ソウル、ブルース、ロック……と、主に米国のルーツミュージックをベースにしたクオリティと、日本の音楽シーンのど真ん中を射抜くポップさ。この相反する要素を、同等のポテンシャルで響かせるのが、Superflyというアーティストだろう。その存在も、楽曲も実績も、もはや説明の必要もないほど、浸透している。

　そのSuperfly、3枚目のDVDが発売された。昨年末に行われたSuperfly初のアリーナツアーのファイナル公演の模様が収録されたLIVE DVDだ。デビュー5周年記念盤となる、このDVDの初回限定盤は、DVD＋CDシングル。このシングルが、新曲「さすらいの旅路」である。デビュー前からあったという本曲は、アーシーでウォームなミディアム・ロック。フォーク・ロック経由のフラワー・ロックを彷彿させる。切なさもあるブライト・チューンに、志帆のボーカルも、優しく包容力ある新しい表情を見せている。これがデビュー前の曲なんて、いったい、いくつの引き出しがあるのだろう。この“まだ開けていない引き出し”に、このアーティストの底力を痛感する１曲だ。そしてこの底力が、デビュー５周年を迎えビックアーティストに成長したSuperflyの、ネクストへ直結していくあたりは、アーティストとしての最大の魅力だろう。ほんと、深堀りしたくなるよな?。

【文：伊藤亜希】