ねごと、同世代ツアーファイナルでエモさ爆発!まさかのアンコール解禁
ねごと | 2013.12.03
11月16日に渋谷のCLUB QUATTROにて行われた、ねごとの「お口ポカーン!!?SYNCHRONIGHT TOUR?」は、11月12日の名古屋を皮切りに、13日の大阪、そして16日の東京とまわった“同世代対バンツアー”のファイナルだった。このツアーは、ニューシングル『シンクロマニカ』の発売を記念した企画ライヴで、名古屋をOKAMOTO’S、大阪をThe SALOVERSらと盛り上げ、ファイナル東京には、BLUE ENCOUNTを迎えてステージに挑んだのである。
19時。ファイナルライヴの幕を開けたのはBLUE ENCOUNT。対バンとなると、大抵のバンドがノリを重視したセットリストを組み、ノッケから勢い良く飛ばしてくるモノなのだが、BLUE ENCOUNTは、ヴォーカルの田邊駿一の魂のこもったアカペラからという意表をついたオープニングナンバーを選んでいた。その始まりは実に静かで神聖な印象を与えながらも力強く、その場の空気を一瞬にして変えるものだった。そして、オーディエンスが田邊の歌に引き寄せられたそのとき、4人の放つ音は一気に爆発。オーディエンスは、それまでの空気感との対比もあり、一瞬戸惑ったかのように見えたが、次の瞬間には、ハッと我に返ったように力強く拳を振り上げ、全力で彼らのサウンドに応えた。
「BLUE ENCOUNTと言います!僕はねごととは“はじめまして”ではないんです。地元熊本で活動をしてたとき、友達の家でテレビを見ながら宅飲みしてたら、auの『LISMO!』のCMで、ねごとの「カロン」が流れたんです。それで、“俺、絶対にこのバンドと対バンする!”って言ったんです。それくらい衝撃が走って。そしたら、友達に“ねごとみたいなこと言ってんな!”って言われたっていう……そんな思い出があります」(田邊)
ちょっぴり地元訛りを感じさせるヴォーカルの田邊の言葉に、オーディエンスは大きな歓声を贈った。その後も、田邊の暑苦しくも微笑ましい熱血トークは(最高の褒め言葉として受け取ってほしい)、オーディエンスの心を掴み、肝心の楽曲でも素晴しいスキルとセンスを見せつけ、ライヴ中盤にはモッシュが起こるほどの盛り上りを見せてくれたのだった。この日、BLUE ENCOUNTは、田邊の夢が実現したこの時間を完全に自分たちのモノにして、しっかりとその手応えを掴んだことだろう。
20時03分。転換が終わり、いよいよ、お待ちかねのねごとの登場だ。SEに乗り、4人がステージへと現れた。柔らかな素材で作られた鮮やかな衣装を、ひらひらと翻しながら小夜子がドラム前にスタンバイすると、幸子、瑞紀、佑もそれぞれの定位置に着き楽器を構えた。
瑞紀のギターのハウリング音からスタートしたライヴは、オーディエンスを「サイダーの海」へと導く。幻想的な世界の中で声を伸ばす幸子。
「渋谷?っ!」(佑)。フロアをしっかりと温めてくれたBLUE ENCOUNTに触発されたのだろう。明らかにライヴに向かうテンションは高めである。その後も間髪入れずに、ねごとならではのバンド感でライヴを盛り上げていくと、「1・2・3・はい!」の掛け声からスタートさせた「七夕」で、ファニーな世界へ。少し癖のある幸子のヴォーカルはとても印象的。小夜子、瑞紀、佑が描き出す、アグレッシブかつのほほんとした空気感も、ねごとにしか生み出すことの出来ない個性だろうと改めて感じた。
中盤には、ニューシングル「シンクロマニカ」のカップリングとして収録されていた、くるりのカバー曲「ばらの花」を届けたのだが、これもまた、原曲の良さを消すこと無く、控えめながらもしっかりと押し出したねごとらしさを楽しませてくれたのだった。
そして、ここで小夜子が、この対バンツアーを強く希望していたのが瑞紀だったことを告げ、瑞紀がMCを引き継ぐ。
「私たちの世代で(シーンを)引っぱっていけたらなぁ?と思って、同世代ツアーを希望したんです」(瑞紀)
瑞紀のMCでは、頭を振り乱し、全力でギターを弾くあの力強さとのギャップにいつも驚かされるのだが、このやんわりとした空気感こそが瑞紀の素顔。しかし。その短い言葉の中には、ねごとの音にも通じる、自分たちの音を貫く、曲げることのできない強い意志を感じる。
ライヴ後半に届けられた「シンクロマニカ」は、オーディエンスの手拍子と共に作り上げる、ライヴならではのイントロでスタート。リリースされて間もないというのに、この息の合い方は素晴らしい。間奏でフロント3人が激しく音をぶつけ合い、今まで以上に熱いパフォーマンスを見せてくれたのも、この先のねごとの更なる成長を予感させるモノだった。そんな最高のノリに、シャイで口数の少ない佑が、「最高です!ありがとう!」と、笑顔で応えていたのがとても印象的だった。
そして、ラストはオレンジに染まるステージから、あたたかで少しの寂しさを感じさせる楽曲「夕日」を届け、ライヴを締めくくったのだが、ナント、この日は特別にオーディエンスの声に応え、アンコールを行った。
ステージに戻って来た4人にオーディエンスは轟音のような歓声を贈る。それもそのはず、ねごとがアンコールを行うことは、めったに無いことなのだ。
「ねごとは、アンコールを封印してきました。今回のツアーでも、名古屋でも大阪でもやってきませんでした。でも、今日はやりたいと思います!」(幸子)
歓喜の声を上げるオーディエンスに、「何が聴きたい?」と尋ねる幸子。様々な曲名が飛び交うなか、「sharp ♯」を届け、ライヴの幕を下ろしたのだった。
【取材・文:武市尚子】
【撮影:Yukihide“JON…”Takimoto】
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リリース情報
セットリスト
ねごと お口ポカーン!!
〜SYNCRONIGHT TOUR〜
2013.11.16@渋谷CLUB QUATTRO
BLUE ENCOUNT
- JUST AWAKE
- HALO
- マキャベリズム
- D.N.K
- ONE
- HANDS
- YOU
ねごと
- サイダーの海
- Re:myend!
- 彗星シロップ
- 七夕
- ワンダーワールド
- ばらの花
- drop
- メルシールー
- week...end
- たしかなうた
- シンクロマニカ
- 透き通る衝動
- カロン
- ループ
- 夕日
- sharp♯
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2014/01/24(金)EX THEATER ROPPONGI
※その他のライブ情報、詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。