NICO Touches the Walls、4年ぶり武道館で華麗なリベンジ
NICO Touches the Walls | 2014.09.02
昨年の秋に発表され、“4年前のリベンジ”という目標を掲げて行われたNICO Touches the Walls、2度目の武道館ライブ。中盤、光村龍哉(Vo・G)は、こんなふうにお客さんに語りかけた。
「やっぱり4年前と違うね。あの時は5,000人しか来なかった。今日、立ち見の人がいるところは、ただの床でした(笑)。今日はおかげさまで8,000人以上入っています!」
そして光が照らし出した満員の武道館は、大きな祝福の拍手に包まれた。それは単に、動員が3,000人以上増えたという事実への賞賛ではなく、集まったお客さんがバンドの歩んだ道のりを知ればこそ、貫いてきた音楽を、曲げなかった信念そのものを讃えているようだった。
そんなリベンジの武道館公演。メンバーの登場と同時に湧き起こった割れんばかりの歓声。4人がステージの中央で手を重ね合わせ、高く突き上げた。「いけますか!武道館!」。光村の声を合図に、「Broken Youth」から怒涛のロックンロールショーが幕を開けた。
間髪入れずに、「THE BUNGY」。ギターの古村大介、ベースの坂倉心悟はそれぞれ左右に広がる。「今この場所は俺たちのものだぜ!」と、光村が熱っぽく叫ぶと、さく裂する特効の爆発音。サビではドラム対馬祥太郎のコーラスが光村のヴォーカルに重なる。激しいドラミングを見せながら、大きな口を開けて歌う対馬の顔は、すでに汗ダクだ。
「踊ろうぜ、武道館!」という煽りから、手拍子が響き渡ったのは「バニーガールとダニーボーイ」。途中、曲をブレイクさせると「みんなの綺麗な手を見せてくれ!」と呼びかけた光村。「今日はその手を一生ぶん掴んで離しません。ギュギュッと握りますから、最後まで離さないでください!」。そして再び曲がはじまると、NICOの狂騒的なロックンロールはさらに加速していく。ここからライブはダークな展開に突入。ピンスポットが順々にメンバーを照らし出し、混沌としたサウンドがこだまして、新曲「バケモノ」。さらに、不協和音にも似た歪なサウンドが鳴り響く「Diver」。この一連の流れに客席はただただ立ち尽くして身を委ねるのみだった。
そんな緊張感のある展開のあと、アコースティック演奏による「Heim」、光村の圧巻の歌声を聴かせた「バイシクル」を経て、終盤。再び激しいロックステージへなだれ込むと、客席が大きく波打つ。「ローハイド」「ニワカ雨ニモ負ケズ」といった、ここ1年ほどの最新ナンバーがこの半年のライブですっかり板についていた。そして「手をたたけ」では、「せっかくだからみんなで歌いましょうか」と、大合唱。爆音を伴奏に、それを上まわる声量で武道館いっぱいに響いた8,000人の歌声が素晴らしかった。そしてラストの「天地ガエシ」では紙ふぶきが舞い散る美しい光景を作り上げ、本編17曲が終わった。
アンコールではツアーTシャツに着替えてメンバーが登場。イントロで大きな歓声が起こったのは、「image training」だった。
「今日は華麗なリベンジを果たせたと思います。ありがとう!」と光村。その爽やかな表情に、さすがのNICOも――決して現状に満足しない彼らでも、この日ばかりは満足だろう。そんなふうに思っていたが、「正直、もっとやりたい。やりたかった曲があと5倍くらいあります。なので来年の冬、東京と大阪でここにいるみんながひとり残らず入れる会場を用意しています!」と、早くも次のライブが決定していることを告げた。
「僕らは一生リベンジなんです!じいちゃんになるまでスカッとしたリベンジを続けたい」、そう言って、アンコール最後2曲は「TOKYO Dreamer」と「N極とN極」。満員の武道館をその目に焼き付けるように客席を見渡して演奏するメンバー。別れ際、光村が「引き続き僕らのリベンジに付き合ってください。ありがとう!」と新たなリベンジを8,000人に誓うと、最高に貪欲で、不屈の精神を持つライブバンド=NICO Touches the Wallsは、鳴りやまない歓声を背に、ステージを後にした。
【取材・文:秦理絵】
【撮影:岡田貴之】
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リリース情報
セットリスト
ニコ タッチズ ザ ウォールズ ノ ブドウカン
2014.8.19@日本武道館
- Broken Youth
- THE BUNGY
- ホログラム
- 夏の大三角形
- 妄想隊員A
- B.C.G
- バニーガールとダニーボーイ
- アビダルマ
- バケモノ
- Diver
- Heim
- バイシクル
- Mr.ECHO
- ローハイド
- ニワカ雨ニモ負ケズ
- 手をたたけ
- 天地ガエシ
- image training
- TOKYO Dreamer
- N極とN極
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