レビュー
JUJU | 2014.03.05
2年前の夏にオリジナル・アルバム「YOU」をリリースした後、JUJUはシンガーとしてたくさんのトライを重ねてきた。JAZZアルバムを作り、初の武道館公演を成功させ、「MTV UNPLUGGED」で日本人女性としては初めてNYでパフォーマンスを行なった。日本フィルハーモニー交響楽団とのクラシックコンサートも素晴らしい内容で、あらためて、歌い手としての魅力と才能を輝かせた期間だったのではないかと思う。
そんな彼女が、いよいよニュー・アルバム「DOOR」をリリース。デビュー10周年を迎える今年、その幕開けを象徴するような晴れやかなアルバムだ。充実の時を経て完成したサウンドは、王道のバラードはもちろん、彼女のルーツでもあるHIP HOPやハウス、R&Bなどにもグッと踏み込み、CMでも圧倒的な存在感を放っている「Hot Stuff」では新機軸のダンスロックを披露している。会いたくても会えない人への想い、大人の恋、第二の故郷でもあるニューヨークの景色など、多彩な表情をのぞかせる物語の体温を伝えてくれるボーカルも圧巻だ。
単なる曲調の幅広さだけでなく、新しい扉を次々と開けて前に進んできたJUJUの心意気のようなものも強く感じる本作。これらの楽曲が加えられるであろう次のツアーがどんなエネルギーを発するのかも楽しみだ。
【文:山田邦子】