レビュー
井手綾香 | 2012.01.26
長澤まさみが泣きじゃくり、スッキリしたが故に次に向かえるドラマを30秒に収めたストーリーも印象的だったCM(「ハイチオールCプラス」)。そのバックで流れていた、鍵盤と共に伸びやかに歌われるその歌声が気になっていた方も多いのではないだろうか?
その歌こそ「雲の向こう」。歌うは現役女子高校生シンガーソングライター井手綾香だ。 “うたとピアノ”で、ありのままを綴っている彼女は、1993年7月19日生まれ。名米国人ジャズ・プレーヤーを祖父に、アメリカ人でプロダンサーだった母と、福岡でバンド活動をしていた日本人の父を持ち、野生馬の生息地として有名な宮崎県串間市都井で育ってきた。現在も宮崎に在住し、高校に通っている彼女。4歳からピアノを始め、中学の頃より作詞/作曲を開始。2011年にデビューし、現在までに2枚のミニアルバムを発表している。
そんな彼女の1stシングルがこちらの「きっと、ずっと」。ポルノグラフティやいきものがかり等のアレンジを手掛ける本間昭光によるストリングスも交じったダイナミックなサウンドの上、出会えた喜びや奇跡を大切にしつつ、これからの一緒に歩んで以降との決意が、しっかりとした歌声と透明感や伸びやかさ、それでいて力強さを有した歌声にて表現されている。そして、その歌内容は、どこか彼女と聴き手との今後の関係性さえ思わせるもの。
また、M-2「少しずつ」(パンテーン シンデレラプロジェクト WEBムービー主題歌)は、上昇感や解放感、爽快感溢れる、聴いていて前向きになれるナンバー。他、収録している全4曲は、どれも彼女の特性とも言える、伸びやかで開放的、それでいて確かな歌唱が満喫できる1枚。高校生だからこそ表現出来る、想いや気持ち、キラキラ感も端々から感じられるシングルと言える。
【 文:池田スカオ和宏 】