cinema staff、メジャー進出後初ワンマンは、彼らの歴史を辿るメモリアルライヴ
cinema staff | 2012.07.26
6月20日にリリースした1st E.P.「into the green」で、満を持してメジャーに進出したcinema staff。本作のレコ発ワンマンライヴcinema staff 1st E.P.「into the green」release oneman live『望郷』は、彼らの地元である岐阜県・岐阜BRAVO、そして7月15日の恵比寿LIQUIDROOMの2カ所で開催され、どちらもチケットはソールドアウト。超満員のオーディエンス達が、彼らの新たなるスタートを祝福した。
割れんばかりの歓声と大きな拍手で迎え入れられた4人は「水平線は夜動く」からライヴをスタート。夢の世界へ誘うようなバンドサウンドに、飯田のファルセットが絡み合う幻想的な空気がフロアを満たした後、バンド結成初期の曲「AIMAI VISON」へ。辻 友貴(Gt)は激しく暴れ狂いながらも繊細なフレーズを奏で、三島想平(Ba)のベースがそれに絡みつくようにうねり、久野洋平(Dr)がしっかりと音を支えつつ、更に熱量をボトムアップ。そんな爆発力全開のサウンドを、飯田瑞規(Vo.&Gt.)の歌声が切り裂くように、フロアへ向けて真っすぐに飛びこんでくる。続く「daybreak syndrome」では、力強いサウンドの中に、飯田と三島が生み出す美しいハーモニーが響き渡り、リキッドルームはあっという間にcinema staffの生み出す音世界に支配された。
この日のセットリストは“「into the green」のリリースをひとつの節目というか始まりとして、これまでのcinema staffのディスコグラフィーの流れを汲んだ、歴史を辿るような内容”というMCもあった通り、前述のバンド結成初期の曲から、最新EPの曲までを網羅したもの。懐かしい曲のイントロが流れると、すかさずフロアから興奮の声が上がっていた。飯田もポロっと“楽しいなぁ”と言葉をこぼすぐらい、バンドもテンションの高いステージを繰り広げていく。
しかし、中盤で飯田の機材からノイズが出るトラブルが発生。ライヴが一時中断となってしまった。三島が“今日のライヴのコンセプトとして「あまり喋らない」というものがあるんですけど(苦笑)”と話を繋げる。途中、久野がMCをしているときに、客席から“頑張れ!”という応援の声が上がったのだが、“小学校のときに長距離走が苦手で、最後まで走ってるとみんなに頑張れって言われて、すごい泣きそうになったことを思い出します(笑)”と、ちょっぴり苦い思い出を告白。トラブルが解消された後は「実験室」「skeleton」そして、メジャー1st E.P.に収録されていた「棺とカーテン」をバッチリと決め、“生きて帰さねぇぞ!”という三島の煽りから端を発して、怒濤の後半戦へとなだれ込んで行った。
“僕は今、cinema staffで世界の人達を救おうなんていう大言壮語は吐けませんが、自分と、この場に来ていただいている皆さん、そして我々の音楽を聴いてくれる人達には、全力でその人達のことを幸せに、そして次の一歩を踏み出せるものでありたいと強く願い、まだまだやります。まだまだ続けて行きます”そんな三島の宣言に大きな拍手が送られた後、「into the green」へ。アウトロで激しい轟音を奏であげ、本編は終了した。
アンコールでは飯田がまず1人で登場し、秋に全国ツアーを行なうことを発表。ツアータイトルは「夜は短し歩けよ辻」で、“ちょっと字足らずな感じなんですけど”と、客席の笑いを誘っていた。そして、“アンコールは特殊な感じでやろうかな”と、9mm Parabellum Balletの「Talking Machine」をカバー。MCで“初めてリキッドルームでライヴを見たのが9mmのライヴで、そのときは自分達がここでライヴをするなんて思ってなかった”という話もあり、先輩へのリスペクトを込めて届けられたのだが“ハマっている”とかそういうレベルではなく、完全に自分達のモノにしていて、意表を突いた選曲にオーディエンスも大喜びだった。ラストは「Poltergeist」。不穏な空気を巻き散らしながら混沌としたエネルギーを爆発させ、大音量のフィードバックノイズが鳴り響く中、この日のライヴは幕を降ろした
cinema staffは、9月5日に4th mini album『SALVAGE YOU』(このリキッドルームのライヴ映像を特典DVDとして収録!)をリリースすることが決定しているのだが、この日、その中から2曲を一足先に披露してくれた。リードドラックである「奇跡」は瑞々しさを纏いながら疾走するアップテンポなナンバー、もう1曲の「warszawa」はベースのフレーズが印象的で、浮遊感をたたえながらもダイナミックなサウンドを聴かせるミディアムチューン。どちらの曲も抜群にメロディアスで、この2曲だけで素晴らしい作品になるであろうことが充分に伝わってきた。彼らが生み出す“轟音”と“美メロ”が同居する美しい音像を、是非とも体感して欲しい。
【取材・文:山口哲生】
【撮影:橋本塁】
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リリース情報
セットリスト
- 水平線は夜動く
- AIMAI VISION
- daybreak syndrome
- ニトロ
- AMK HOLLIC
- 部室にて
- シンメトリズム
- 第12感
- 優しくしないで
- KARAKURI in the skywalkers
- 奇跡
- warszawa
- 実験室
- skeleton
- 棺とカーテン
- 白い砂漠のマーチ
- super throw
- 想像力
- 君になりたい
- into the green ENCORE
- Talking Machine<9mm Parabellum Bullet cover>
- Poltergeist
お知らせ
Great Hunting Night Vol,33
2012/08/01(水)渋谷O-nest
ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2012
2012/08/04(土)国営ひたち海浜公園
京都ミューズの激情!!
2012/08/27(月)京都KYOTO MUSE
残響祭 8th ANNIVERSARY
2012/09/01(土)いわきclub SONIC
2012/09/02(日)仙台CLUB JUNKBOX
2012/09/16(日)渋谷O-EAST & DUO MUSIC EXCHANGE
HUCK FINN presents -recollection vol.3-
2012/09/11(火)今池HUCK FINN
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release tour “夜は短し歩けよ辻”
2012/10/05(金)札幌COLONY
2012/10/07(日)仙台MA/CA/NA
2012/10/08(月)盛岡CLUB CHANGE
2012/10/12(金)新潟CLUB RIVERST
2012/10/17(水)福岡DRUM SON
2012/10/19(金)高松DIME
2012/10/20(土)広島NAMIKI JUNCTION
2012/11/06(火)心斎橋Music Club JANUS
2012/11/07(水)名古屋CLUB QUATTRO
2012/11/09(金)恵比寿LIQUIDROOM
爆裂核心BURSTING CORE & Zankyo Record Presents
「残響祭 8th ANNIVERSARY」SPECIAL IN TAIWAN
2012/11/24(土)THE WALL台北
※その他のライブ情報、詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。