NICO Touchesthe Walls 新・夏フェス盛り上がり必至ナンバーが到着!!

NICO Touches the Walls | 2013.07.08

 5月からスタートした全国ツアーで既に披露している「ニワカ雨ニモ負ケズ」が、ついにリリースされる。胸の奥にまでグッと迫る甘酸っぱいメロディ、逞しいバイタリティが脈打つ歌詞が、抜群に心地よい曲だ。今後の彼らのライブに欠かせない存在となるだろう。そして、掲載スペースの関係で原稿に盛り込むことができなかったが……カップリングのカバー曲「陽のあたる場所」も最高! MISIAの名曲を、NICO Touches the Wallsらしい遊び心を交えたロカビリーテイストにアレンジしている。彼らが楽しんで演奏している姿が、ありありと伝わってくる仕上がりだ。今作について4人に語ってもらった。

EMTG:「ニワカ雨ニモ負ケズ」、いい曲です。
光村:いいでしょ?(笑)。「今年の夏のパーティーチューン、できたな」っていう感じですね。自分が今、高校生とかだったら、こういう曲をコピーしたくなるだろうなと思います。今年の春に出したアルバムの「Mr. ECHO」とかと同じタイミングで出来てたんですけど、この曲だけ圧倒的に抜けが良くて、はじけた感じがあったんです。それとは対照的にアルバムの曲たちは自分たちのシリアスなところが出ていて、そこを大事にしたかった。そういう点でも「ニワカ雨ニモ負ケズ」は、アルバムが出来上がった後、その次のステージの曲だなと思ってました。
古村:もうツアーでやってるんですけど、大分手応えもあるし、CDが出てないのにお客さんの反応がいいですね。夏フェスとか、野外でやるのも楽しみです。
EMTG:このリフ、弾きたくなります。
古村:弾いてて気持ちいいですよ(笑)。
光村:フルくん(古村)から奪ってでも弾きたくなるリフという点だと、今までは「THE BUNGY」だったんですけど、「ニワカ雨ニモ負ケズ」が生まれたことで、こっちになりました(笑)。
坂倉:僕もこの曲は、弾いてる時に無心になってます。何も考えなくても自分のスイッチを入れられちゃうところもあるので。「リズム隊として?」とかは特に何も考えず(笑)。
対馬:ちょっとは考えてよ(笑)。でも、この曲はみっちゃん(光村)のデモの時点で、抜けの良さがあったんです。アレンジに関してはイントロにみんなで時間をかけました。最終的に、今みたいな突き抜けた感じになって。その瞬間にリズム隊としても勢い良く駆け抜けるスイッチに入っていきましたね。この曲は僕らの曲の中で一番テンポが速いんです。だからライブで「行くぞ!」って叩き始めると、「速え?」ってなりますけど(笑)。
EMTG:ということは、対馬さんの体調次第ではスローテンポになることも?
光村:それは許しません(笑)。
対馬:タイトルが「ニワカ雨ニモ負ケズ」なので、体調とかに負けちゃダメなんです(笑)。
古村:イントロ、実は僕が大変なんです。弾くのは簡単なんですけど、ライブでやる時はエフェクターの踏み替えが大変で。
光村:イントロだけで10回くらい踏み替えてるんですよ。
古村:「ライブは意外と大変だよ」っていうことは言っておきたいです(笑)。その分、みんなはアクティブにやってくれてるんですけど。
EMTG:歌詞は光村さんと対馬さんの共同クレジットですね。
光村:対馬くんとの共作の歌詞です。元々僕が曲を作った時点でサビの歌詞はあったんですよ。そこから対馬くんが1コーラスのAメロ、Bメロを書いてきて、それに対して僕は2番の歌詞を書きました。対馬くんの書いたものに対する替え唄的な切り口で。
EMTG:だから《非常ベルが鳴る》っていう表現が2番でも出てきたりするんですね。
光村:そうです。「非常ベルが鳴る別のシチュエーション」みたいな発想で(笑)。ヒップホップのマイクリレーみたいなことですね。こういうのはやったことがなかったので面白かったです。しりとりみたいな感じで。
対馬:ほんとそんな感じだった(笑)。
対馬:でも、そういう作りの歌詞だから、たまに1番と2番の歌詞がごっちゃになるんですけど。ライブが終わった後に対馬くんに「あそこ間違えてたよ」って言われたり(笑)。
対馬:あるいは、「歌ったの、前の歌詞だよ」とか(笑)。
光村:今回のツアー、前半ではかなり間違えてます。
対馬:バラすな!(笑)。
EMTG:(笑)すごくいい歌詞です。悲愴感に溺れないで逞しく突き進む心意気を感じます。
対馬:みっちゃんが最初に考えたサビがすごく良くて。それに基づくものを作ろうと思ってました。曲調は明るいけど、サビは真面目なことを言ってるんです。例えば《君が笑った 明日は雨かい?》とか、ストレートにポジティブじゃなくて、疑ってるじゃないですか。そういう翳の部分を活かしたいなと。それで、僕の歌詞はよりポップに、明るくて分かりやすくしたいなと考えながらやりました。
光村:この前のアルバムで、「バンドは壁を背負ってるんだ」っていう自分たちのアイデンティティを自覚して。だから対馬くんが「ニワカ雨ニモ負ケズ」っていうタイトルを提案してくれた時に、「まさしくそうだよね。これは俺らが歌わなきゃいけないよね」っていうことを感じました。「このニワカ雨にも負けずに頑張ってる感じっていうのを図々しく出せて、俺らなんぼだよな」というリミッターが外れた曲だと思います。
EMTG:リスナーとしても、すごくこのバンドらしさを感じます。
光村:君が笑ったら「明日は晴れ」じゃなくて「明日は雨」っていうところも含めて(笑)。
EMTG:普通は「明日は晴れ」ですよね(笑)。
光村:そこが僕たちが壁を背負ってる感じ(笑)。でも、「結構そういうもんじゃないの?」って思うんですよ。そういう日頃抱えてるものは、歌詞に出ちゃいますね。例えば……今ってLINEとかツイッターの文字とか写真の一部でみんなの気持ちを読みとったりしてる人がいるじゃないですか。すごく上辺だけ。そういうのが不気味で仕方なくて。だからこの曲をみんなが大声で歌って、そういう不気味さに気づいてくれればいいのにと思ったりもしてます。
EMTG:例えば……君が笑ったくらいで無条件に「明日は晴れ」と思う薄っぺらさって、不気味ですよね。
光村:ほんとそうです。
坂倉:今のみっちゃんの話を聞いてふと思い出したことが……友だちが好きな女の子とご飯を食べに行って喜んでいて。でも、その女の子の方から僕に連絡が来て、「また次の約束が入れられそうで困ってる」と……すみません! 余談でした(笑)。
EMTG:男の子の方はまだ期待してる?
坂倉:そうです。だからみっちゃんの言う「不気味な感覚」は持ってた方がいいなと僕も思います。そいつは今「明日は晴れ」だと思ってるので(笑)。
EMTG:坂倉さんは当事者双方の心情と現実を俯瞰で把握している、ある意味、神の視点を持っている状態なわけですね。
坂倉:そうなんです。気持ちのすれ違いが見えてて。
光村:せっかくだったら、坂倉の神の視点で、雨から晴れにしてあげなよ(笑)。
坂倉:協力はしてるよ(笑)。
光村:神はそれぐらいのことをしないと。
坂倉:神もそんなに器用とは限らないんだって!
EMTG:まあ、現実はそんなに甘くないってことですよね(笑)。
光村:突発的に毎日何が起こるか分からない感じって、あると思いますから。そこで「日頃何を自分は考えて、行動してるか?」って、すごく大事。みんなが同じ方角を向かなくてもいいと思うし。
対馬:自分たちに対する壁も、行動してる中で急に来るものだったり、自分で作り出すものだったりするわけですけど、ずっと続くってものでもないと思うんですよね。だから突発的にいろいろ起こるにせよ、それはポジティブに捉えられるのかなと。「ニワカ雨」って、そういう意味をこめてます。ニワカ雨の後は晴れますから。そういう中で、どう負けないかがポイントだと思うので。
EMTG:いい曲です。サウンドの味付けも凝っているし。ギターソロのサイケなエフェクトのかかったサウンドとか。
古村:「こういうの面白いな」って、いろいろ考えながらエフェクトをかけました。そして、その後に急に雨の音が入る(笑)。そういう遊びは、ちょいちょいやってます。プロデューサーの岡野ハジメさんは、こういうのが大好きですから。
光村:俺の趣味と岡野さんの趣味が存分にコラボレーションしてるところもあります(笑)。例えば雨のところとか。音響的な実験がすごくされてる作品なんです。この辺は、存分に趣味の世界ですね。僕らはそういうのが好きなんで、ついつい時間をかけ過ぎて周りに怒られるという(笑)。岡野さんにほっとかれることもあるんで。「一生やっててください」って(笑)。
EMTG:(笑)そろそろインタビューを締めますが、あと何か言っておきたいことは?
対馬:防水は?
光村:あっ、そうだ。初回生産限定盤Aのブックレットが、防水仕様なんですよ。「ニワカ雨にも負けないジャケット」って言って。
EMTG:お茶をこぼしても平気?
光村:平気です。お風呂の中でも読めます。
坂倉:ただし、間違ってもディスクごとお風呂に行かないように(笑)。
EMTG:ラーメンと一緒に煮たら?
光村:それは分からないですけど(笑)。
古村:さすがにベロベロになるかも……分からないですけど(笑)。
EMTG:無意味なチャレンジはやめておきましょう。
坂倉:「ニワカ雨にも負けないジャケットだって言ってんだろ!」っていうことで(笑)。
光村:まあ、ちょっとした傘代わりにして頂いても良いのではないかと(笑)。

【取材・文:田中 大】

tag一覧 シングル 男性ボーカル NICO Touches the Walls

関連記事

ビデオコメント

リリース情報

ニワカ雨ニモ負ケズ(初回生産限定盤A)[CD+DVD]

ニワカ雨ニモ負ケズ(初回生産限定盤A)[CD+DVD]

2013年07月10日

KRE

ディスク:1
1. ニワカ雨ニモ負ケズ
2. 陽のあたる場所

ディスク:2
1. ニワカ雨ニモ負ケズ
2. Diver
3. Broken Youth

このアルバムを購入

お知らせ

■マイ検索ワード

●光村龍哉 (Vo.&Gt.)
アナログレコードプレイヤー セッティング

最近、アナログプレイヤーを貰いまして。家でレコードを聴くのがマイブームなんですけど、ある時から音にノイズが増えてきて、「これは多分、針の調整がおかしいんだ」と思って、検索しました。アームの後ろの錘を動かして「ゼロバランス」にして、そこから「針圧」を揃えて……っていうような。あと、プレイヤーをアンプに繋いだ時の「負荷インピーダンス」を揃えると、よりプレイヤーの性能を活かせる。そういうのを昨日調べてやってみたら、ノイズが直りました。非常に面倒くさいんですけど、聴く喜びがあります。朝日を見るまでレコードを聴いて寝不足(笑)。

●古村大介 (Gt.)
ラーメン二郎

前にもこのコーナーでラーメン二郎を挙げたんですけど、未だに検索してます(笑)。二郎系と呼ばれるラーメン屋さんにも手を出し始めてて。家の近くにある二郎とか、時間に余裕がればバイクで好きな二郎のお店に行ってます。行く時に営業時間と定休日を調べてます。「この時間は目黒だったらやってる」とか、「渋谷の二郎系だったら、ギリギリまだ行ける」とか。そういうのを自分の居場所と照らし合わせて検索してます。

●坂倉心悟 (B.)
毛虫 何の幼虫?

「毛虫って一生毛虫のままのもいるんじゃないか?」と思って、ふと調べてみたんですけど、どうやらそうではないらしくて。蝶や蛾の毛が生えている幼虫が毛虫。蝶になるものもいるんですよ。27歳になって、ようやく知りました。

●対馬祥太郎 (Dr.)
満漢全席

中国の宮廷料理です。山の食材を使った8品、陸の食材を使った8品、海の食材を使った8品で作るんですけど、すごく値段が高いんです。10人以上で頼んで、1人7万円とからしいです。何に惹かれたかというと、料理の中身。猿の脳みそだったり、熊の掌だったり、ラクダの瘤だったりの珍味なんです。『インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説』で猿の脳みその料理が出てくるシーンがあるんですけど、実際にあると知って、興味が湧いてます。いつか食べてみたい。美味しいらしいですよ。


■ライブ情報

new balance presents
NICO Touches the Walls TOUR 2013"Shout to the Walls!"

2013/07/10 (水)東京:NHKホール
2013/07/11 (木)東京:NHKホール

Amuse 35th Anniversary BBQ inつま恋 〜僕らのビートを喰らえコラ!〜
2013/07/13(土)静岡県・つま恋

ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2013
2013/08/03(土)国営ひたち海浜公園

WILD BUNCH FEST. 2013
2013/08/17(土)・18(日)山口きらら博記念公園

SPACE SHOWER SWEET LOVE SHOWER 2013
2013/08/31(土)山梨県 山中湖交流プラザ きらら

JFL 20TH ANNIVERSARY LIVE FOR THE NEXT supported by「Music Unlimited」
2013/09/09(月)Zepp Namba OSAKA

※その他のライブ情報、詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。

トップに戻る