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BUMP OF CHICKEN、様々な演出に心躍る「“WILLPOLIS 2014”」全国ツアースタート!

BUMP OF CHICKEN | 2014.04.21

 赤、青、ピンクに緑、白、オレンジ、それからそれから――――。
 巨大な展示場3ホール分をぶち抜いただだっ広い空間いっぱい、フロアを埋め尽くしたオーディエンスと同じ数の光が色とりどりに瞬いて揺れる。ザイロバンドを光源として織りなされる一面のファンタスティックな光景は文字通り“光の絶景”で、そこに輝く一粒一粒はザンザンと突き上がる拳の内側にひとり一人が握りしめたかけがえのない“WILL”、すなわち“意志”の光そのものだと思えた。そうしてステージに立つBUMP OF CHICKENから真っ直ぐに放たれる音楽もまた意志であり光だとするならば“WILLPOLIS”という造語には“未来都市”“まだ見ぬ街”に“意志都市”の意味も含まれるに違いない。4人と会場とが一体となって作り上げるこの空間はまさしくその具現だった。

 3月にリリースされた通算7作目のオリジナルアルバム『RAY』を携え、全国13都市20公演を回るツアー「BUMP OF CHICKEN TOUR "WILLPOLIS 2014"」。幕開けを迎えた千葉・幕張メッセ国際展示場2DAYS公演の2日目となるこの日、4月6日も初日と同じく約2万3千人にも及ぶ観客が詰めかけ、オールスタンディングのフロアはどのブロックもすし詰め状態の盛況振りを見せた。渦巻く期待に全身全霊で応えるがごとく、4人の演奏ものっけからぐいぐいと高い求心力でオーディエンスを引き込む。『RAY』という傑作を作り上げた充実と自信も作用しているのだろう、まだツアーが始まったばかりとは思えないほど堂に入った力強いプレイだ。一語一句に想いを乗せて朗々と渡る藤原基央の歌、肺気胸に打ち勝っての完全復活を確信させるタフなその声に寄り添って2万3千人の大合唱が満ち満ちる。歓声、クラップ、シンガロング。ステージと客席が互いに共鳴し合って生まれる美しいこの循環を一体感と言わずしてなんと呼ぼうか。

 くるくると色を変えながらオーディエンスの頭上を跳ね回って興奮をさらに盛り上げた、ザイロバンド同様これまたBUMP OF CHICKENのライブにお馴染みとなったチームラボボールを始めとする意匠を凝らした様々な演出にも心躍ったが、何より感動して止まないのはやはりバンドとオーディエンスの関係性、距離の圧倒的な近しさだ。会場の規模がどれほど巨大化しようとも、その間にある熱の濃度はまったくもって薄まらない。幕張メッセのステージに立ちながらも目線は今なお彼らがインディーズの頃からホームとしていたライブハウス・千葉LOOKと同じ高さにあって、等身大の意志を鳴らし続けているBUMP OF CHICKENだからこそファンも衒いなくそこに手を伸ばせるのだ、きっと。両者の間に絶妙に保たれている、スープの冷めない距離ならぬ“想いの冷めない距離”をこの日、改めて確認できた気がする。

「何度でも言うよ。本当に会いたかったし会えてよかった」、今日という日の一期一会を噛み締めるように直井由文は一人ひとりに語りかけた。ひっきりなしに客席から届けられる“おかえり!”の声に、本来はMCのタイミングではないのにも関わらず「ただいま。ありがとう」と照れながら口にした藤原の誠実なやさしさに感じるのはこのバンドのリアルな体温だ。「絶対忘れない記憶の1ページができました。ありがとうございます!」、端正なプレイの端々に覗かせる笑顔そのままの無邪気で素直な増川弘明の感謝、「楽しい二日間でした! 全国回ってきます! ありがとう!」と“秀ちゃんコール”に応えて喝采を浴びた升秀夫の本日のひと言。どれをとって飾りのない生身な佇まいがうれしい。

 アルバム『RAY』からの楽曲を軸にしつつ懐かしい曲に鉄板のキラーチューンにと新旧織り交ぜて構成されたセットリスト。初日とはまた若干メニューが異なるのも彼ららしいこだわりだろう。爆発的な昂揚を呼んだ「firefly」も、訥々とした歌い出しからダイナミックに展開するバンドサウンド、壮大なグルーヴでオーディエンスを呑み込んだ「Smile」も、久々の「リトルブレイバー」も、すべてが愛しく胸を熱くさせたが、この日の白眉はやはり「ray」だろうか。アルバムのタイトルナンバーともいうべきこの楽曲に溢れる生の歓び、絶対的な肯定感は何にも代え難い救いだ。そう思わせる強いエネルギーがステージからほとばしり、まさに“光線”となって客席を照らし射し、それに呼応するかのようにひとり一人がまた瞬く。
 “生きるのは最高だ”
 “大丈夫だ この光の始まりには 君がいる”
 情景が歌詞にリンクして実に鮮やかな印象を残す。等身大でありながらも進化、成長を止めない彼らが奏でるBUMP OF CHICKENの今を存分に味わった。

「今日のライヴは今日だけのもの。次もまた簡単に会えるとは俺らも思ってないんで。よかったらまた遊びに来てください。すげー楽しかった、ありがとう」

 そんな藤原の言葉を挟んでいよいよオーラス。しかし、これで終演かというムードの中、さらに1曲が追加で演奏されるという感涙もののサプライズが!これぞ“今日のライヴは今日だけのもの”だ。瞬間瞬間の意志を紡ぎ、その日だけのライヴを作り上げては足跡に残しながら最終日、7月31日の東京ドーム公演までツアー「“WILLPOLIS 2014”」は続く。旅の終わりには果たしてどんな歓喜の光景が待っているのだろうか。

【取材・文:本間夕子】
【撮影:古渓一道】

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リリース情報

RAY【初回限定盤】(CD+DVD)

RAY【初回限定盤】(CD+DVD)

2014年03月12日

トイズファクトリー

[CD]
1. WILL
2. 虹を待つ人
3. サザンクロス 
4. ラストワン
5. morning glow
6. ゼロ
7. トーチ 
8. Smile
9. firefly
10. white note
11. 友達の唄
12. ray
13.(please)forgive  
14. グッドラック

[DVD]
〈Music Video〉
1. 虹を待つ人
2. ゼロ
3. Smile
4. firefly
5. 友達の唄
6. グッドラック

〈2013.8.9 Live at QVC Marine Field〉
1. Stage of the ground
2. firefly
3. 虹を待つ人 
4. プラネタリウム
5. 花の名
6. ダイヤモンド
7. メーデー
8. K
9. 天体観測

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お知らせ

■ライブ情報

BUMP OF CHICKEN TOUR
「WILLPOLIS 2014」

2014/04/17(木)愛知県 日本ガイシホール
2014/04/18(金)愛知県 日本ガイシホール
2014/04/26(土)石川県 石川県産業展示館4号館
2014/05/03(土・祝)新潟県 朱鷺メッセ・新潟コンべンションセンター
2014/05/10(土)福岡県 マリンメッセ福岡
2014/05/11(日)福岡県 マリンメッセ福岡
2014/05/17(土)静岡県 静岡エコパアリーナ
2014/05/24(土)徳島県 アスティとくしま
2014/05/31(土)北海道 北海道立総合体育センター 北海きたえーる
2014/06/01(日)北海道 北海道立総合体育センター 北海きたえーる
2014/06/07(土)広島県 広島グリーンアリーナ
2014/06/08(日)広島県 広島グリーンアリーナ
2014/06/14(土)宮城県 セキスイハイムスーパーアリーナ
2014/06/15(日)宮城県 セキスイハイムスーパーアリーナ
2014/06/23(月)大阪府 インテックス大阪 5号館
2014/06/24(火)大阪府 インテックス大阪 5号館
2014/07/06(日)沖縄県 沖縄コンベンションセンター展示棟

BUMP OF CHICKEN TOUR
"WILLPOLIS 2014" FINAL

2014/07/31(木)東京都 東京ドーム

※その他のライブ情報、詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。

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