前へ

次へ

Acid Black Cherry、5周年のアニバーサリーイヤーを締めくくるツアーの東京公演を激アツレポート

Acid Black Cherry | 2012.12.31

 2012年に5周年を迎えたAcid Black Cherryが、そのアニバーサリーイヤーを締めくくるツアー『Acid Black Cherry 5th Annversary LIVE “Erect”』を開催。全国5ヶ所6公演で多くのファンを熱狂させ、ツアータイトルの“Erect”(やんわり言うと“勃つ(たつ)”という意味)にふさわしい激アツのライブを見せてくれた。改めて、yasuの持つボーカルパワー、セクシーなパフォーマンス、さらにはソングライティングの卓越した才能を見せつけるものになったと思う。
東京では12月11と13日の2日間、国立代々木競技場第1体育館で行われたのたが、もちろんパンパンの満杯。ここでは2日目の模様をレポートしよう。

 会場に入って驚くのは、アリーナ中央に設置された円形ステージ。アリーナ席はステージから遠いエリアを高くするなど、観客への配慮も嬉しい。センターステージは過去、日本武道館などでも行われており、どうやらAcid Black Cherryとしては、全方向から見られるプレイがお好みのようだ。

 開演時間になると、円形ステージを覆ったスクリーンに、Acid Black Cherryのヒストリー映像が映し出される。移動中や主要なライブの懐かしい映像に、この5年の記憶が観衆の脳裏にも浮かび上がったに違いない。映像が進むにつれ、観客の熱もジワジワ上がっていく。そして――オープニングナンバーの「Maria」でライブがスタートした。照明が照らすステージ中央にはyasuの姿。この曲、出だしが美しいバラード調のため、場内は一瞬にしてステージに釘付けになる。曲半ばでyasuの「暴れる準備はできてるか!」という一喝とともに、アッパーサウンドに変化。ライブは俄然、ハジケていった。2曲目の「cord name【JUSTICE】」では、早くも観客のヘッドバンギングを導き出し、ライブはワイルドに展開。Acid Black Cherryらしい光景が広がった。ただ、その後のMCでは「代々木の皆さん、お元気ですか? 代々木2日目です。多い日でも安心です(笑)」と、yasuらしいネタを取り入れて、なごませる。3曲目の「楽園」からはヘヴィーな曲を連発。「1954 LOVE/HATE」や「doomsday clock」では、会場全体に文字を映し出すような照明やレーザーなど、広い空間を活かした演出も見事にハマッていた。
 そして、中盤にはバラードナンバーを用意してオーディエンスを酔わせる。「愛してない」「イエス」など、美しいメロディーを持った曲達はやはり圧巻だ。また、「チェリーチェリー」のようなポップチューンでは、yasuもバンドメンバーも小悪魔なカチューシャを着用してキュートな空気を演出してくれた。こうしてライブは後半戦へ進み、「Murder Licence」「ピストル」「SPELL MAGIC」など、攻撃的な楽曲が次々に飛び出し、オーディエンスもヘドバンで応戦。広い会場は会場はうねりまくった。

 アンコールでは、Acid Black Cherryならではの遊び心も飛び出す。シングルのカップリングでも、よくカバー曲をセレクトしているが、アンコール1発目に飛び出したのは、なんとSIAM SHADEの大ヒットナンバー「1/3の純情な感情」だった。ドラムを担当する淳士は解散したSIAM SHADEのメンバーでもあるだけに、場内は沸きに沸く。その後、観客もハンドクラップで参加できる「so...Good night」や、ジャズアレンジが秀逸な「Black Cherry」など、幅広い音楽性を組み込んだ楽曲で、音楽性の幅広さをあますところなくアピール。バラード、アグレッシヴなハードロックチューン以外にも、ポップサウンドやジャズ、アコースティックアレンジにも長けたセンスは、Acid Black Cherryの武器なのだと実感させられる。そして、その武器である楽曲達のクオリティの高さは、ライブにおいて存分に発揮されるのだ。MCでyasuも語っていたように「(売れた)枚数よりも聴かれた回数だと思っている」という作品に対するこだわりがあればこそ、パフォーマンスの輝きも増すのではないだろうか。こうして迎えた2度目のアンコールでは、まず壮大なバラード「Prologue End」で、再び観客を包み込む。そして、シメに持ってきたのは「シャングリラ」。聴いているだけでもハッピーで楽しくなるキャッチーなサウンドに、場内の一体感も絶頂に。外の寒さとは裏腹に、熱く燃え尽きたバンドとオーディエンス。振り幅のある楽曲達と、エンタメ精神にあるれるステージさばき、そして何よりライブを通して鍛え上げられたyasuのカリスマ性は、リピーターを増やす魅力にあふれている。2012年は精力的なライブ活動を行ってくれたAcid Black Cherryだが、できれば2013年も暴れて欲しいものだ。yasuがアルバム『2012』のテーマの軸のひとつにした2012年12月21日(マヤ歴でこの日、人類が終わるという説があった)も無事に乗り越えられたのだから。

【取材・文:海江敦士】

tag一覧 ライブ Acid Black Cherry 男性ボーカル

関連記事

リリース情報

『2012』【初回限定盤A】

『2012』【初回限定盤A】

2012年03月21日

motorod

01. ~until~
02. Fallin’ Angel
03. in the Mirror
04. ピストル
05. 少女の祈りIII ~『2012』ver.~
06. Re:birth
07. 指輪物語
08. CRISIS
09. ~the day~
10. その日が来るまで
11. so…Good night.
12. doomsday clock
13. 蝶
14. イエス
15. シャングリラ
16. ~comes~

このアルバムを購入

セットリスト

5th Anniversary LIVE“Erect”
2012.12.13@国立代々木競技場第一体育館

  1. Maria
  2. cord name[JUSTICE]
  3. 楽園
  4. in the Mirror
  5. ジグソー
  6. 優しい嘘
  7. 1954 LOVE/HATE
  8. doomsday clock
  9. 愛してない
  10. イエス
  11. Bit Stupid
  12. チェリーチェリー
  13. Murder Licence
  14. 黒い太陽
  15. ピストル
  16. 少女の祈り?
  17. SPELL MAGIC
ENCORE
  1. 1/3の純情な感情
  2. so…Good night
  3. Black Cherry
ENCORE2
  1. Prologue End
  2. シャングリラ

お知らせ

■ライブ情報

Acid Black Cherry & BREAKERZ
5th Anniversary Live
“Acid BREAKERZ Cherry 69-sixnine-”

2013/01/09(水)日本武道館

※その他のライブ情報、詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。

トップに戻る