レビュー
JUJU | 2012.08.01
今年4月にニューヨークで行なわれた、JUJUの“MTV Unplugged”の模様を収録したDVD & CD。同企画に日本人女性アーティストが登場するのは、彼女が初めてだという。ニューヨークの第一線で活躍するストリングス・セクションを含む、アコースティックなパンドをパックに、ヒット曲やカバー曲を、じっくりと歌い上げている。
世界最先端のエンターテインメント発信地であり、JUJUの第二の故郷ともいうべきニューヨークで、しかも歌手としての実力がストレートに出てしまうアンプラグドという、おそらくものすごくプレッシャーのかかる環境にもかかわらず、堂々と、そして楽しそうなパフォーマンスを展開している。
「明日がくるなら」「ナツノハナ」「奇跡を望むなら...」といったおなじみのナンバーは、よりシンプルなアレンジになり、歌の感動がそのまま伝わってくるし、平井堅の「瞳をとじて」、松任谷由実の「Hello, my friend」、山下達郎の「Paper Doll」といったカバー曲では、シンガーとしての表現力の豊かさが伝わってくる。ラストの、彼女のニューヨークに対する思いが込められたような「New York State Of Mind」(ビリー・ジョエルのカバー)もとてもソウルフルだ。まさにJUJUというシンガーの魅力が凝縮された、シンプルだが、とてもピュアで感動的なライブ・パフォーマンスだといえるだろう。
【文:熊谷美広】