レビュー
m-flo | 2011.04.21
m-floのトリビュートアルバムは、他者からの観点による料理の仕方はもちろんだが、その他の楽しみ方として、この盤から数年後にどれだけのアーティストやシンガーが第一線で活躍するかにもあったりする。
今や現役バリバリ、第一線で活躍しているシンガーやアーティストたちが集結していた、2009年秋発表のトリビュート第一弾に続き、第二弾となる今作も、これからや今後が期待されるアーティストやシンガーたちばかり。
そう、今は耳馴染みのない名前かもしれないが、この1~2年できっと頭角を表わし、第一線で活躍しているアーティストがこの盤から幾つも現れることだろう。では、どんなアーティストたちがm-floのどの曲をどんな風にカバーしているかを、ざっと紹介しよう。
m-floの記念すべきデビュー曲をよりテンポを落し、メローさとシルキーさを際立たせたAILIによる「been so long」。パーティーさをさらにデフォルメし、より賑やかにカバーしたCREAMによる「REEEWIND!」。原曲の春っぽさをさらに強調し、エレクトロ&ハウスアレンジにてカバーしたカマゲンDJ感を更に増させたMAAの「come again」。よりウタモノ性を高め、パワフルでソウルフルな歌声が聴く者を引き込むleccaの「SOUND BOY THRILLER」。原曲よりもドリーミー度を強め、心地良さや途中のテンポアップもスピード感と同時に高揚感も味合わせてくれるICONIQの「Hands」。
フォーキーでナチュラル、よりウォーミー性が増し、ストリングスが聴く者の琴線を震わせるmoumoonの「Come Back To Me」。チョッパーの効いたファンキーなベースに、ファニーやキュートなボーカルがベストマッチしたAngelababyの「TRIPOD BABY」。弾んだラップを基調に、女性ボーカルもベストマッチ。本家と同じ形態ながら違ったバウンス性を会場に生みそうなIMALUの「How You Like Me Now? feat. WISE」。よりしっとり性もアップ、感情移入たっぷりに歌われ、さらにサッド性も増した中村舞子の「let go」。ディスコでファンキー、原曲のパーティ性をより高めた、女性ボーカルのパートを男性が歌うことでの斬新さを与えたSHUNYAの「L.O.T.(Love Or Truth)」の全10曲を収録。
各人が各々のセンスや才覚で、自身の良さもm-floの違った素晴らしさも引き出され、再確認させられた、このトリビュート。はたして今回はどんなアーティストたちが、数年後の音楽シーンを台頭しているのだろう?今からそれがとても楽しみだ。
【 文:池田スカオ和宏 】
リリース情報
m-flo TRIBUTE ~stitch the future and past~
発売日: 2011年04月20日
価格: ¥ 2,000(本体)+税
レーベル: rhythm zone
収録曲
1. been so long ~m-flo TRIBUTE~/AILI
2. REEEWIND! ~m-flo TRIBUTE~/CREAM
3. come again ~m-flo TRIBUTE~/MAA
4. SOUND BOY THRILLER ~m-flo TRIBUTE~/lecca
5. Hands ~m-flo TRIBUTE~/ICONIQ
6. Come Back To Me ~m-flo TRIBUTE~/moumoon
7. TRIPOD BABY ~m-flo TRIBUTE~/Angelababy
8. How You Like Me Now? feat. WISE ~m-flo TRIBUTE~/IMALU
9. let go ~m-flo TRIBUTE~/中村舞子
10. L.O.T.(Love Or Truth) ~m-flo TRIBUTE~/SHUNYA