レビュー
コブクロ | 2013.07.29
今年5月から約2年ぶりとなる全国ツアーを行ってきたコブクロ。7月20日と21日に初のドーム公演となる京セラドーム大阪でファイナルを迎えたこのツアーで、彼らは全19曲中7曲もの新曲を披露した。今回リリースされたダブルAサイド・シングル「One Song From Two Hearts/ダイヤモンド」も、その際に初披露された楽曲たちだ。
まず「One Song From Two Hearts」はライブの1曲目に歌われたもので、小渕と黒田、そしてコブクロとオーディエンスという2つの心から生まれた大切な1曲だと紹介された。活動休止中の思いを言葉ではなく歌にしたという本作には、孤独や淋しさの中にあっても、待っててくれる君の笑顔を信じて歌うよという前向きな思いが綴られている。一歩一歩踏み出していくようなアコースティックギターのカッティング、生命力に満ちたエンディングのオーケストラなど、アレンジの面でもあらたなスタートを感じさせてくれるような仕上がりだ。なおこの曲は、今年の冬にリリースが予定されているアルバムのタイトル曲になることも発表されている。
そしてもう1曲の「ダイヤモンド」は、現在「ABC夏の高校野球応援ソング/「熱闘甲子園」のテーマソングとしてもオンエア中のナンバー。ツアーでは本編のラストに歌われていた曲だ。これ以上でも以下でもない、ただただ心からの「頑張れ」をストレートに伝えるサビの歌詞が、2人のハーモニーではなく、ユニゾンで歌われていることでより力強さを感じさせてくれる1曲となっている。充実のツアーを経てリリースされた、通算23枚目のシングル。すでに完成に近付いているという4年ぶりのオリジナル・アルバムへの期待もグッと高めてくれる1枚だ。
【文:山田邦子】