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Nothing’s Carved In Stone、ツアー大詰めのZepp DiverCity TOKYOでのライブをレポート!

Nothing’s Carved In Stone | 2012.10.17

 “ロックというジャンルの存在はオルタナティブだし、マイナーなモノだと思う”と言う村松拓(Vo&G)は、メジャーデビューアルバムに『Silver Sun』と名付けた。

 太陽よりギラギラしていて、もっとマイナーな感じ。それが『Silver Sun』。Silver Sunとは、月のこと。“いつもは、誰か(太陽)に照らされてるモノでも、ちゃんと自分から照らすことが出来るんだよ”というのが、このタイトルの裏に秘められた意味なのだ。

 そう名付けた意味。村松は、2面性が欲しかったのだと言った。
 2012年10月5日。彼らはこの日、8月21日の千葉LOOKを皮切りに、全国19ヵ所をまわったツアーのセミファイナルライヴのため、Zepp DiverCityのステージに立った。そこは、ライヴ開始前から、相当な熱気に包まれていた。ここに集まったオーディエンスたちは、アルバムを聴いた瞬間から、きっとこの日を待ち焦がれていたのだろう。

 SEをバックに、さりげなくステージに姿を現した4人に向けたオーディエンスからの歓声が、轟音となって会場中に響きわたった。
「ただいまぁ?!」
 ボーカルの松村が屈託のない笑顔で両手を広げ、挨拶をすると、その歓声は更に大きさを増した。
 無骨に音をぶつけるのではなく、待っていてくれたオーディエンスを大きく包み込むように両手を広げ、オーディエンスへの愛しさが溢れ出た笑顔を向け、飾ることのないありのままの姿で、その音と、その声を届ける。彼らがそこ(楽曲)に託した想いを放つと、そこに居たすべてのオーディエンスは、何にも負けない強さを心に宿し、最高の笑顔を彼らに向けた。

“聴いてくれる人の生活に寄り添って、その人の生活を照らしてあげられるようなアルバムになってくれたら”、という願いを込めて作られたアルバムでもあった『Silver Sun』。

まさに。この日、Zepp DiverCityに集まったオーディエンスひとりひとりの人生を、照らしていたように思う。

 生形と日向はときおり、大喜多の前で向き合って音をぶつけ、最高に熱い極上のグルーヴでオーディエンスを昇天させていく。

 更に、大喜多のカウントと生形の放った1音で、早くも次の曲を察知したオーディエンスが、その曲を欲して声を上げ、そのサウンドにのめり込むようにモッシュを繰り返す。
村松は、そんなオーディエンスの熱を受け、ニヤリとした笑みを浮かべながら、クールかつ攻撃的なボーカルを届けていく。

「みんなの、くだらない日常の悩みを、俺たちの爆音でぐちゃぐちゃにしに来たぜ! みんな! 躍ろうぜ!」
 そんな松村の声を合図に始まった「PUPA」では、リズミックなリズムと、エレクトロなビートとギターのリフがオーディエンスを跳ねさせ、
「お台場の友人と若き恋人たちに贈ります」
と言う言葉を挟んで届けられたミドルチューンの「Red Light」では、柔らかな体温でオーディエンスを包み込み、アルバムを初めて聴いた瞬間、思わず、“この5拍子に、このギターソロ!?”と声が出てしまったほど、まさしく、Nothing’s Carved In Stone のポテンシャルを感じた「The Big Chill」では、4人が大喜多の前でそれぞれの個性をぶつけあい、フロアを更に熱くしたのだった。

 “言葉の向こう側に、伝えたい人が居るということを更に意識して書くようになった”と語っていた村松の言葉が、ふと頭の中でよぎった「Red Light」。歌をメインに届けたいという想いで歌詞先行で作った日本語詞が乗ったこの曲は、しっかりとオーディエンスの胸に届いていた。

「最高に楽しいよ! どう? 楽しい? 何も考えずに盛り上がって! オマエたちの幸せ、全部俺たちにくれよ! 俺たちも全部で返すからさっ!」  松村の熱い叫びから、クライマックスまで間髪入れずに音を届けた4人。個人的にアルバム曲の中で一番好きだった「Scarred Soul」から「Advance Forward」「Moveing In Slow-Motion」がノンストップで放たれた瞬間、思わず、ペンを握りしめ硬直してしまったほど、彼らの音に強く惹き付けられた。圧巻。圧倒的な音圧と真っ直ぐな叫びは、まさに圧巻。さすが、の一言である。

「お台場! 解ってるか!? 今がすべてだぞ!」
 彼らの生き様を感じた言葉が、深く胸に突き刺さった。
 そしてこの日。彼らは鳴り止まぬアンコールを渇望する声に、「Sequel」で応えた。静謐な空気に包まれたフロアがとても印象的だった。

「こういう一面も持ってるからさ。これからも小出しに出してくわ(笑)。俺たち、これからもずっと続いていくから、よろしくね」

 どこまでもラフなスタイルだが、とてつもないスター性を感じる村松。真摯に、そして自由に音の中で生きる生形、日向、大喜多。彼らの存在こそがSilver Sun。そして、この場所こそがSilver Sun。ここに集まったオーディエンスは、この日、太陽よりギラギラした光に包まれ、最高に輝ける力を持ち帰れたことだろう。

【取材・文:武市尚子】

tag一覧 Nothing’s Carved In Stone ライブ 男性ボーカル

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リリース情報

Silver Sun

Silver Sun

2012年08月15日

エピックレコードジャパン

1. Spirit Inspiration
2. 白昼
3. PUPA
4. Advance Forward
5. Terminal
6. Red Light
7. The Big Chill
8. Inside Out
9. Scarred Soul
10. Sequel
11. Pride
12. The Silver Sun Rise Up High

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セットリスト

  1. Spirit Inspiration
  2. 白昼
  3. November 15th
  4. Spiralbreak
  5. PUPA
  6. Chain reaction
  7. Inside Out
  8. Red Light
  9. Pride
  10. The Big Chill
  11. 9 Beat
  12. Diachronic
  13. Sands of Time
  14. Scarred Soul
  15. Advence Forward
  16. Moving In Slow-Motion
  17. Isolation
  18. The Silver Sun Rise Up High
ENCORE
  1. Sequel
  2. Chaotic Imagination
  3. Around the Clock

お知らせ

■ライブ情報

J-WAVE 「THE KINGS PLACE」 LIVE vol.1
2012/10/15(月)LIQUIDROOM

※その他のライブ情報、詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。

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