Acid Black Cherry、国内動員最多のフリーライブで灼熱のパフォーマンス!
Acid Black Cherry | 2015.08.05
今年、デビュー丸8年を迎えたAcid Black Cherryが、4年に一度、ファンへの感謝の気持ちを還元する企画“ABC Dream CUP 2015 ”から、名古屋、幕張、そして大阪の計3ヶ所でフリーライブを開催。来場者トータル10万人(当初予定していた8万人を大きく上回る結果で、フリーライブとしては国内最多動員を記録!)を集めて、灼熱のパフォーマンスを行った。関東圏では7月25日に幕張海浜公園内特設会場で行われ、約4万人ものオーディエンスがかけつけた。言うまでもなく、この日も激アツの猛暑。開演は16時で、まだまだ太陽が照りつける時間帯。果たして、そこにどんな光景が広がるのか――さっそく現地に足を運んでみた。幕張は、幕張メッセや千葉マリンスタジアムで開催されるフェスやライブでおなじみの土地だが、会場の幕張海浜公園内特設会場は、さらにその先で、ほどなくビーチが広がるというロケーション。駅からの距離はあるが、会場内、ホスピタリティエリアには屋台やグッズ売り場などが並ぶエリアがあり、まさにフェスのような趣だ。ライブは、ほぼオンタイムでスタートし、1曲目の「黒い太陽」からハードなサウンドで攻めたてる。会場は後方に伸びた感じで、まさにウナギの寝床のような作り。ゆえに、後方のエリアを考慮してか、かなり長い花道が作られている。その花道をyasuも頻繁に移動。早い時間から汗びっしょりになっていた。
「幕張の皆さん、お元気ですか! 一番後ろ! 熱くない? 大丈夫? 真ん中! 前、大丈夫?」と、炎天下の中、集結した観客に声をかける。当然、ステージ上の暑さもかなりのものだったようだが、彼は「ステージが西日ですごいんですよ。僕、今テリヤキなんです(笑)。おいしく仕上がろうとしてます(笑)」と、暑さをネタに笑い飛ばしてみせた。
このMCのあとも、「I’m not a ghost」「versus G」など、体力勝負のアグレッシヴなナンバーが容赦なくプレイされる。5曲目の「sins」が終わったところで、再びMCタイム。
「あつ……(苦笑)」と、yasuも言葉を失うほどの火照り具合だ。この後、バンドメンバーそれぞれにとっての初野外ライブ観戦の思い出などを語りながら、空気をなごませる。そんな流れから、次のブロックではミディアムテンポの楽曲を披露してクールダウン。「眠り姫」、「イエス」など、美しいラブソングで大観衆を魅了。「7 colors」では、キャッチーなポップナンバーを聴かせたりと、激しい楽曲の並ぶ中、この時間だけは、しっとりとしたムードで包みこんだ。さて、そろそろライブは後半戦へ。yasuは「みんな、まだちょっとキレイなんじゃないの? 幕張! 後半戦、ぶっとばしていくよ!」と宣言。「CRISIS」から、再びハードなノリで畳みかける。しかも――曲の途中でyasuはステージの下手からフロート車に乗り込み、スタンディングエリアの後方近くまで通路を進んできた。これには後方の観客が大喜び。少しでも近くへ……という彼の心意気が伝わってくる。ラスト2曲の「ピストル」や「SPELL MAGIC」では、何万という群衆からラストスパートのヘドバンを引き起こして、本編は終了した。yasuもバンドメンバーも、さらには観客も相当の消耗度だったはずだが、せっかくのお祭りである。まだまだライブは終わらず、引き続きアンコールへ。
アンコールは花道の先端のミニステージから始まるという、イレギュラーな演出。真ん中付近の観客からは、かなり近く感じられる距離感だ。アコースティック・バージョンで「so…Good night.」、そして集まったオーディエンスの合唱にyasuがハモリを乗せて聴かせる「その日が来るまで」が響き渡り、心地よい一体感を作り上げていく。さすがに日差しも夕暮れらしくなってきて、優しい唄と見事にマッチしていた。2曲を唄い終え、メインステージへと戻ると、淳士(ドラム)のシンバルが熱で曲がっているのを発見。
「わ、熱でシンバル曲がってる!」
この言葉に場内からも、どよめきが起こる。いかに過酷な状況でのライブだったのか、改めて暑さと熱さのコラボのすさまじさを実感した。だが、そんなことでしっとり終わるのはAcid Black Cherryらしくない……ということで、「DARGON CARNIVAL」のあとに用意されていたラストナンバーは「エストエム」。観客は全力のヘドバンで応戦し、灼熱のライブは幕を閉じた。最後まで全方向のオーディエンスを気づかい、「ちゃんと見えてたよありがとう!」と、感謝の思いを届けてくれたyasu。暑さとの戦いとなったライブだが、yasuの表情にも観客の表情にも、達成感が漂っていたように思う。確かに過酷なライブ環境ではあったが、ファンへの感謝を込めた無料のライブは、猛暑の夏を乗り切った勲章のようなもの、参加者にもyasuにも、素晴らしい思い出になったに違いない。
【取材・文:海江敦士】
【撮影:今元秀明】
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リリース情報
お知らせ
a-nation stadium fes.
2015/08/23(日)大阪 ヤンマースタジアム長居
2015/08/30(日)東京 味の素スタジアム
※その他のライブ情報、詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。