テスラは泣かない。1stアルバム発表! 村上学(Vo&G)ロングインタビュー[後編]
テスラは泣かない。 | 2014.07.02
- EMTG:今回の『TESLA doesn’t know how to cry.』でも異色の1曲、「めんどくせえ」が出来上がった時のことを具体的に教えていただけますか?
- 村上:「めんどくせえ」は(笑)、確かにこれだけちょっと異質ですね。
- EMTG:この曲だけ、歌詞が違いすぎるというか。ざっくり言うと、男と女の痴話げんかだよね、と(笑)。
- 村上:(笑)これはホントに、自分が書いててちょっと変だなと思うんですけど。アルバムの制作の中で、自分たちで録音した状態のものを1回、事務所に“こういうのができました”って送る段階があったんですけど、そこでホントに全然歌詞が決まってなかった。プリプロしてたスタジオで、歌詞入れないとなーと思って。パッと出てきたのが「めんどくせえ」。 “じゃあ、歌入れしようか”“ちょっと待ってください”ってバーって2?3分で書いて“じゃあ、歌いまーす”って。で“めんどくせえな、めんどくせえな”って。みんなで爆笑してたんですよ。それをそのまま一旦事務所に送ったんです。内心、歌詞はいつか変わるだろうなと思ってたんですよね。さすがにこれまでの“テスラは泣かない。”の中に、「めんどくせえ」っていうフレーズは無いなと。そしたら、プロデューサーのミトさんが“これ、「めんどくせえ」のままでいこう”って。“この曲のポップさと、歌詞がマッチしてて。「めんどくせえ」以外はないよ”って言ってくれて。“テスラは泣かない。っぽくないとか、そういうのにとらわれるな”って。それでじゃあ、もう「めんどくせえ」でいきますって、曲の筋が通るように歌詞を変えていったんです。ライヴでも初めてやった時も、お客さんのノリもすごく良くて。その様子を見ながら、「めんどくせえ」にして良かったなって(笑)。
- EMTG:男女のツインボーカルって部分が、最もわかりやすいのがこの「めんどくせえ」だったのかな、と。飯野さんが歌っているパートが圧倒的に多いから。このツインボーカルは、テスラは泣かない。の強さにつながっていくとも思いました。
- 村上: そこは「Anderson」に入ってる、「Calico」っていう曲で、気が付いたんですよね。僕のメインボーカルに飯野がコーラス入れてるんですけど。この曲のレコーディング現場で、この人の声はコーラスというよりかボーカルだなって感じたんです。すごく芯があるし、もしかすると僕の声をくっちゃうんじゃないかなって聞こえて。それだったら、この人のボーカルで曲を作ろうって思ったんですよ。そこから曲作りにあたっては、僕の声の裏側じゃなくて、彼女単体で歌わせるところをいっぱい作ろうと。そしたらメロディラインの幅もストーリー性も広がって、これは表現できる幅が広がるなと思って。だから今回の『TESLA doesn’t know how to cry.』は、飯野の声がたくさん入ってますね。
- EMTG:ボーカル録りに関してはどのように?
- 村上:僕、作品はずっと残るから、上手に歌いたいって思ってしまう方で。だから声が裏返った時、すみません間違えました、裏返りましたって言ってた。そしたらプロデューサーのミトさんが“今のは君から出た言葉、声なんだ”って伝えてくれて。気持ちいいだけで歌うって形をつかんでくれて、本当に自分の体から出る声っていうのをちゃんとの残してくれたんです。だから余計なことを考えずに歌えましたね。ここは、今までになかったことで。理性とかじゃなく、本当に体から出てくる声ってこういうのなんだなって、自分で感じ始めたレコーディングでしたね。
- EMTG:なるほど。そういう中でも、ボーカル録りで自分で印象深かった曲は?
- 村上:「Arc」ですね。この曲は、自分自身、歌詞に対して気持ちのこもっている曲で。だからその気持ちだけで歌いたいって気持ちがあったから、部屋を真っ暗にして目を閉じて歌わせてくださいって言ったんですよね。ミトさんがじゃあ、全編ワンテイクで録ろうって。それでワンテイクでやったらうまくいったんです。このボーカル録りが終わった時に、ミトさんが“自分が気持ちよく歌ってワンテイクで録った歌がCDになるって、本当に幸せなことだよ”っておっしゃってくれて。“あぁ、音楽を世に出すってことは、こういうことなんだな”って。ミトさんと一緒にやらせていただいて、本当にいろいろ勉強になりました。
- EMTG:いい言葉をいただきましたね、本当に。
- 村上:本当にそう思います。「Arc」を歌う時…………ちょっと自分で言うのは恥ずかしいんですけど……。
- EMTG:お任せしますよ、そこを言うか言わないか。
- 村上:いえ、大丈夫です。……歌いながらもう泣きながら涙が出ればいいやと思ったんですね。で、歌いながら実際に涙が出た。余計なことを考えずに、どっぷり歌詞に世界観につかることができた。この曲の歌詞って、やっぱりちょっとツライ歌詞なんです。傷みとは別方向で起こっている、そこを鎮める最適な手段があるっていう。すごくツライことがあっても、自分が生まれ持った才能が助けてくれるっていう。そういうシチュエーションに自分を追い込んで歌いました。
- EMTG:「Arc」を聴いて、寝落ちする瞬間をイメージしました。まどろみじゃなく、そこからもう少し進んで意識が無くなる本当に一歩手前、その瞬間を思わせる1曲でしたね。
- 村上:それはすごく嬉しいですね。「Arc」と「Cry Cry Cry」 って、言ってることはまったく一緒で。涙を流して感情を解放した後って、眠気が襲ってくる。赤ちゃんも泣き疲れて寝るじゃないですか。
- EMTG:あぁ、確かに。その通りですね。
- 村上:だから涙が出てフラットになって、それまで持っていたフラストレーションから解放されて、そういう眠りにつくっていうイメージだったら、すごく嬉しいです、僕は。
- EMTG:えーと。最後にとてもざっくりした質問になってしまうのですが、よろしいでしょうか?
- 村上:はい、もちろんです。
- EMTG:村上さんは、生死はもちろん、人間について考えることは好きですか?
- 村上:好きですね。結局、今起こっていること……感情っていうのが、頭の中で起こっている電気信号なのか、もっと違うものなのかってことを、いつも考えてますね。今も昔も、ずっとそういうことを考えるの、好きですね。
- EMTG:なるほど。脳は人体の中でいちばん解明されていない部分と言われてますもんね。でも、それでも“感情とはなんぞや”がテーマになるのが、面白いところだと思うし、ロジックで勝負していない感じが、バンドの個性になってますね。
- 村上:ありがとうございます。
- EMTG:ライヴもどんどん増えていっていて、夏フェスへの出演も決まった。充実を感じてます?
- 村上:そうですね。結局、自分たちのことがいちばん伝わるのはライヴかなと思います。今、ライヴで初めて行く場所も多いんですけど、あ、伝わったとか、逆に今日はいまいちだったっていうのが、すごくよくわかる。これが今後の楽曲制作にもつながっていくと思うんですね。こういう取材をしてくれる方々の力や、作品の力も借りながら、自分たちで足で音を運べるところは、本当にいろんな形で自分たちで音を運んで、僕たちのことを伝えていけたらいいなと思っています。
メジャーデビューアルバム『TESLA doesn’t know how to cry.』をドロップした鹿児島の4人組バンド“テスラは泣かない。”。その全詞曲を手掛ける村上 学(Vo&G)へのロングインタビュー、その後編をお届けする。
前編では「泣くことは人間の才能だ」と個性的な持論を展開した村上だが、後編ではロジックの向こう側にあるエモーションを紐解いていく。マグマの“熱さ”に、少しでも触れることができただろうか。
【取材・文:伊藤亜希】
ビデオコメント
リリース情報
お知らせ
■ライブ情報
「TESLA doesn’t know how to cry.」release tour
2014/07/10(木)愛知・池下CLUB UPSET
w/The Flickers / Hello Sleepwalkers
2014/07/11(金)大阪・心斎橋Live House Pangea
w/The Flickers / Hello Sleepwalkers
2014/07/18(金)東京・渋谷WWW
ONE MAN LIVE
ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2014
2014/08/09(土)国営ひたち海浜公園
RISING SUN ROCK FESTIVAL 2014 in EZO
2014/08/16(土)石狩湾新港樽川ふ頭横野外特設ステージ
Re:mix 2014
2014/08/24(日)名古屋 DIAMOND HALL & APOLLO BASE
WALK INN ROCK FESTIVAL !
2014/08/30(土)桜島多目的広場野外ステージ
ツタロック・スペシャル・ライブ
2014/09/02(火)TSUTAYA O-WEST/O-nest
w/KEYTALK / 空想委員会 / The Flickers and more!
Sunset Live 2014 -Love & Unity-
2014/09/05(金)福岡県芥屋海水浴場・キャンプ場 特設ステージ
※その他のライブ情報、詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。
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