amazarashi、シングル「季節は次々死んでいく」リリース
amazarashi | 2015.02.16
- EMTG:昨年11~12月にかけて行なった“amazarashi LIVE TOUR 2014「夕日信仰ヒガシズム」”を終えてみて、率直な感想を聞かせてください。
- 秋田:とても手応えを感じたツアーでした。演奏や演出、ライブ構成など全てにおいてクオリティーアップしたいと考えていたんですが、どれも上手く行ったと思います。もちろん失敗もあったんですが、その乗り越え方というか、解決方法の探り方も知れました。今までずっと模索中だったamazarashiの生での表現方法がようやく固まってきたという気がします。
- EMTG:12月24日追加公演の渋谷公会堂のMCで、「ツアーが終わってしまうと寂しい。でも、今回のアルバム『夕日信仰ヒガシズム』で言いたいのはそういうこと」と言っていたのが、記憶に残っています。改めて『夕陽信仰ヒガシズム』とは、秋田さんにとってどんな作品だったと感じていますか?
- 秋田:日常生活でネガティブな感情は当然あるものとして、それは前向きにも後ろ向きにも変わるものだと思います。楽しいツアーでしたが、それも終わってしまうのが分かってたからこそ、いつも以上のパワーが出せたり、瞬間毎が大事なものに変わっていくんだと思います。『夕陽信仰ヒガシズム』はそういう感情の循環の小さな一単位だったんだなと感じてます。
- EMTG:ニューシングル「季節は次々死んでいく」は非常にダイナミックで開けた印象の曲だと感じました。ご自身ではどういった手応えを感じていますか?
- 秋田:最初自分でデモを作った時から疾走感のある感じで、アップテンポのものは今までもあったんですが、それとは違う印象だったので自分でも気に入ってました。バンドサウンドでやることを最初からイメージして作ったのでこういう曲になったんだと思います。
- EMTG:「季節は次々死んでいく」の制作の経緯を教えてください。
- 秋田:レコーディングやリハーサルで東京に滞在する時は五反田に泊まることが多いんですが、この歌詞は五反田で思いつきました。「なんでこんな所に居るんだろう?」という場違い感というか、それは五反田に限ったことではないんですけど、ふと自分は流されてこんな所にいるな、と思うことが多々あって、そういう気持ちの歌詞です。
- EMTG:タイトルは「~死んでいく」ですが、歌詞では最終的に《~生き返る》へと着地します。日が沈んだら昇るという『夕日信仰ヒガシズム』とも似たような、前向きなメッセージを感じました。今回はどのような想いを込めましたか?
- 秋田:日の目を見なくても、やりたいことをやっていれば誰かが見てくれてる、っていう気持ちがあって、どこかを目指してるんじゃなく、自分が思うままにやりたいことをやっているうちに季節も状況も変わる、という心象風景です。
- EMTG:サビは「拝啓~」という言葉ではじまり、誰かへの手紙のようにも感じます。これは、どんな人からどんな人への手紙と想定していますか?
- 秋田:今の自分から自分の過去に対して書きました。最低で最悪で嫌いなんだけど、今となっては懐かしいような気もするなっていう感情です。過去は断ち切ったけど望郷の念もある、みたいな。
- EMTG:今回のシングルには「季節は次々死んでいく」のacoustic versionも収録されていますが、なぜ収録しようと思ったのですか?
- 秋田:個人的に、弾き語りについては頑張りたいなと最近思ってまして、僕個人の力量というか、歌手としてひとりでどれだけ人を感動させられるのか、とか、そういうものに挑戦したい気持ちの一環として収録しました。才能あるバンドメンバーやスタッフに囲まれているからこそ、僕自身成長したいと思ってます。
- EMTG:acoustic versionは少ない音のなかで秋田さんの声が生々しく伝わるステキな仕上がりです。実際に歌ってみて、オリジナルver.とは異なる感触がありましたか?
- 秋田:一発録りだったので大変でした。ですがよりライブっぽい、僕が持っている泥臭い部分が見えるのが一番だと思ったので、こういうテイクになりました。
- EMTG:ちなみに秋田さんの好きな“季節”はいつですか?
- 秋田:以前は冬がとても好きだったんですが、最近雪かきに辟易していて、今は夏が一番好きです。
- EMTG:2曲目のポエトリーリーディング曲「或る輝き」は、非常に攻撃的で荒廃した雰囲気の言葉をセレクトされています。この曲で秋田さんが描きたかった想いは何でしょうか?
- 秋田:これは僕の中で実験的な曲で、一節ごとは僕の見た風景やイメージなんだけど、それを連ねることで僕の意味からは遠ざかっていくというようなことをやりたくて作りました。描きたい絵の縁取り外を塗りつぶしていく、みたいなイメージです。
- EMTG:3曲目の「自虐家のアリー」は、母親に虐待を受けながら、それでも母親を愛したい少女の歌、と捉えましたが、この物語で秋田さんが描きたかったものは何ですか?
- 秋田:人間関係の根底にあるのはたぶん愛で、その最も根源的な部分を描きたいと思って作りました。この曲はメロディーも歌詞も1コーラスがすぐできて、結末をどうするかでとても悩みました。単純なハッピーエンドや悲劇にしたくなかったのでちょっとぼやかしたつもりです。
- EMTG:「自虐家のアリー」では、なぜアリーを形容する言葉に“自虐家”という言葉を選んだのですか?
- 秋田:酷い状況にいる時に、他者を責める人と自分を責める人に分かれると思うんです。今回は子から母への愛が重要だったので“自虐家”にしました。
- EMTG:今回のシングルは、表題曲「季節は次々死んでいく」の明るい色調が、それ以降に続く「或る輝き」「自虐家のアリー」という2曲の影の部分をより濃くしているような構成だと感じました。総じて、どんなシングルになったと思いますか?
- 秋田:シングルを出すのは初めてだったので、どういうバランスにしようかとても悩んだんですが、色んなタイプの曲でバラエティーの豊さを提示するよりは、同系色で特色を出した方がいいかな、と思いこんな選曲になりました。濃いシングルだと思います。
- EMTG:4月には“あまざらし プレミアムライブ 千分の一夜物語「スターライト」”のアンコール公演が決定しました。内容に変更はありますか?
- 秋田:単純に、一回のライブだけで終えるには惜しいライブだったのでもう一回やりたいと思いました。お客さんの評判が良かったのも背中を押してくれました。ステージ内容は多少の変更もあると思いますが、基本的な「スターライト」の物語は変わりません。よりクオリティーアップした形で見てもらいたいと思ってます。
前作アルバム『夕日信仰ヒガシズム』が、今回のメールインタビューで秋田ひろむが振り返ったように“感情の循環の小さな一単位”だとしたら、新曲「季節は次々死んでいく」は、季節という、より大きな単位で捉えた感情の循環を表した曲だろう。生命力溢れるダイナミックなバンドサウンドと共に綴られる、それは生きて、生き続けるための闘志の歌だ。TVアニメ『東京喰種トーキョーグール√A』でもあり、バンド史上初のシングルリリースでもある今作について、今回もメールインタビューの形式で秋田ひろむ(Vo&G)に答えてもらった。まずは、昨年末に開催した『夕日信仰ヒガシズム』ツアーの話から。
【質問制作&文:秦理絵】
リリース情報
潮風[期間生産限定盤]
発売日: 2016年12月07日
価格: ¥ 1,389(本体)+税
レーベル: SME Records
収録曲
[CD]
01.潮風
02.チューリップ
03.潮風(TV size ver.)
04.潮風(Instrumental)
05.チューリップ(Instrumental)
[DVD]
01.TVアニメ「舟を編む」ノンクレジットOP映像
02.「潮風」MUSIC VIDEO
(C)玄武書房辞書編集部
リリース情報
お知らせ
■ライブ情報
あまざらし プレミアムライブ 千分の一夜物語「スターライト」~アンコール公演~
2015/04/04(土)中野サンプラザ
2015/04/29(水、祝)大阪 森ノ宮ピロティーホール
※その他のライブ情報、詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。
あまざらし プレミアムライブ 千分の一夜物語「スターライト」~アンコール公演~
2015/04/04(土)中野サンプラザ
2015/04/29(水、祝)大阪 森ノ宮ピロティーホール
※その他のライブ情報、詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。