レビュー

THE PREDATORS | 2011.01.28

「THE PREDATORSを演っている時は、ホントなんかオルタナのコピーバンドを演っているみたいな感じなんだよね。初期衝動というか。かなり気楽に演ってるよ」と以前、山中さわおは、このTHE PREDATORSについて、そう笑って答えてくれた。そして、「the pillowsと違って、歪みもアンプ直結だからね」とも。その楽しい感じがまさに全編に渡って伝わってくるライヴDVDだと思う。

彼らのステージはホント、シンプルだ。ZEPPの広いステージに、始まる前はポツンと各メンバーのアンプとドラムキット、モニターが簡素に置いてあるだけ。ドラムセットにしても極めてシンプル。全体的にいわゆる必要最小限というか。ホント、バンドを始めたばかりの連中が、そのまま大きなステージを務めている感じだ。とは言え、このキットや編成ながら、一旦プレイを始めると、プレイの天下逸品は言わずもがな、シンプルながらそこからの音の出し方も、オルタナやロックの範疇にありながらも、幅とバリエーションを楽しませてくれるそのサウンドも、それで十分。さすがはオールスターが集まったグループだと感心させられる。

このライヴDVDは、そんな彼らが2010年9月に、約2年ぶりに行った東名阪での『THIS WORLD TOUR』から、9/17のZEPP TOKYOの模様を収めたもの。新ドラマーにELLEGARDEN&Scars Boroughの高橋宏貴を迎え制作されたニューミニアルバム『THIS WORLD』を引っ提げてのツアーでもあった今回は、そのニューアルバム収録の全7曲の全てのプレイはもとより、ほぼ全曲ってぐらい彼ら馴染みのナンバーたちを全21曲に渡り収録している。

トップのインストナンバー「Last Hunting」から、3コードや2コードの歪んでザラついたリフに、ガリンガリンのベースピッキング、そして、タイトで豪気なドラムという、彼らならではのポップオルタナナンバーが立て続けに連射。しかも、新曲「Crazy Babar」もあり、加え、興奮と緊張感漂うサウンドとは裏腹に、バランスを取るかのようなユルいMCも完全収録している。

その上、今回はボーナス映像として、完全限定で行われた入場者数200人と言われる9月1日の高円寺HIGHでの公開リハーサルと称された(笑)、希少ライブも本人たちのワイプ解説にて収録。

ライヴハウスならではの緊張感と不穏さと、臨場感たっぷりなライヴ映像はもとより、副音声でのメンバー3人による同映像を見ながら次から次へと現れる過去話や、裏話、今だから語れる話を爆笑、苦笑を交えて収録している。裏も表も、これ1枚で楽しめるのが嬉しい。

【 文:池田スカオ和宏 】

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リリース情報

THIS WORLD TOUR

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THIS WORLD TOUR

発売日: 2011年01月26日

価格: ¥ 4,000(本体)+税

レーベル: avex trax

収録曲

1. Last Hunting
2. Desperate Donor
3. BRAIN CALLY
4. THIS WORLD
5. TRIP ROCK
6. SHOOT THE MOON
7. ROCK'N'ROLL LAY DOWN
8 GUN LOCK
9. THE REQUIEM(without the titles)
10.GOOD BYE GOBLIN
11.Crazy Babar
12.Dizzy Life
13.Sleepy Dragon
14.LIVE DRIVE
15.爆音ドロップ
16.WILD TIGER
17.Tyrant
18. Lizard man

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