EGO-WRAPPIN’、4年ぶりのシングルは浅草が舞台の探偵ドラマテーマソングに

EGO-WRAPPIN’ | 2014.06.11

 EGO-WRAPPIN’と探偵ドラマは相性がいい。淡くレトロでスタイリッシュ、毒を潜めた哀愁は、アウトローな探偵のイメージに良く似合う。12年前の永瀬正敏主演ドラマ「私立探偵濱マイク」の主題歌「くちばしにチェリー」以来になるが、今回はオダギリジョー主演のドラマ「リバースエッジ 大川端探偵社」。「モテキ」などで知られる大根仁監督の要望で、主題歌・劇中歌・エンディングテーマに加え、劇伴を森 雅樹が担当するという、ガップリ四つのコラボである。主題歌「Neon Sign Stomp」は、セットの中での演奏シーンが毎回放送されているだけでなく完全版がPVにもなっている。その3曲に「パンドラの箱」を加えた『BRIGHT TIME』は、なんと4年ぶりのシングル。彼等ならではのジャズやブルースを感じさせるだけでなく、新風も取り込んだ意欲作だ。

EMTG:「Neon Sign Stomp」は、ドラマ「リバースエッジ 大川端探偵社」のテーマ曲という依頼で書いたんですか?
森 雅樹:そうです。漫画が原作で、それを大根仁さんがメガホンを取ってTVドラマに。脚本を書きながら大根さんの中で、EGO-WRAPPIN’が流れてたって。で、出来たら浅草に住んでるミュージシャンという気持ちもあったそうで。俺がたまたま浅草に住んでるから、大根さんの中で両方が合致したんでしょう。
EMTG:EGO-WRAPPIN’と探偵ドラマは相性がいいみたいで。
森:普通、1回やってるから2回目は頼みにくいもんかなあと思ったけど、大根さん普通に来たから(笑)。
EMTG:「Neon Sign Stomp」には、浅草のイメージを織り込んでいると思ったんですけど、その辺も大根さんからの要望が?
森:何となく入れてもらえたら、みたいな。ちょっと遠巻きじゃなくて、直接的なところも欲しいとか。言われたような気がするな?
中納:うん。だけどあまりダイレクトになりすぎないように自分ではしましたけど。あんまり”浅草ブルース”みたいになってもなと思ったから、やんわりと。
EMTG:「のっぽのタワー」とかですかね。
森:そうやね。「スカイツリー」とは言ってない(笑)。
中納:最初は歌い出しが“角を曲がれば”というのだったんですけど、スタッフから“もういっこパンチが欲しい”と言われて、浅草というのが、もうちょっとわかったりとかお客さんが手を挙げるような感じの言葉ないかって。それ大根さんにも言われて。でもわからなくて。そしたら森くんが“色街”って、ええんちゃうかって。
森:わかりやすいかなって思って。
中納:わたし的には色街って、いなたすぎるんじゃないかと最初は躊躇したんですけど、回りに訊いたらそんなことないって。だからまあええかなと思って。
EMTG:レコーディングにはASA-CHANGが一斗缶で参加していて、歌詞にも一斗缶が出てきますね。
中納:一斗缶で叩いて欲しかったんやね。
森:そう、一斗缶希望(笑)。浅草の水上バス乗り場のところで、ハーモニカ吹いて一斗缶叩いてるストリート・ミュージシャンのおっちゃんがおって。一斗缶の音がちょっと哀しげな、すごいいい感じを放ってたんですよ。このドラマの話を貰った時に、最初に一斗缶を思い浮かべて、一斗缶を入れようと思って。ASA-CHANGに言ったら、そのおっちゃんを知ってて、自分のソロに入ってもらおうとオファーしかけたぐらいだったって。
EMTG:なるほど! ここでの一斗缶は浅草を象徴する音だったんですね。2曲目「太陽哀歌(エレジー)」は劇中歌ですけど、しっとりしたブルージーな曲で、歌の集中力がすごく伝わりますね。
中納:これは演奏を録ってすぐに歌って。それでよかったら生かすんですけど、速攻歌い直しましたね。日にちをあけたらテンション変わりそうだし、声が枯れてもいいから速攻歌い直そうって。最近、歌入れが難しくて。
EMTG:中納さんでもそうなんですか?
中納:昔はもっと自分で楽しくやってたと思うんですけど、最近はピッチとかも大事やと思うんですけど、バンド全部でハマってないとと思って、悩みますね。美空ひばりさんが、ばーっと来て1回だけで録るなんて、尋常じゃないなあと思います(笑)。
EMTG:そういう歌の深みは3曲目「パンドラの箱」にも込められてると思うんですが、この曲はオートチューンも使ってて。
中納:そうなんです、買ったんですよ。まだ使い慣れないけど面白い。
森:仮歌でダフトパンクやりまくってたもんな(笑)。
中納:誰でもダフトパンクになれる(笑)。ハモりの、和声が面白いんですよ。ボン・イヴェールみたいにもなれるし(笑)。最初はコーラスで使おうと思ったんですけど、効果的じゃなかったから。
森:大胆に行った方がいいかなあって。
EMTG:これは曲の構成も面白いですよね。どんどん変わって行く。
森:これは最初、俺がベース弾いて、よっちゃんがピアノで、あとドラムでセッションして作ってて。レコーティング当日までどうなるかわからないというか、録りながらやってったんですね。
EMTG:歌詞も「世界は不思議」と。
中納:不思議というかどうしようもないなあと。相手の思う事って自分の思う事やったりするから。ジョン・レノンとオノ・ヨーコみたいに、想像すれば皆で見る夢は変えれる、とか言ってみたいけど全然変わらへんくてガッカリしたり(笑)でも諦めたくなかったりもするし。
EMTG:最後の「サニーサイドメロディー」はドラマでもエンディングに流れますけど、柔らかい印象の曲ですね。
森:オープニングとエンディングというのもあるし、ドラマの舞台が観音裏で、浅草も表と裏があるじゃないですか。10年位住んで思うのは、古臭いところもあるけど意外に浅草って都会やなって。EGO-WRAPPIN’も今まで皆が思ってる感じと、何か新しい面を見せられたらなと。それも大根さんが僕らにしてくれた意味と言うか。自分なりのアーバン感というか。
中納:スタイリッシュ感。
森:それでリズムボックスって選んだんですけど。
EMTG:エマーソン北村さんと3人だけで録音してますね。
中納:100パターンぐらい音を出してくれたなあ。
森:電話でサンプル送るよって言われて、808(ヤオヤ)からスライ&ザ・ファミリーストーンが使ってるようなリズムボックスとか、海外のすごいヴィンテージのとか紹介されたんですけど、結局これがいいってなったのは、エマーソンさんの実家にある、エレクトーンのリズムボックス(笑)。
EMTG:(笑)逆にそれが浅草っぽいドメスティック感だったのかな。
森:あとリズムボックスで歌うソウルみたいな。甘いソウルみたいな。
中納:スイートソウルな。ファルセットの。
EMTG:歌詞も可愛いラヴソングで中納さんには珍しいですね。
中納:そうなんですよ。可愛いのが出来てしまって。なぜか”ギュッとしてよ”ってところに反応する中高年の男性が多いんですよ(笑)。昔のことを反省するとかって。ギュッとしてこなかったからって(笑) 。
EMTG:7月12日には東京・日比谷野外音楽堂、8月10日は大阪城野外音楽堂でライヴがありますね。
森:野音は「EGO-WRAPPIN’AND THE GOSSIP OF JAXX」でやるから、ドッカン!と行く感じに。ぜひ来てください。

【取材・文:今井智子】

tag一覧 シングル 女性ボーカル EGO-WRAPPIN’

リリース情報

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発売日: 2015年09月25日

価格: ¥ 1(本体)+税

レーベル: 1

収録曲

1

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リリース情報

BRIGHT TIME

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2014年05月21日

トイズファクトリー

1.Neon Sign Stomp
2.太陽哀歌(エレジー)
3.パンドラの箱
4.サニーサイドメロディー

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●森 雅樹
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■ライブ情報

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JOIN ALIVE
2014/07/19(土)北海道 いわみざわ公園

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2014/07/20(土)大阪 服部緑地野外音楽堂

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