KREVAの新しい音楽劇「最高はひとつじゃない 2016 SAKURA」
KREVA | 2016.02.26
今回で3回目の開催となる、KREVAの音楽劇「最高はひとつじゃない 2016 SAKURA」の制作発表会見が、2月26日に東京都内で行われた。
多数の報道陣や、カメラの前に姿を表したのは、KREVA、内博貴、増田有華、綿引さやか、AKLO、ブラザートム、Mummy-D(RHYMESTER)、小西真奈美の8名。KREVAと内博貴の2ショット撮影では“ラッパーっぽいポーズで”というリクエストに、内が「ハードル高いですね~」と、困った表情を見せる一幕も。そんな内をKREVAが自然にリードした。
「最高はひとつじゃない」は、全編がKREVAの楽曲で構成される音楽劇だ。音楽劇が、他の舞台やミュージカルと一線を画したエンターテインメントであることは、会見中のKREVAのこのひとことが象徴している。
「キャストの中にラッパーが3人いるっていうのは、とても誇らしいことだと思います。ラップはミュージックと台詞の中間。そう思って表現してるし、それが楽しめるものになると思います」
2011年に初演、2014年に再演された「最高はひとつじゃない」。この音楽劇の新作が、今回上演される「最高はひとつじゃない 2016 SAKURA」である。今作はKREVAと内博貴の2人を軸に“桜”を題材にした3つのストーリーが展開される。その中で「見守り続ける男」を演じるKREVAと「見守り続ける青年」を演じる内は、作品の中で“ウチクレバ“というユニットを結成。 今作でラップに初挑戦するという内は、「初めてのラップをKREVAさんが採点してくれたんですけど、100点満点中3点。なんで3点かっていうと、声が良く出てるからって(笑)」とコメントし、会場を笑わせた。
既に稽古も始まっており、「本読みやった時、最初から(ブラザー)トムさんの自由さにやられました(笑)。でもそれでいいんだ、と。ムードも良かったし。緩めるところは緩めて、締めるところはしっかり締める。そうすれば絶対にいいものになると思ってます」とKREVAが言えば、続いてこれまでの音楽劇にすべて出演しているMummy-Dが「初日の本読みの後、珍しく全員で食事会に行ったんだけど、達成感があった」とひとこと。内も「本読みの段階からこんなに手応えを感じたことはあまりない」と感想を述べた。これからの立ち稽古が楽しみだと話題がうつる中、ブラザートムが「みなさん、新しい日本の芸能の……何かになる……ように、気にしたらどうですか?」と自由さを発揮し、出演者も含め、会見会場を爆笑させた。
今作のためにSAKURAという曲を書き下ろしたKREVA。劇中内で“ウチクレバ”で披露される。「桜が散ることをポジティヴに変えるような。ウチクレバだから2人でしっかり歌えるような歌にしました。いい歌です」と、自ら太鼓判を押した。この曲を聴きに行くだけでも、十分価値ある舞台と言えるだろう。
会見後、プロデューサーの野村氏に、こんな質問をぶつけてみた――なぜ“桜”を作品のテーマにしたのか。
国内で咲く桜には、いくつか種類がある。その80%~90%を占めるのが、ソメイヨシノだそうだ。ソメイヨシノは、花びらが小さくて白に近く、散る様の儚さも美しいと言われる桜である。また、桜は散った後、手入れをしないと次の年に花が綺麗に咲かないそうだ。散った後、愛(=手入れ)をかけ、花が咲き、散って、また次の新しい何かが始まり、生まれていく。そんなきっかけに気付いてくれたらいい、そんな想いを“桜”というテーマに込めたと言った。
この音楽劇は、ベースはフィクションだが、史実を元に “きっと桜を愛していただろう”と思われる歴史上の人物も登場する。現代や過去を行き来するオムニバス・ストーリーの中で、日本古来から親しまれてきた“桜”を、KREVAがどう咲かせ、散らせ、私たちにその“新しい美しさ”を観せてくれるのか。今年はKREVAの“桜”を楽しむのも、他の年には出来ない一興だろう。
長期予報で本年の桜の開花宣言が出された3月25日。偶然にもこの日、「最高はひとつじゃない 2016 SAKURA」は、初日の幕を上げる。
「最高はひとつじゃない 2016 SAKURA」
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