レビュー
蜜 | 2012.11.09
木村ウニと橋詰遼の2人による、男女混声ユニット・蜜が、ファーストフルアルバム『eAt me!』をリリースした。
リードドラックの「アセロラ」は、“自分の時間やアイデンティティを大切にすることによって、相手を尊重する心も生まれてくる”というメッセージが込められたもの。声もトラックも透明感抜群で、優しさに満ちた1曲だ。そんな心地よい曲なのだが、現在公開中のミュージックビデオはコミカルな振り付けが印象的で(ちなみに木村はフラメンコ歴5年、橋詰は全くの素人とのこと)、振付解説ビデオもユニーク。是非一度ご覧いただきたい。アルバムには他にも、ブルージーな「DX」や、賑やかな掛け合いにワクワクさせられる「行かなきゃ」など、これまでリリースされてきたシングルとはガラっと雰囲気を変えたナンバーも収録。ときに優しく、ときに激しく重なる2人の声は、まさに“唄合戦”。2人の音楽性の高さ、幅広さが味わえる一枚になっている。
また、蜜は『eAt me』の発売同日に、カバーアルバム『蜜狩り』を配信限定でリリース。毎月3のつく日にYouTubeでアップしていた同タイトルのプログラムの集大成とも言えるこの作品は、井上陽水、L’Arc?en?Ciel、宇多田ヒカル、フジファブリック、MAXなど、かなり幅広いアーティストの楽曲達を蜜流にアレンジしている。こちらも『eAt me!』と合わせて、お召し上がりください。
【文:山口哲生】