レビュー

JUJU | 2011.11.30

 JUJUが愛するジャズ・スタンダードのカバー11曲を、1曲目と13曲目の日本語詞のオリジナル2曲ではさんだ構成。この時代にジャズを歌うとなれば、どこまで“今”を意識するかというスパイスの加減が命となる。その意味で言うと、ゴージャスなビッグバンド・サウンドあり、渋いジャズ・ギターをフィーチャーしたものありと、極めてオーソドックスなジャズのテイストを前面に出したアルバムと言えるだろう。一時、クラブ・シーンを席巻した“ジャズ・グルーヴ”テイストのアルバムを予想していただけに、これはちょっと意外だった。プロデューサー松尾潔の“ジャズ観”が反映されているのだろうが、もう少しヴィヴィッドなリズムを取り入れてもよかったかも。ただその分、ひとつひとつの声を丁寧にメロディに仕立てていくJUJUの緊張と歓びが伝わってくる。

中で彼女の声のコケティッシュな魅力が純粋に楽しめる「Candy」と、ダンサブルなグルーヴが得意な世代ならではの感覚を活かしたラテンビートの「Qizas,Qizas,Qizas」がいい。ラストの「みずいろの影」はジャズをうまくJ-POPに取り込んでいて、今後のJUJUの可能性を大きく広げていて聴き応えがある。

【 文:平山雄一 】

tag一覧 アルバム 女性ボーカル JUJU

リリース情報

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発売日: 2011年11月30日

価格: ¥ 3,800(本体)+税

レーベル: SMAR

収録曲

ディスク:1
1. Calling You
2. Ev’ry Time We Say Goodbye
3. Lush Life
4. みずいろの影
5. A Woman Needs Jazz
6. You’d Be So Nice To Come Home To
8. Candy
9. Cry Me A River
10. Girl Talk
11. Lullaby Of Birdland
12. Moody’s Mood For Love
13. Quizas,Quizas,Quizas
ディスク:2
1. A Woman Needs Jazz
2. You’d Be So Nice To Come Home To
3. Cry Me A River
4. Lullaby Of Birdland
5. Quizas,Quizas,Quizas
6. Calling You
7. みずいろの影

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