“次世代の歌姫”として注目を集める安田レイの6枚目のシングル「Tweedia（トゥイーディア）」は、ポケモン・ザ・ムービーXY「光輪（リング）の超魔神 フーパ」の主題歌。タイトルの「Tweedia」とは、“幸福の愛“や“信じ合う心“という花言葉を持つ小さな青い花の名前で、愛や絆、感謝について歌ったハートウォーミングな表題曲やポケモンの世界観ともリンクしている言葉だ。さらに、カップリングには、夢をテーマにした軽快なハウスナンバー「my glory day」と心が安らぐ場所を想起させるソウルバラード「sweet home」を収録されており、この３曲の根底には、ソロデビュー２周年を迎えた彼女が、これまでずっと大切にしてきた“心のつながり“という共通したテーマが流れているようだ。

EMTG：まず、ポケモン・ザ・ムービーXY「光輪（リング）の超魔神 フーパ」の主題歌を担当することが決まったときの心境から聞かせてください。

安田：私、ポケモン世代なんですよ！　初めてポケモンに触れたのは幼稚園のときだと思うんですけど、そこからもうずっとポケモンブームで。私自身はもちろん、まわりのみんなもゲームボーイやカードゲーム、アニメや映画、いろんなジャンルでポケモンを愛していて。小さい頃は、毎週弟とアニメを楽しみにしていたし、家にカードやおもちゃもたくさんあったんですけど、特に私が好きだったのはアニメと映画だったんです。だから、今回、映画の主題歌を歌わせていただけるっていうことが決まったときはめちゃくちゃ嬉しかったし、幸せだし、夢が１つ叶ったっていう、信じられない気持ちでいっぱいですね。

EMTG：（笑）その話しぶりから、ポケモンへの愛がひしひしと伝わってきます。そんな大好きなポケモンの映画主題歌となる新曲「Tweedia」を受け取ってどう感じました？

安田：いままでたくさんのポケモンの映画を見てきたので、すぐにいろんなシーンが浮かびましたね。この曲なら、サトシとピカチュウが背中合わせ出歩いてるなとか、自分の中で勝手に想像が膨らんでいったし、すごく素敵な曲だなって感じました。

EMTG：歌詞はポケモンのテーマと通じる部分も多いですよね。

安田：そうですね。私はポケモンを通して、仲間や絆、つながりの大切さに何度も気付かされたんですけど、この曲は、大切な仲間やいつも支えてくれる人に対しての“感謝“の気持ちがメインテーマになっていて。私たちは日頃から＜ありがとう＞という言葉を使っているけど、いちばんそばにいる近い存在の人には、照れ臭くなって、なかなか面と向かって伝えられてないんじゃないかと思うんですね。だから、この曲を聴いてるときはいつもそばで支えてくれている大切な人を思い浮かべて欲しいし、この曲を聴いたあとに、＜ありがとう＞って直接伝えたいなって感じてもらえたら嬉しいなって思いますね。

EMTG：安田さんにとっての大切な人というのは？

安田：いちばんの心の支えになってるのは、ファンのみなさんですね。そして、いま、ソロシンガーの安田レイとして歌わせていただけているのは、数え切れないくらいのスタッフさんの支えがあるからだなと思っていて。ちょっとした私の変化に気づいてくれて、優しい言葉をかけてくれたりするんですね。ファンのみなさんや、いつもそばで支えてくれている家族のようなスタッフを思い浮かべながら歌ってますね。また、ポケモンに対する感謝の気持ちも込めたし、みんなの気持ちを少しだけ代弁するような気持ちでも歌ってますね。もともと私は、自分の中で＜日々感謝、日々努力＞という言葉を大事にしてるので、すごく感情が乗りやすかった１曲だなと思います。

EMTG：＜日々感謝、日々努力＞をモットーにしてるんですか？　見た目と反して内面は体育会系っぽいですね。

安田：感謝を忘れてしまっては絶対にダメだと思いますし、努力を怠ってはいけないと思ってるんですよね。デビューしたばかりの頃に、プロデューサーの玉井さんから言われた印象的な言葉があって。＜24時間、常にカメラがいるつもりで生きなさい＞って言われたんですね。人間はどこかでサボったりする瞬間があると思うんですけど、それではダメだなと思って。たとえ誰も見ていなくても、常にカメラがいて、ドキュメントリーを撮られているんだっていう意識でいれば、自然と背筋もピンと伸びる。それって、素晴らしいことだなと思うんですよね。

EMTG：そのくらいしないと夢は叶わないっていうことですかね。２曲目の「my glory day」では夢に向かって突き進む姿勢が歌われていますよね。

安田：そうですね。この曲のいちばん大きなテーマは“自分次第“ということで。夢や目標、それに人生そのものもそうだと思うんですけど、自分が行動を起こさないと何も変わらないと思うんですよね。ほんとに平凡な毎日が続いてるなって思ったときでも、そこで、自分にいま何ができるか、自分にいま何が足りてないのかを見つめ直すことが大事だし、その中で新しい発見を見つけていくことが明日につながると思っていて。

EMTG：“my glory day “と歌いながらも“our glory day“と聴き手に呼びかけてる部分もありますよね。

安田：今日１日を振り返って、私はやりきったなって思うような日もあれば、失敗したり、泣いたりする日もあると思うんですね。そんなときは涙を吹いて、笑うことで気持ちを切り替えることが大切だなって思ってて。そういう意味では、自分自身に問いかけてる部分もありますし。みんなと一緒に、笑顔で夢や希望を叶えていこうっていう私からのメッセージも入ってますね。

EMTG：安田さんのいまの夢はなんですか？

安田：いっぱいありますね~。音楽の力って無限大だと思うんですよ。だから、いろんな場所でライブがしたいし、いつかは海外でライブがしたい。世界と日本の架け橋になるようなグローバルな存在になるのが、私のいちばん大きな夢ですね。

EMTG：では、失敗したり、泣いて落ち込んだときはどうします？

安田：とにかく食べて、寝るですね（笑）。好きなものを食べて、たっぷり睡眠をとって、気持ちをリフレッシュします。ずっと悩み続けていても状況は変わらないと思うので、気持ちを切り替えて、笑うことが大事なのかなと思いますね。科学では証明されてないけど、笑顔は特別なエネルギ?を発していて、運も人も、いいものをたくさん呼び寄せてくれるパワーがあると思うので。

EMTG：そして、３曲目には自分にとっての大切な居場所をテーマにした「sweet home」が収録されてます。

安田：自分の実家もスイートホームだと思うんですけど、聴く人によっては昔通っていた学校とか、バイト先とか、いろんな場所に自分にとっての安らぐ場所や、家族のような存在がいると思うんですね。

EMTG：元気ロケッツの活動を経て、20歳を迎えた2013年７月３日にソロシンガーとしてデビューし、丸２年を迎えました。

安田：濃かったんですけど、長いような短いような、不思議な感覚ですね。でも、先日、テレビの音楽番組で私の原点である元気ロケッツの「Heavenly Star」と新曲「Tweedia」を歌わせていただく機会があって。「Heavenly Star」を歌うとまだ未熟だったスタートした瞬間のことやオーディションの記憶、初めてのレコーディングや初めてのMV撮影のことを思い出して……。

EMTG：さらに幼稚園生の頃から好きだったポケモンの主題歌を歌って。

安田：いや~、ほんとにたくさんのことを思い出しますけど、ソロデビューしてからは１日が３時間くらいにしか感じないくらい早く過ぎていってますね。とにかく１日１日が濃いし、新しい発見もたくさんあって。ほんとに冒険のような毎日だなって思います。

EMTG：最後に３年目に入った意気込みを聞かせてください。

安田：今年の秋に１年で３度目のワンマンツアーがあるので、これまでとは違った一面や進化した私を見せたいなと思いますね。パフォーマンスはもちろん、衣装もこだわって作っているので、目でも耳でも楽しい、みんなでたくさんの汗をかけるようなライブをたくさんしたいです。あとは、１日１日を大切に、常にカメラが回ってるっていう意識て過ごしていかなければいけないなと思ってますね。夢や目標は数え切れないくらいあるし、やりたいことはまだまだいっぱいあるので、現状に満足することは一生ないと思いますね。

【取材・文：永堀アツオ】