佇まいやスタンス、多くのミュージシャンたちから愛され、尊敬され、慈しまれているその人物像...。自分には来る日に、CHABO(仲井戸麗市)みたいな60歳を迎えられないことは分かってる。だけど、やはりあんな60歳になりたい...。そんなことを終始痛切に思った。

　この盤は今年2月に発売された仲井戸麗市リスペクトアルバム『OK!!!C’’MON CHABO!!!』のライヴ版。豪華な収録アーティストたちが、3月5日のZEPP　TOKYOに一堂に集合。その各収録曲をライヴならではのオリジナリティを交え各々披露してくれた。

間間に入る竹中直人のMCも交えたこの日のライヴは、ソリッドでドライヴ感溢れるR&Rをかましたザ・クロマニヨンズ。古井戸時代の名曲をギター1本で聴かせた曽我部恵一。よりダイナミックにグル―ヴィーさでリスペクト具合を表わした斉藤和義、この日の幹事でもある寺岡呼人が、よりロマンティックさをデフォルメすれば、裏打ちなレゲエを基調にしていたLeyona、アコギ2本でよりシリアスにしっとりカバーしたさだまさよし(山崎まさよしと岡本定義)、原曲の悲痛さを残し且つそこにエレガントさを加えたTRICERATOPSが続く。また、彼らしいボーカリゼイションを炸裂させた吉井和哉、ギター1本で会場を聴き入らせた浜崎貴司、琉球アレンジにて会場を魅了した宮沢和史、アコギとピアノでしっとりキメたYO-KING、そして、ごきげんなロックンロールで会場を沸かせた奥田民生が各々ステージから会場、そして楽屋のCHABOに歌と祝辞の「おめでとう」を放った。

そして、CHABO自身も、ギター1本そうそうたる豪華ミュージシャンたちをバックに、ファンキーに、ムーンライトに、ギターの佐藤タイジとのツインギターバトルで会場を惹き込んだりと、圧巻さを持ってお返し。アンコールでは自身のソロ曲やRCの時代の曲もセッションにてプレイ。会場は終始、賑やかにパーティし、その祝福ムードを転がし続けた。

"CHABOは常にティーンネイジャーだなぁ..."そんなことに改めて気づいたこのDVD。どんな生き方をすれば、こんな60歳になれるのだろう? いや、誰もがなれるわけじゃないのは重々承知だ。だけど、だけど、やっぱりCHABOみたいな60歳を迎えてぇ?!!

【 文：池田スカオ和宏 】