このMiss Mondayのニューシングル「一緒懸命」は、シングルというより、もはやE.P.と呼んだ方が良い趣きとなっている。
　どれもタイトル曲に遜色ないほどの、さまざまな物語を擁した楽曲が揃った今作。曲のどれかに寄りかかることなく、4曲4種、タイプもさまざまにして、サウンドのタイプもそれぞれ。そこに各々のひたむきさが時に優しく、時に切なく、時に目的/目標にガ―ッと突き進むように、時にバウンシーでファンキーに乗っているのだ。

　タイトルこそ「一緒懸命」とつけられてはいるが、僕はこのシングルを勝手に「ひたむきE.P.」と捉えている。さまざまなシチュエーションと物語、光景やそこにかぶる自分の思いを広げながらも、彼女の各曲にかける真摯さや感情移入、歌表現は、どれもまさにひたむき。各曲に現れる主人公の思いや一途さ、込められた一所懸命が4タイプに渡り滲み出ている。

　そんな各曲に根づいたひたむきさはざっとこんな感じだ。
　まずはタイトル曲の「一緒懸命」。これは、もちろん4文字熟語の「一所懸命」にかけたもの。ゆったりとしたサウンドの上、女性側の視点で、優しく柔らかく、まるで場面場面を思い返しているかのように、出会いから、いつの間にか相手に惹かれていく心の流れと、"一緒に行こう"と誓った日から変わらない相手への愛おしさが聴く者に広がっていくナンバーだ。ウェディングソングとして、この季節にぴったりと感じるのは、けっして僕だけではないだろう。

　そして、M-2.には、SEAMOの大ヒット曲にして、彼も大切にしているという「マタアイマショウ」のアンサーソング、「マタアイマショウin respect for SEAMO」を本人フィーチャーで収録。こちらは、タイトルとは打って変わり、出会いから、惹かれ合っていくお互い、そして、別れまでをソフトフォーカス越しの映像のように描かれ、ラストの別れの場面と共に、＜良い恋をした＞感を聴く者に広げていく。

　M-3.には、「POCARI×長友佑都」公認応援歌「Run The World」を収録。こちらは疾走感のある力強いロックサウンドの上、スパニッシュで情熱たっぷりなテイストがふりかけられた、誠に男らしいナンバー。まさに駆け出し、駆け抜けていくのにピッタリな、聴く者の勇気や夢を力強く応援、後押ししてくれるが如く。ここでは、ロックシンガー然とした歌い口のMiss Mondayと出会えるからお楽しみに。

　そして、M-4.は、クラブテイスト溢れる、バウンシ―でダンサブルな「あなたに出会えて feat. YU-A」のDJ HASEBEによるリミックスを収録。Miss MondayとYU-Aによるツインボーカルの絡みと、グル―ヴ感溢れるトラックとの交わりによる勢いがたまらない。
今回の4曲はバラード2曲にアッパーでダンサブルなナンバー2曲。それらが上記のE.P.の如く、しっとりサイド、バウンシーサイドと、アナログ盤でいうところのA面B面感をしっかりと感じさせてくれるところも興味深い。

　現在は、「全国47都道府県音楽に出来ることを探す旅」と題し、ギターと歌のみのシンプルなスタイルで思いや気持ちを伝える、自身初のアコースティックツアー真っただ中のMiss Monday。彼女のひたむきさは、今回の作品を通じ、より幅広い人に同感を与えるにちがいない。

【池田スカオ和宏】