レビュー

ゴスペラーズ | 2012.11.09

 ニューアルバムは、タイトル通り、メンバーそれぞれの実力が存分に発揮されたポップな作品だ。具体的に言えば5人が一曲ずつ“責任プロデュース”を行ない、ゴスペラーズの音楽性の幅を力強く押し広げている。

たとえば「2080」という曲は、酒井雄二が中心人物。80年代のJ-POPサウンドを、2010年代のセンスで取り入れて、これまでにない楽しさをゴスペラーズにもたらしている。だから21世紀の80年代=“2080”というわけだ。また黒沢薫・担当の「CLASH」は、黒沢がリスペクトするマイケル・ジャクソンの“歌詞の世界観”をフォローするカッコいいファンクロック・チューンだ。もちろんリーダー村上てつやの「Soul Song Juke」はシブいR&Bで、しみじみ聴ける。

ゴスペラーズは、5人でひとつのサウンドを目指すアルバムと、今回のようにそれぞれの特長を活かすアルバムの2タイプを、おおよそ交互に発表してきているが、その“スパイラル”がいよいよ堂に入ってきた感じ。5人がひとつのサウンドを作る=ハモりが高い水準で安定しているからこそ、『STEP FOR FIVE』のバリエーションが輝いている。

ライブが楽しみなアルバム『STEP FOR FIVE』を掲げたゴスペラーズ坂ツアー2012?2013 "FOR FIVE"が、間もなくスタートする。チャンスがあれば、ぜひ“5人の今のステップ”を観に行ってみよう。

【文 : 平山雄一】

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リリース情報

STEP FOR FIVE(初回盤)

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STEP FOR FIVE(初回盤)

発売日: 2012年11月07日

価格: ¥ 3,810(本体)+税

レーベル: KRE

収録曲

ディスク:1
1. STEP!
2. It’s Alright ~君といるだけで~
3. 2080
4. CLASH
5. 真夏の夜の夢
6. Love me! Love me!
7. astro note
8. Your Hero
9. Soul Song Juke
10. ギリギリSHOUT!!
11. BRIDGE
ディスク:2
1. マイケル鶴岡先生の「STEP!」振付講座
2. マイケル鶴岡先生の「ギリギリSHOUT!!」振付講座

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