今年前半、メンバー3人のみで長期のライブハウスツアー「Piano Trio Philosophy?do YOU ride on No.66??」を行い、バンドの原点を見つめ直してきたWEAVER。この秋は初の学園祭ツアー「Rock the campus’TOUR 2012」を敢行、一方では音源の制作も精力的に続けている彼らが、10月18日、久々に東京でのワンマンライブ、WEAVER Brand New Live 2012「Will!」を開催した。会場は渋谷WWW.。会場の広さもあり、チケットは瞬時にソールドアウトしてしまったが、この日のライブは USTREAM、YouTube、ニコニコ生放送、アメーバピグ、ジャンボリーステーションで生中継され、会場に行けない多くの人達も映像で彼らのライブを楽しむことができた。これだけ多くの人に届けたかったのも、この日のライブが非常にスペシャルなものだったから。新曲のお披露目はもちろん、おなじみの楽曲がスペシャルなアレンジで演奏されるというレアなスタイルだったのだ。
1曲目「僕らの永遠?何度生まれ変わっても、手を繋ぎたいだけの愛だから?」でスタートしたライブは、メンバー3人の呼吸とグルーヴ感が絶妙なノリを生む。ボーカルの杉本雄治はグランドピアノに向かい、よりエモーショナルな音を叩き出す。ベースの奥野翔太は6弦ベースをメインに使用、時にメロディーすら担う華麗なフレーズを聴かせ、ドラムの河邉徹はドラムセットにウィンドチャイムを取り入れるなど、表情豊かなドラミングに意欲を見せた。力強さを増した「Hard to say I love you?言い出せなくて?」や、フリーセッション風のイントロなど、ライブならではのアレンジが心地よい。メンバー3人も、アイコンタクトをまじえつつ、演奏を楽しんでいる様子が伝わってくる。
中盤では次々に新曲も披露され、バンドのアンサンブルを活かしたサウンドで成長した姿を見せつけた。後半の導入部のインストナンバーでも、ドラムの河邉がスネアを持ってステージ前方に移動し、場内を盛り上げる。その後は「トキドキセカイ」や「管制塔」で場内から熱い手拍子を巻き起こし、本編最後は「Shine」でオーディエンスから合唱を引き出した。

　アンコール前、そんなオーディエンスからは、まさかのハッピーバースデー・コールが起こる。声援に応えてステージに戻ってきたメンバーにフロアから「ハッピーバースデー！　WEAVER！」の声が。そう、2年前の10月21日にメジャーデビューを飾ったWEAVERにとっては、まさにデビュー記念日直前でもあったのだ。暖かいファンの思いを受け、アンコールでは彼らからもう1曲、新曲がプレゼントされた。「Shall we dance」と紹介されたこの曲は、アップテンポで躍動感に満ちた、ワクワクするようなナンバーだった。
最後に杉本は「またこんなライブしたいです！　新しいアルバムも楽しみにしていてください！」と締めて、大ラス曲「ティンカーベル」につなげた。新たなアレンジで新鮮さが引き出されたおなじみの楽曲と最新の曲が交差したライブには、バンドの逞しさと遊び心を感じられた。杉本もMCで発表したように、1月16日にはニューアルバム『Handmade』をリリースする彼ら。さらに年明け早々の1月1日にはシングルDVD「REPLAY?Medley of Handmade?」のリリースも決定しており、2013年は今年以上の飛躍が期待できそうだ。この日のライブで聴かせた勢いのある楽曲達と、アルバム音源で再会する日を楽しみに待ちたい。

【取材・文：海江敦士】