moumoon、ファンタジックに魅せたツアー・ファイナル
moumoon | 2011.07.04
ファンタジックなステージ・セットが、いかにもmoumoonらしい。舞台を覆っていた幕が上がると、いくつものカラーボールが光り、その真ん中にボーカルのYUKAがスラリと立っている。その左にギターの柾昊佑。他にバンドはギター、ベース、ドラムス、キーボードで、総勢6名が音を送り出す。オープニングは、最新アルバムのタイトル・トラック「15 Doors」だ。
「ようこそ!みんな、イキましょう!」とYUKA。延期されていたこの中野サンプラザでのライブを、オーディエンスもmoumoonの二人も本当に心待ちにしていたのだ。客席に目をやると、男性客と男女カップルが目立つ。さて、今日はどれだけ盛り上がるのだろう。
出だしはゆるやかだったものの、3曲目の「One Step」あたりからYUKAの声が出てくると、会場の熱がぐっと上がる。
「この曲で私たちを知ってくれた人がいっぱいいます。歌ってください」とYUKAが言って始まったスマッシュ・ヒット「Sunshine Girl」で、会場はすっかりリラックスしたのだった。
柾のアコースティック・ギター1本でYUKAが歌う「青い月とアンビバレンスな愛」では、場内がしーんと聴き入る。一方で、強いビートの「フィリア」では会場の底の方に静かな熱気が渦巻く。終わって大きな拍手が起こったのは、みんなが「青い月とアンビバレンスな愛」とは違う意味で聴き入っていた証拠だ。
後半は80’sポップのテイストをベイスにしたリズムと、柾の弾くフェンダー・ギターのエッジーでカラフルな音色、そしてYUKAの個性的なボイスが核をなすmoumoonサウンドが、サンプラザに広がっていく。楽曲の個性が伝わってきて、改めてmoumoonがシーンの中で独特のポジションを占めている理由が分かった。
アンコールでYUKAがニューシングル「Chu Chu」がリリースされることを告げると、会場から喜びの声が上がる。「これからもいいニュースを届けられるようにやっていきます。応援してください」。
続いて柾が挨拶する。「今日を楽しみにしていて、始まってみたらアッという間に過ぎて、最初からもう一回やりたいくらい」。
そんな思いを込めて演奏した最終曲「We Go」は、力強くオーディエンスをリードしていた。エンディングでYUKAの歌のリフレインが残る中、バックメンバーがひとりずつステージを去っていく。 最後にYUKAと柾の二人が感謝を込めて深く頭を下げ、ライブは終わった。
【 取材・文:平山雄一 】
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