毎年、海の日を含む3連休。静岡県掛川市のつま恋多目的広場で開催される「ap bank fes」。桜井和寿、小林武史等がバックを務めるBank Bandをホストに、各ゲストボーカリストを迎えて行われ、トリはMr.Childrenが飾ってきた野外フェスティバルだ。自然エネルギーで賄われ、環境問題をテーマにしたシンポジウムや、自然食品やエコロジー雑貨の売店も出店。老若男女幅広い人々が楽しめるフェスとして人気も高い。

今年も7/16~18に開催される同フェスに先駆け、昨年の模様を収めたDVDがリリースされる。
これまでと趣きを変え、Bank Bandをバックに入れ替わり立ち替わり、豪華なゲストが自身のヒット曲や代表曲を歌うA Stage と、 Band Actとしてバンドスタイルでのライブが行われたB Stage と、2ステージ制で展開された2010年の「ap bank fes」。加え、これまで全日トリを飾っていたMr.Childrenは毎日中盤に登場。代わって、Bank Bandが連日トリを務めたのも目新しかった。

DVD3枚組、5時間超の超大作ライブ＆ドキュメンタリーとなった今作は、毎年恒例のウェルカムソングであるBank Bandの「よく来たね」からスタート。間にはトークやシンポジウムの模様、会場の雰囲気を交えながら、初の生バンドをバックに歌ったFUNKY MONKEY BABYS、日中ながら会場を夜のムーディな雰囲気に惹き込んだ横山剣、まだ高い陽の中でのライブも映えるMr.Children。他にもエレファントカシマシやフラワーカンパニーズ等のベテラン・ライブバンドや、レミオロメンやMONGOL800といった人気グループ。かと思えば、独特のブリティッシュR&Bが広い会場中を魅了したTHE BAWDIES、優しく柔らかく至福を与えた世界の終わりやlego big morl等、現在ライブシーンで人気急上昇のバンドも次々に出演。他にも、バンド＋ターンテーブルで幅広い層を鼓舞したRHYMESTER。
そして、ハイライトは、やはりBank Bandだった。更にダイナミックになった、生命力や躍動感溢れる演奏の上、感情移入たっぷりな桜井の歌による、RADWIMPS、RCサクセション、仲井戸麗市のカバーの数々。最後は、「to U」に変わる、新しいエンディングテーマとも言える「奏逢 ~Bank Bandのテーマ~」も披露され、一体感と大団円が濃縮収録されている。

今年は「ap bank fes’11 Fund for Japan」とタイトルされ、イベントの収益をすべて東日本大震災への復興支援に充てられる同フェス。今年もつま恋では、音楽のこと、エコのこと、これからの未来のことが、人から人へ伝わり、語られていくのだろう。

【 文：池田スカオ和宏 】