UVERworld、7回目の武道館クリスマスライヴ
UVERworld | 2015.01.19
“7年連続クリスマス武道館へようこそ!”
この日、2曲目の「Wizard CLUB」を届けた直後にTAKUYA∞が叫んだ。
その言葉を受け、毎年当たり前のように武道館に向かい、1年の終わりが近づいていることを実感し、全力でライヴに向き合う彼らの姿を見て、改めて自の行いを振り返る自分が居たことにハッとした。
7年連続―――かぁ。決して当たり前に出来ることではないその現状を目の当たりにした。しかも、2013年も2014年の今回も、場内は360度にオーディエンスを詰め込むという、武道館の最高動員収容のスタイルだ。今、ここまで武道館をいっぱいに出来るアーティストはそうそう居ない。
“また今年もクリスマスはUVERworldの武道館行こ”と、当たり前のように思わせている彼らの絶対的な存在と勢いに改めて感服した。
そして、TAKUYA∞はこう続けた。
「実力か否か。身の丈か否か。(武道館)トータル公演回数9回。今日ここで白黒ハッキリつけようぜ!」(TAKUYA∞)
始まったのは「REVERSI」。信人がアップライズを導入し、新たなUVERworldを提示した楽曲でもあるこの曲を、TAKUYA∞は全力で叫び、彰、克哉、信人、真太郎、誠果は口々に、この曲に乗せられた歌詞を歌いながら届けた。TAKUYA∞の挑戦的とも思えるMCは、この「REVERSI」によって、それが実力であること、そして充分な身の丈であることを証明した。
「決めたから。最高のクリスマスにするからさ! 現時点でのUVERworldの最高のライヴだと思っていいから! 半端ないモノ見せてあげるから! ライヴじゃないと感じられない、バンドってもんを見せてやるから! UVERworldみたいに素敵なモノ見つけちゃったからここに来ちゃったんでしょ? 俺がここで見たかったライヴを、今日ここでやるからさ。残念ながら俺は、この目でUVERworldを見れないけど、UVERworldにしか出来ない曲、やるからさ」(TAKUYA∞)
昨年の女祭りであった12月25日のこの場所でのライヴは、結成当初、UVERworldというバンドをいち早く見つけて火を付けてくれた“女の子”に向けて届けられた熱いメッセージが込められたモノだったが、今年は、集まったオーディエンス全員に、そして、会場に入りきれず、武道館の外で会場内から零れる音に耳をすますファンたちに向けられた、いつも以上に熱いモノだった。
TAKUYA∞、彰、克哉、信人、誠果が横一列に並んで届けられた「KINJITO」は圧巻。ここまでの道のり、そして、彼らがずっと心の中に抱えて来た赤裸裸な葛藤が詰め込まれた「誰が言った」は、誠果のプライドとも感じ取れる、力強いサックス音が響きわたる中で叫ばれた。そして。この曲のラストに施されたの3拍子のリズムで、TAKUYA∞と信人は向かい合い、手を取り合ってワルツを躍って見せたのだ。こんな彼らを見たのは初めてのことだっただけに、少々驚いた。が、しかし、その振り切ったパフォーマンスに、私は揺ぎない彼らのプライドを見た気がしたのだ。自信がなければできない遊び。まさに。彼らはしっかりと自分達の個性とプライドを、その手にしたのである。ワルツは、その証拠だ。そう思った。
「浮世CROSSING」では、めずらしくTAKUYA∞が歌詞を間違えるというハプニングがあった。弘法にも筆の誤りとはこのこと。TAKUYA∞は素直にオーディエンスに詫び、頭からこの曲を仕切り直したのだったが、どこまでも真っ直ぐなTAKUYA∞らしい行動だ。何ごとにも真正面からぶつかり、どんなことにも目を背けることなく、うやむやにすることなく向き合うTAKUYA∞。故に、そのまま突進むことは憚られたのであろう。しかし。即座に気付いたメンバーもすごい。1曲1曲歌詞を口ずさみながら演奏している彼らだからこそ、それぞれがしっかりとTAKUYA∞のメッセージを胸に刻みながら音を紡いでいるからこそ、その曲が始まってすぐに、TAKUYA∞の間違いに気付けたのだろう。アクシデントの中にも、彼らの強い絆を見ることができた。
最高の演出であったインストの「Massive」でさらに会場を熱し、本編の終盤に置かれていた「CORE PRIDE」「ナノ・セカンド」へと曲を繋げた。「CORE PRIDE」が届けられる前、TAKUYA∞が叫んだ“誠果! 見せてやれよ! オマエのプライドを! これが俺たちの完成されたプライドだ!”という一言が、しばらく頭から離れなかった。
誠果が正式メンバーとなった6人のUVERworldでの初の武道館だったこの日。彼らはしっかりとそこに新たな足跡を残した。
きっとまた、今年のクリスマスも、彼らは私たちをここに招待してくれるに違いない。
【取材・文:武市尚子】
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リリース情報
Φ CHOIR(初回生産限定盤) [CD+DVD]
2014年07月02日
SMR
1.零 HERE ~SE~
2.IMPACT
3.誰が言った
4.ナノ・セカンド(album ver.)
5.Fight For Liberty(album ver.)
6.ENOUGH-1
7.KICK が自由
8.a LOVELY TONE(album ver.)
9.7日目の決意
10.別世界
11.Born Slippy
12.Wizard CLUB
13.在るべき形
14.Φ choir
ディスク2
core ability 3
John & Bob spot 18 Pattern
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セットリスト
Ø CHOIR TOUR 2014-2015
2014.12.25@日本武道館
- 7th Trigger
- Wizard CLUB
- REVERSI
- ENOUGH-1
- 在るべき形
- UNKNOWN ORCHESTRA
- KINJITO
- 誰が言った
- KICKが自由
- 君の好きなうた
- 浮世CROSSING
- LIMITLESS
- 7日目の決意
- Massive
- Don’t Think.Feel
- 零 HERE~SE~
- IMPACT
- CORE PRIDE
- ナノ・セカンド
- Ø choir