チケットキャンプ閉鎖に追い込んだ兵庫県警に音楽業界から感謝状贈呈
Fanplus Music NEWS | 2018.08.02
<写真:左→右>
一般社団法人コンサートプロモーターズ協会 会長 中西健夫
一般社団法人日本音楽事業者協会 専務理事 中井秀範
兵庫県警警察本部生活安全部サイバー犯罪対策課 課長 髙橋浩樹
一般社団法人日本音楽制作者連盟 常務理事 野村達矢
コンピュータ・チケッティング協議会 土岐雄二
一般社団法人日本音楽制作者連盟、一般社団法人日本音楽事業者協会、一般社団法人コンサートプロモーターズ協会、コンピュータ・チケッティング協議会の4団体は、同団体が取り組む「チケット高額転売問題」に対して、チケット販売者に対する「詐欺」という枠組みでの摘発に成功するとともに、状況の改善に大きく貢献した兵庫県警察本部生活安全部サイバー犯罪対策課、兵庫県葺合警察署、兵庫県尼崎東警察署、兵庫県神戸水上警察署に対して、感謝状を贈呈した。
これまで同4団体は、ライブ・エンタテインメントにおけるチケットの適正な流通を目指して、悪質な高額転売についての協議、対策を継続的に取り組んできた。
2016年8月には新聞全面広告による『私たちは、音楽の未来を奪うチケットの高額転売に反対します』というメッセージは社会的反響を呼び、広くさまざまな議論を生んだ。このような音楽業界からの強いメッセージで間題提起を図ると同時に、自民党ライブ・エンタテインメント議員連盟との勉強会を通じて、高額転売を規制する法律の制定に向けた動きも進んできた。
2017年6月には、サカナクションやback numberのチケットを詐欺行為にて入手したとして、高額転売の常習者が兵庫県警により摘発され、その後も同種の容疑よる摘発が相次いで行われた。一連の摘発は、迷惑行為防止条例違反で従来摘発できなかった“インターネット上での高額転売”について、その入手行為を“詐欺”と捉えることにより摘発するという画期的なものとなった。
その後、高額転売チケット流通の大部分を占めていたチケットキャンプが閉鎖され、高額転売の流通は、ある程度、下火になったかのように思われたが、今なお高騰が確実視される人気アーティストのチケットは、「チケット流通センター」や「チケットストリート」などのチケット転売サービスにおいて高額で転売されているという実態が存在している。
一方、転売規制法案についても協議が重ねられている。自民党、公明党、立憲民主党、国民民主党、において法案の成立が目指されており、本年秋に招集予定の臨時国会において法案成立となる見込みだ。
当該法案は、一定の要件を満たした「特定興行入場券」について、業として販売価格を超える価格で譲渡すること“そのもの”を禁止することを内容としており、この法案が成立すると、「特定興行入場券」については高額での転売が直接禁止されることになる。
主催者・プレイガイドも、人気アーティストのチケットは「特定興行入場券」に該当するような販売方法を取るべく準備を進めており、法案成立後は、兵庫県警を含めた警察当局とも連携し、悪質な高額転売をより効果的に抑制できるとして期待が高まっている。