レビュー
Galileo Galilei | 2013.10.09
Galileo Galileiは3rdアルバムにして、ついに爆発的な進化を遂げた。
稚内出身のオザキカズキ、尾崎雄貴兄弟を中心とするGalileo Galileiは、札幌の一軒家のスタジオに拠点を置いて2枚のフルアルバムを作ってきた。そして今回は共同プロデューサーにカリフォルニアのバンドPOP ETCのクリストファー・チュウを迎えて、曲作りとサウンドメイクに格段のジャンプアップを果たしたのだ。特にリズムセクションのニュアンス豊かな音は驚異的で、わずかに残っていたJ-ROCKの痕跡を完全にぬぐい去っている。
たとえば「処女と黄金の旅」では、シンプルなドラムとベースにしっかり支えられたギターとボーカルが、みずみずしい光を放つ。そうしたサウンドにリリックもマッチしていて、♪そのまま眠って 目を覚ませば 君は自由♪なんていう輝かしいフレーズが、するりと耳に滑り込んでくる。そうした洗練の向こうに、日本人独特の感情をうまく織り込んだ「サークルゲーム」は、今の20代ロックの中でも最上級の作品と言えるだろう。Galileo Galileiはこの『ALARMS』で、歌詞もサウンドも退屈なものが目立つJ-ROCK、J- POPシーンに、新鮮な風を送り込んでくれるに違いない。
【文:平山雄一】
リリース情報
Galileo Galilei『ALARMS』【初回限定盤】(CD+DVD)
発売日: 2013年10月09日
価格: ¥ 3,334(本体)+税
レーベル: SME Records
収録曲
[CD]
1. ALARMS ※Instrumental
2. ロンリーボーイ
3. パイロットガール
4. 処女と黄金の旅
5. Jonathan
6. 潮の扉
7. サークルゲーム
8. フラニーの沼で
9. 愛を
10. 死んだように
11. Oh, Oh!
12. コバルトブルー
13. Birthday
[DVD]
「サークルゲーム」のミュージックビデオ