レビュー
Mayday × flumpool | 2013.02.28
TOKYO FMをはじめとするJFN38局が、90年から毎年4月22日のアースデーに開催してきた地球環境の保護などの呼びかけを目的としたコンサート――2012年からは、そのライブの名称を「EARTH×HEART(アース・バイ・ハート)」に変え、今年はアジア圏へのメッセージの発信とともに、アジアの環境についても考えていこうという趣旨で4月17日に開催される。会場はNHKホール。そして、何よりも興味深いのは、台湾出身でアジア圏でも圧倒的な人気をほこるMaydayと、今年、積極的にアジアでの活動が予定されているflumpoolの競演。実はflumpoolは2011年、Maydayからのオファーを受け、台湾・高雄でのロックフェスに参加したり、台湾、香港、シンガポールで3月にリリースされるflumpoolのアルバムに、Maydayのボーカル・アシンが中国語の歌詞を書き下ろした「証明」(日本のタイトルは「証」)が収録されるなど、お互いに交流を深めているのだ(アルバムには他にもMaydayのヒット曲「OAOA」に山村隆太が日本語詞をつけたカバー・バージョンも収録されている)。
そんな彼らが2月17日、TOKYO FMにて特別番組の収録を行った(4月上旬、55分の特別番組としてTOKYO FMにて放送予定)。ここで、その模様をダイジェストでお伝えしよう。話題はまず、前日の2月16日に行われたMaydayのZepp Tokyoでのワンマンライブから(客席にはflunpoolのメンバーの姿も)。台湾や中国ではスタジアム規模の公演が多いMaydayにとって、ライブハウスでのステージは「お客さんとの距離が近くて熱を感じられたし、みんなの表情が見えて楽しかった!」(モンスター)とのこと。さらに、ライブ後には打ち上げでリラックスしながらお酒を酌み交わしたというメンバー達。今回の競演についてflumpoolの山村隆太は、「一昨年、台湾の台北アリーナでライブを見せていただいた時から、すごいな!と思ってました。まさか今、こうして横に並んで、こんな雰囲気でお話をするとは思いませんでした(笑)」と喜びを語り、「Maydayは、お客さんと一緒にライブを作っている。それってすごく難しいことだけど、Maydayはお客さんとの信頼関係もキッチリできているんだなって感じました」と絶賛。
Maydayからは「最初に台湾でライブをやった時、2分くらい中国語で挨拶をされていたので、ビックリしました」と、勉強熱心な部分を指摘されつつ、「曲の水準が高いし、台湾でのYouTubeの再生が70万以上あって、すでに台湾でも人気があるんだなという印象でした」と、やはり絶賛。
また、山村隆太はこのライブを通して、「ここ最近のニュースで、どこか心が痛いところもあるし、誤解が生まれているところもある。でも、まずMaydayの音楽、flumpoolの音楽を好きになってもらえたら、そこから国と国の関係が始まるはず。そこにすごく意味があると思います」と、音楽の純粋なパワーを訴えた。もちろん環境問題についても言及。
「環境問題は、僕らの次の世代につなげていかなければいけないこと。今、中国では大気汚染の問題が話題になってますけど、僕らはそれをアジア全体の問題として考えていかなければいけないと思うんです。だからこそ、音楽を通してつながっていける場は大事だって感じます」(flumpool)
「自分の体を守るのと同じように、環境問題も早くからケアをしていくべきだと思う。そして、子孫のためにも早くから取り組んでいくべき」(Mayday)
音楽という共通言語をもって、今こそアジア全体で理解を深めるタイミングでもある。環境についても思いをはせながら、4月17日の両バンドのパフォーマンスに期待したい。