レビュー
[Alexandros] | 2015.06.17
[Alexandros] 『ALXD』
[Alexandros] は、サクセス・ストーリーの裏も表も隠さず歌う
初の武道館で改名を発表したり、メジャーと手を組んだり、このところ、[Alexandros]は大忙し。しかしこのニューアルバムを聴くと、目指す音楽に向かって一直線に爆進していたのが手に取るようにわかる。これまで以上にアイデア満載で、一瞬たりとも気が抜けないのだった。
オープニングにメジャー第1弾シングル「ワタリドリ」を抜擢し、終盤にはインディ時代の代表曲「Run Away」を置く。レコーディングがインディとメジャーにまたがっているのに、まったくブレがないのが、このバンドの芯の強さだ。言い方を変えれば、彼らがインディからメジャーに打って出る瞬間のドキュメントとも言える珍しいアルバムになっている。
史上最高の言葉数を叩き込む「ワンテンポ遅れたMonster ain’t dead」、荒々 しいサウンドの「Buzz Off(Interlude)」の次に、世界を整然と描く「Oblivion」があり、さらに透明感のある「Leaving Grapeflutus」が並ぶ。
自由奔放な楽曲群の中で僕が好きなのは4曲目の「Famous Day」だ。少し翳りのあるメ ロディを歌う川上洋平の声が魅力的だ。その背後で、秘めたパッションを表わすように絶え間なくリズムを刻む庄村聡泰のドラムがユニークだ。それらが合わさって、[Alexandros]にまた一つ新たな武器が増えた。
デビュー以来、ギアを上げ続けているこのバンドは、自分たちのサクセス・ストーリーの裏も表も隠さず歌う。このままどこまでも、ありのまま走り続けて欲しい。
【文:平山雄一】
リリース情報
ALXD(初回限定盤)[CD+DVD]
発売日: 2015年06月17日
価格: ¥ 3,800(本体)+税
レーベル: ユニバーサル ミュージック
収録曲
[CD]
1. ワタリドリ
2. Boo!
3. ワンテンポ遅れたMonster ain’t dead
4. Famous Day
5. Adventure
6. can’t explain
7. Buzz Off(Interlude)
8. Oblivion
9. Leaving Grapefruits
10. Dracula La
11. Droshky!
12. Dog 3
13. Run Away
14. Coming Summer
[DVD]
This Summer Festival 2014から12/20Zepp Tokyo LIVE映像7曲+副音声+ALXDセルフライナーノーツ座談会の計71分を収録