Nothing’s Carved In Stone、クアトロマンスリー、最終日をレポ
Nothing’s Carved In Stone | 2015.05.28
3月から渋谷クアトロで3ヶ月連続のマンスリーライブを展開してきたNothing’s Carved In Stone。ちなみに、第1回目は3月10日、“1×4=衝動”と称して1stアルバム『PARALLEL LIVES』と4th アルバム『Silver Sun』の曲を全曲網羅、2回目の4月8日は“2×5=感触”として、2nd アルバム『Sands of Time』と5thアルバム『REVOLT』から全曲、そして最終回の3回目、5月14日には“3×6=構築”というタイトルで、3rdアルバム『echo』と6thアルバム『Strangers In Heaven』の楽曲をすべて披露。ある意味、メンバーも観客も、徹底的にバンドの足跡と向き合ったライブだったように思う。最終日となった5月14日は、プレイされるアルバムの楽曲だけでなく、その先の“何か”を感じたくなって足を運んでみた。
言うまでもなく、チケットはソールドアウト。パンパンに膨れあがった会場のスペースをもとめ、グイグイ人が入り込んでくる。ほどなく場内が暗転し、「Material Echo」のSEにのってメンバーが登場。ベースの日向秀和が右手を突き上げ、オーディエンスの声援に応える。そして、一瞬のブレイクから生形真一のギターイントロで「Truth」へ。一朝一夕には出せないグルーヴ感が展開し、ビートが観客を飲み込んでいく。日向の個性的なベースフレーズに大喜多崇規のドラムがからみ、生形のギターが彩りを添える。このアンサンブルをまとめるには、村松拓の艶やかなボーカルはマストだと思う。
セットリストは、かねてからの告知通り、『echo』と『Strangers In Heaven』の収録曲が混ざり合った構成。制作された時期も違えば、各アルバムで制作テーマも異なるはずだが、不思議なまでの調和感の中、ライブが進んでいく。村松は「全部吐きだして帰ってください!」と、ファンに挨拶。どんなコンセプトのライブであれ、ここがバンドとオーディエンスが熱い感情を交換する場であるという思いが伝わってきた。「Falling Pieces」や「Crying Skull」など、個性的な楽曲でフロアを盛り上げたあとは、『echo』からの「Goodnight & Goodluck」と『Strangers In Heaven』収録の「雪渓にて」を続けてプレイ。さりげなく聴かせる楽曲を並べて、メリハリをつける。
後半は、「キマイラの夜」から「7th Floor」、そして「ツバメクリムゾン」と、『Strangers In Heaven』からのナンバーが続く。最近のライブでも耳にすることが多い楽曲ゆえに、観客の反応も熱い。
「一緒に跳ばないかい?」
村松のこんな煽りで「Idols」では、全員でジャンプ! 高揚感を保ったまま、本編は終盤へと向かった。
「最高! ありがとう渋谷!」
熱狂するオーディエンスに向け、村松が感謝の気持ちを告げる。その言葉に続いてラストの「To Where My Shoe Points」がプレイされた。彼ららしいメロディアスなフレーズを活かしたサウンドが心地よい。テクニカルなバンド・アンサンブルの中に“歌えるメロディー”があるのは、彼らの最大の武器ではないだろうか。
アンコールで披露されたのは、この日演奏予定の残り2曲。SEと手拍子がまざり合い、観がかかげた拳に迎えられ、まずは「Chain reaction」で場内は再び熱くなる。大ラスの1曲を残し、ステージ上ではなごやかなメンバー同士のやりとりが展開。これが緊張感のある空気をやわらげた。最近、スリムになった日向の体調を心配するファンの声にこたえ、「ひなっち(=日向)、別に病気じゃないから(笑)」と村松。3ヶ月をシメるラストの「False Alarm」ではここ一番の気合を注入、アッパーなサウンドで、ハードに彼ららしくフロアをかきまわしてくれた。3ヶ月にわかった自らを見つめ直しながら、ファンとともに次なる道を模索してきた彼ら。フロアから見る側として感じたのは、Nothing’sは、この先もうねるサウンドと心に訴えかける歌でカッコいいロックをならしてくれるだろうということ。8月19日には、この3ヶ月連続公演の演奏曲の中から、ファンのリクエスト投票によって上位曲を収録したライブアルバムがリリースされるそうだ。改めてライブのカッコよさを確認する貴重な音源になるに違いない。そして、その先の展開にも大いに期待したいと思う。
【取材・文:海江敦士】
【撮影:RUI HASHIMOTO(SOUND SHOOTER)】
関連記事
-
Nothing’s Carved In Stone
-
Nothing’s Carved In Stone
-
Nothing’s Carved In Stone
-
Nothing’s Carved In Stone
Nothing’s Carved In Stoneがセルフカバーアルバム『Futures』リリースにあわせて配信した「Studio Live “Futures”」徹底レポート!
-
Nothing’s Carved In Stone
Nothing’s Carved In Stone、恒例のワンマンライブ”Live on November 15th”の開催が決定
-
Nothing’s Carved In Stone
-
Nothing’s Carved In Stone
-
Nothing’s Carved In Stone
ナッシングス初の有料生配信ライブ「Studio Live“Navigator”」。レコーディングスタジオにてハイクオリティな音質で届けられた熱演の模様をレポート!
-
Nothing’s Carved In Stone
-
Nothing’s Carved In Stone
Nothing’s Carved In Stone、新曲「Dream in the Dark」の配信シングルリリース決定&MVプレミア公開。配信ライブも開催決定。
リリース情報
セットリスト
Monthly Live at QUATTRO Vol.3
「3×6=構築」
2015.5.14@SHIBUYA CLUB QUATTRO
SE Material Echo
- Truth
- Spiralbreak
- What’s My Satisfaction
- Brotherhood
- Falling Pieces
- Crying Skull
- (as if it’s)A Warning
- Goodnight & Goodluck
- 雪渓にて
- 9 Beat
- Midnight Train
- Everlasting Youth
- Seasons of Me
- My Ground
- キマイラの夜
- 7th Floor
- ツバメクリムゾン
- TRANS.A.M
- Idols
- Intro
- Shimmer Song
- To Where My Shoe Points
- Chain reaction
- False Alarm
お知らせ
ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2015
2015/08/08(土)国営ひたち海浜公園
RISING SUN ROCK FESTIVAL 2015 in EZO
2015/08/15(土)北海道 石狩湾新港樽川ふ頭横野外特設ステージ
MONSTER baSH 2015
2015/08/22(土)香川県 国営讃岐まんのう公園
※その他のライブ情報、詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。