Acid Black Cherryの2010年9月に開催されたライブツアー 『2010 Live"Re:birth"』の大阪城ホールでの公演を完全収録したライヴDVDがこちら。

同ツアーの横浜アリーナでのライヴを収めたものも同時発売されたが、僕が観たのは大阪城ホールの方。

作品中でもMCにて「大阪城ホールは特別だ」「ただいま、大阪」と語られているとおり、ボーカルyasuの出身地にて久しぶりに行われただけあり、熱狂度も格別。加え、2009年のクリスマスイブに行われる予定だったライヴのリベンジも含まれ、ステージも会場もより一層の盛り上がりを見せている。

言わずもがな、彼らの魅力は、そのそこはかとない歌謡性と、そこにダイナミズム感溢れるリズム隊とハードでメタリックな、時に抒情的で時に先鋭的な2人のギタリストによるギター、そして、幻想的に楽曲を包み、演出するシンセといった世界観。彼らのライヴ同様、この盤でもそれらが表情やバリエーション豊かに、計170分に渡り展開されている。

嵐の前のような不穏で幻想的なVJでの緊張感と、それを突き破るようにダイナミックにワイドに広がっていく「scar」からスタートした同映像は、スリリングで会場を惹き込む「I'm not a gohst」、ザックザック、ゴリゴリながらドライヴ感溢れる「SPELL MAGIC」、ステージよりせり上がるリフトアップされたステージ上でyasuが歌った「ジグソー」、かと思えば中間部には美しいバラードナンバー「眠り姫」「優しい嘘」も出現。会場をしっとり、うっとりと聴き浸らせ。夏にも関わらず、会場すっかりと冬の雰囲気へと浸らせた｢冬の幻」、歌謡性とロック性の融合という彼らの面目躍如な「黒い太陽」、HIROとAKIHIDEのツインリードも見どころな、このツアータイトルでもあったシングルナンバー「Re:birth」、ファンキーでダンサブル、会場に一体感とダンス、そしてパーティを呼び込んだ「チェリーチェリー」。そして、"これでもか!!"というぐらいの特殊効果の嵐の中歌われた、目も耳も奪われる「cord name【JUSTICE】」と本編で約2時間。

加えディスク2には、アンコール部を収録。会場の手拍子と共に作り出し、yasuの歌もよりネイキッドに会場中に染み渡った、しっとりとしたアコースティックアレンジが施されたナンバーたち。そして、ダブルアンコールでの、"再び会場を熱狂の渦に引き戻さん!!"とばかりに、スリリングでスイング感溢れる「Black Cherry」、光へと向かっていくような雄大で希望感溢れる「DRAGON CARNIVAL」まで。

yasuのお母さんも会場で見守る中(笑)、終始熱狂と白熱、そして彼らの世界観を堪能できる内容となっている。

【 文：池田スカオ和宏 】