EMTG:「はじまりの扉」も最高です。
- 小野:ありがとうございます。
- EMTG:この曲とかに代表される通り、KEYTALKって気持ち良く踊らせてくれるじゃないですか。ダンサブルな部分は、意識的に追求しているんですか?
- 小野:僕に関しては意識してそういうものを作っているわけではないんですけど、踊れるビートの代表である4つ打ちっていうのは好きなんですよね。それをどこかに落とし込んで、他のビートとの緩急を楽しんでいるところはあります。もともとBPMが速めなのが好きというのも相まって、結果的に踊れる曲になったりするんですけど。でも、メロディは常に重視しています。メロディありきの「踊れる」ですね。
- EMTG:ドラマーにとって体力勝負の速いBPMによる「踊れる」の要素が強いバンドでもあると思いますが。
- 八木:ライブはいつも怖いです(笑)。でも、僕も武正と一緒で速い曲が好きなんです。だから大丈夫です!
- EMTG:変なことを言うようですが……こうやって普通の会話をしている時って、みなさんはすごく大人しいじゃないですか。BPMが速いタイプのキャラじゃないんですよね。そのギャップも面白いバンドだなと。
- 小野:遅そうですか?
- EMTG:はい(笑)。
- 寺中:でも、僕らがステージでやっている時みたいなキャラクターで普段から暮らしている人がいたら、多分友だちになれないですよ(笑)。
- 八木:そういう4人ですけど、音を出している時はなんか無敵感があるんですよ。
- EMTG:「無敵感」っていいですね。「シンドローム」と「YGB」の2連発は、まさに無敵感に浸れる熱いサウンドですよ。
- 小野:最初はこの曲順にするとか考えてはいなかったんですけど、録り終わった後に、この曲を並べるアイディアが出たんです。「シンドローム」が「バツッ!」って終わるし、「YGB」はいきなり「ババババー!」って始まるので、つなげたら面白いんじゃないかなと。
- 八木:この2曲の流れ、ライブっぽいですよね。
- EMTG:メンバーそれぞれの個性も、サウンドにいろいろ出ていますね。寺中さんが作曲した「お祭りセンセーション」は、和的な風味のパーティーチューンなのが印象的でした。
- 寺中:祭りの感じが好きなんです。なんか祭りっぽい曲を作ろうとすると、和な感じになるんですよ。
- EMTG:子供の頃から祭り好きだったんですか?
- 寺中:祭り小僧です。近所の商店街で、夏の「9」がつく日にいつも祭りをやっていて。楽しみにしていたんですよね。
- EMTG:この曲、ラストの部分に叫んでいる声が入っているのが気になったんですけど。
- 寺中:あれは僕が「せいや!」って言っています。最初、イントロで叫んでいたんですけど、しっくりこなかったので「どこにやろうか?」と。悩んだ挙句、最後になりました。
- 八木:途中で増えたりね?
- 寺中:うん。ギターソロのところに「せいや!」がいたりもしたんですけど、曲が入ってこない感じになったので、今の形に落ち着きました(笑)。
- EMTG:試行錯誤の末の「せいや!」なんですね(笑)。あと、グッと来るメロディの曲も堪能しました。「MURASAKI」とか。
- 首藤:いい曲だなと自分でも思います(笑)。僕は楽しさの中に切なさを同居させたいと思っているんですけど、これはまさにそうですね。「MURASAKI」はどちらかというと切ない面が強いと思うんですけど、それとはまた別に、乗りやすい4つ打ちのビートを上手い具合に落とし込んで共存させたいということも考えていました。
- EMTG:「メロディ」も胸に沁みますよ。
- 寺中:ちょっと前なんですけど、久しぶりにTVで放送された『耳をすませば』観て、感じるものがありまして。ジブリの作品って、観る時期によっていろいろな感じ方があるじゃないですか。「自分もあんな感じのこととかあったなあ」とか。それで「この映画をテーマにして曲を作ろうかな?」と。自分のこととも当てはめながら膨らませていきました。
- EMTG:「Siesta」は綺麗で清々しいメロディですけど、これは3拍子ですね。4つ打ちが十八番のKEYTALKでは珍しい感じがしました。
- 首藤:リズム優先で作ったわけではなかったんですけど、こういうものになりました。さっきお話したアルバムの全体像の話とは矛盾するんですけど、「KEYTALKらしさみたいな部分から1回離れて作ってみよう」と思って。
- EMTG:3拍子って、ドラマーの八木さんとしてはどうなんですか?
- 八木:身体に入るまでにめっちゃ苦労しました。「あれ? 1個(拍が)足りないんじゃないかな?」ってなるので(笑)。前のめりでドライヴするだけじゃない、優しい雰囲気に合ったものがこの曲で表現できたと思います。
- EMTG:そして、アルバムのラストを飾る2曲、「雨のち。夏」と「プルオーバー」は、美メロの極みですね。王道ポップスだなと思いました。
- 寺中:大学の頃の話になるんですけど……「グループに分かれて曲を作ろう」っていう授業があったんです。グループの中にいた4人それぞれで1つのメロディに対して歌詞をつけたんですけど、ある1人が書いた歌詞に対して先生が「すごく中2みたいで、なんも考えてなさそうな歌詞だねえ」と。
- 八木:ひどっ!(笑)。
- 寺中:そう(笑)。でも、先生は「これを狙ってできたらすごいよ」と。その話は印象的だったんです。それをこの曲を作る時にふと思い出して、「なんも考えてない感」というか。大学1年生くらいの頃の「とりあえず遊んだもん勝ちだ!」みたいな、ふわっとした感じを出したかったんです。アコギの音も他に較べて上げていて、ふんわり感を音でも出せたかなと思っています。ふんわり感勝負の曲です。
- EMTG:「プルオーバー」も、ふんわり感というか、すごく若々しい青さみたいなものを感じる曲です。
- 首藤:高校生の気分に戻って作りました。ベタかもしれないけど、誰でも懐かしい気持ちになるような歌詞だと思います。
- EMTG:この歌詞の中の男の子、超純情ですからね。
- 首藤:そうですね。かゆくなるくらいそういう感じにしたいと思っていたので。その直前まで書いていたのが「バミューダアンドロメダ」とか「BEAM」。意味分かんない歌詞ばかり書いていたので(笑)、逆に作文みたいな本当に普通なものを書きたかったんですよね。
- EMTG:アンドロメダから地上に帰ってきた感じ?
- 首藤:はい。町に帰ってきました。
- 小野:移動しましたねえ(笑)。
- EMTG:このアルバムって、ものすごくブッ飛んだ世界から身近な生活感まで、いろんな形の気持ち良さがある1枚と言ってもいいのかも。
- 首藤:なるほど。宇宙から地球まで、どこの場所も大体行きましたね(笑)。
- EMTG:(笑)今日話して改めて思ったんですけど、KEYTALKってキャラも面白いバンドじゃないですか。でも、そういう部分は音楽面ではあんまり出さないのも独特なのかなと。曲ではふざけないですからね。
- 寺中:たしかに「思いっきりネタ!」みたいな曲を作らない感じはあるかもしれないです。
- 首藤:「意外と真面目」と「意外と背低い」は、よく言われます(笑)。
- EMTG:「面白い人たち」みたいな認識が広がっている部分もありますけど、抵抗はないですか?
- 首藤:ライブがあるから平気なのかなと。真実はいつもライブにあると思っているので。
- 小野:またツアーもありますし。メジャーになって初めてのアルバムを引っ提げてのツアーなので楽しみですよ。
- 寺中:個人的なことですけど、ツアーはプロ意識を持ち、体調管理を徹底しようと思います。毎回ベストコンディションでやるコツを掴みたいです。
- 八木:僕も飲み過ぎないように頑張ります!
- 首藤:このツアーをきっかけにさらに大きくなっていきたいんですけど、そのスピードに負けたら、そこまでのバンドで終わってしまうと思うんです。だから負けたくないです。あと、巨匠がよくMCで言っているんですけど。「お前らの方が楽しめるか、俺たちの方が楽しめるか?」
- 首藤・小野・八木:「勝負だ?!」。
- 寺中:ちょっと俺のことバカにしてるだろ? やめろ!(笑)。
- 首藤:これは深い、熱い言葉ですよ(笑)。だから、その勝負の気持ちを忘れずに全力でやっていきたいと思っています。
昨年の11月にメジャーデビューして以来、猛烈な勢いで快進撃を続けるKEYTALKが、ついに2ndフルアルバム『OVERTONE』をリリースする。お馴染みのシングル曲「コースター」や「パラレル」は勿論、新曲の数々も圧倒的な存在感を発揮している1枚だ。エネルギッシュに踊れるリズム、ワクワクを果てしなく生むドラマチックな展開、心地よいメロディ&ハーモニーが、全13曲に満載されている。KEYTALKの人気をさらに加速するはずの今作は、どのような背景から生まれたのか? メンバー4人に大いに語ってもらった。
【取材・文:田中 大】
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●小野
蒜山(ヒルゼン)高原センター
岡山県にあるレジャー施設。先日島根へライブに行った際に、「ヒルゼン」て言えば、「高原センター!」ってお客さんがコール&レスポンスできるからっていうのを教えてもらって。ライブでやったら、「マジか!」ってなりました。島根で流れているCMらしいです。
●寺中
確定申告
僕らはバンドマンである以前に、ひとりの社会人なので、ちゃんとこの年にこういうのを出して、年にいくら稼いで、家賃はいくらですっていうのを国に報告してきました。職業のところは…ミュージシャンっていうのは恥ずかしいなあって思って、「歌手」にしたんです。かっこいいでしょ。
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■ライブ情報
KEYTALK “OVERTONE TOUR 2014”
2014/05/29(木)千葉 LOOK
2014/05/30(金)水戸 LIGHT HOUSE
2014/06/03(火)岡山 IMAGE
2014/06/05(木)熊本 DRUM Be-9 V2
2014/06/07(土)福岡 DRUM SON <ワンマン>
2014/06/08(日)広島 ナミキジャンクション <ワンマン>
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2014/06/11(水)京都 MUSE
2014/06/14(土)札幌 SPIRITUAL LOUNGE
2014/06/15(日)札幌 BESSIE HALL<ワンマン>
2014/06/19(木)長野 LIVEHOUSE J
2014/06/20(金)石川 金沢 vanvan V4
2014/06/22(日)名古屋 CLUB QUATTRO<ワンマン>
2014/06/29(日)東京 赤坂BLITZ<ワンマン>
2014/07/05(土)新潟 GOLDEN PIGS RED STAGE<ワンマン>
2014/07/06(日)仙台 MACANA<ワンマン>
2014/07/08(火)栃木 宇都宮HEAVEN’S ROCK VJ-02
2014/07/09(水)埼玉 熊谷HEAVEN’S ROCK VJ-01
2014/07/13(日)大阪 梅田CLUB QUATTRO<ワンマン>
※詳細、その他のライブ情報は、オフィシャルサイトをご覧ください。
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