レビュー

小田和正 | 2011.05.01

小田和正にとって約6年ぶりとなるオリジナルアルバムがリリースされた。全10曲の中で、TBS系ドラマ「獣医ドリトル」の主題歌「グッバイ」、フジテレビ系「めざましテレビ」のテーマ曲「今日も どこかで」を含む7曲がタイアップ付きという、耳なじみのある楽曲が多く収録されている。

昨年の秋。小田和正が出演した湘南国際村で行われた野外イベントは、青い空と豊かな森林が広がる自然のあふれる場所だった。小田和正の演奏が始まると、辺りは静寂に包まれ、人間だけでなく鳥も虫も空も雲でさえも、彼の歌声に耳を傾けていたような錯覚をおぼえたことに感動した。

今さら驚くこともないのだろうけれど、還暦を過ぎて未だ健在なハイトーンヴォイスを耳にするとブルッと鳥肌が立つ。とても心地よくて肌になじむ、すぐそばに存在していることが当たり前のようなナチュラルな歌声とサウンドを維持することは、並みの人ができることではないんじゃないかな、と。

本作は、頭からソフトに切ないメロディと歌詞を奏でるM-1「君のこと」をはじめ、全体的にゆるやかな川の流れのような楽曲を収録。うれしいことに、小田和正がメインアーティストとして2001年からTBS系で放送されている「クリスマスの約束」で演奏されたM-12「東京の空」も、初の音源化として収録されている。

アルバムタイトルは、2008年に行なわれた小田和正のツアーで、「どーも」と観客にあいさつをしていたことからつけられたのだと言う。小田さん、とってもステキな作品を”どーも”ありがとう。

【 文:橋本恵理子(EMTG MUSIC) 】

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