ハナレグミ、全国ツアーNHKホール公演「今日めでたくアルバムが完成しました!」
ハナレグミ | 2016.04.13
昨年(2015年)8月に発表された約4年ぶりとなるハナレグミのアルバム『What are you looking for』。リリースを受けて昨年秋に行われた弾き語りツアーに続いて、バンド編成によるホール・ツアーが開催された。
3月5日、NHKホール。「大事な土曜日をありがとう。思い切り楽しんでいってちょーだい!」と挨拶すると、バンド・アレンジでがらりと印象を変えたインスト曲「Overnight trip to Chaing Mai」でライブがスタート。まるで冒険映画のテーマ曲のように華やかに幕を開けると、ミドルテンポのゆったりしたグルーヴが最高に心地良い「レター」、スライ・ストーンあたりを彷彿させるファンキーなアンサンブルによる「大安」と、リズム&ブルース色をグッと強めたサウンドで会場を一気に盛り上げていく。
今回のツアーは菅沼雄太(ドラム)、真船勝博(ベース)、YOSSY(キーボード)、icchie(トランペット)、武嶋聡(サックス)という、アルバムのレコーディングにも参加したメンバーたちが参加。彼らも楽曲ごとにいろんな楽器に持ち替え、少数精鋭ぶりを発揮。中盤にはメンバー全員がステージ中央に集まって、アコースティック主体のスモール・コンボで「旅に出ると」「ぼくはぼくでいるのが」を演奏。メトロノームをリズム楽器として使ってみたりと、遊び心に富んだアレンジで聴かせていく。中でもアフリカ音楽の要素を前面に打ち出した「11DANDY」では、アコースティカルなサウンドからはじまり、曲に進むにつれシンセの音色やダブ的なサウンド効果が飛び交う雄大なグルーヴへと変化していく様が実にスリリング。たまらず踊りだすオーディエンスたちに向かって、永積 崇も思わず「春なんか待ってられねぇよ、一気に夏だぜ!」と叫んだ。
真夏のような盛り上がりの直後は、永積がステージ上に一人残り弾き語りコーナーへ。YO-KINGとの制作秘話も交えた「祝福」、ボブ・マーリィ「No Woman, No Cry」の一節を挟んで「光と影」をギター1本で歌いあげると、大観衆は息を飲むように聞き入った。
終盤に入り、YOSSYが弾くオルガンと夕焼けのようなオレンジ色の照明が印象的な「家族の風景」をしっとりと聴かせたかと思えば、「オアシス」では延々と続くような熱狂的なアフロ・グルーヴでこの日の最高潮へと誘っていく。さらに「明日天気になれ」で、ステージも客席も一体になってシンガロングし、本編は終了した。
アンコールでは、アルバム『What are you looking for』について「自分の場合はCDを作っただけではアルバムは完成しない。こうしてライブで演奏して、お客さんのみんなとセッションすることで初めてアルバムが形になると思ってる。今日めでたくアルバムが完成しました!」と想いを述べると、リード曲でもある野田洋次郎作詞・曲のナンバー「おあいこ」を披露。アルバム収録のバージョンとはまた一味違ったメランコリックなアレンジで、この日のクライマックスを見せつける。
全20曲、2時間半近くに及ぶ充実のステージで、アルバムの世界を描き切ったハナレグミ。ツアー全10本のステージで、それぞれの『What are you looking for』を完成させていった彼が、次にどこへ向かうのか? さらなる楽しみを抱かせるライブであった。
【取材・文:宮内 健】
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