レビュー
BENI | 2010.12.27
「えっ、もう次の作品がリリースぅ!? 早っ!!」 前作アルバム『Lovebox』のオリコン1位獲得からわずか半年という短いスパンで、早くも届けられた3rdアルバム『Jewel』に、私のみならず、多くの人が驚いたに違いない。
正直このBENIの、近似のシンガーには無いスパンのリリースペースの速さには、かなり驚いた。これを<生き急いでいるととるか?><アーティストの充実による溢れ出る創作意識と取るか?>。聴けば多くの方が迷わず後者を選択することだろう。普通、このようなスパンでリリースされる作品と言えば、<前作とは対になる作品>だったり、<前作の続編やPart2>的な多少の水増し感を感じる作品が多いのに対し、BENIの今作は、全く違う。驚くべき充実度に、キチンと前作からの進化も表わしている作品なのだ。まさに今作は、今の彼女の<止まっていられない><早くネクストドアを開けたい>との強い意志が発せさせた1枚と言える。
エレクトロの味付けもGOOD、上昇感と至福感溢れる「2FACE」、ピチカートのクラシカルさもアクセントな「トキヲトメテ」、ハーモニーワークも冴え、切ないBENIの歌声が聴く者の心を締めつける「大好きなのに」、天使でも舞い降りてきそうなサウンドと、どこかウェディングソングにも響く「Heavens Door」、リリース時期もだが、来春にまた聴きたくさせる、卒業ソングにぴったりな「See U Again」、バイレファンキなトラックも彼女にとっては斬新な「First Time」、彼女のクールさやタフさが前面に表れた「Heartbreaker」、四つ打ちのリズムも力強い「Smile」、ラストらしく神々しくパーッとした光に包まれていく「忘れないでね」等、全13曲を収録。
もうこうなったら、来年の夏には、もう1枚、今作を凌駕するアルバムをリリースしてくれ! 頼むゾ、BENI!!
【池田スカオ和宏】